ようやく詳細がわかったのでやっと書けるのである。
高円寺に「UnKnown THEATER」という映画館がオープンします。
これは俺とか俺ら(よう!よう!)とかの間でお馴染み、「4th」のオーナーが執念で作った自主制作を中心に上映する劇場なのです。
インディーズとはいえ、ほぼほぼ職人のような作品が並ぶ中、日曜大工感覚でとんてんかんてんと作ったすうさい堂のゾンビ短編を三本上映。釘とか緩んでても気にすんな。
2月15日(水)
『すうさい堂式リビング・デッド三部作/御祝儀上映会』
【上映作品】
「毎日ぞんび~everyday of the living dead」
「LIVING DEAD★COCKTAILS」
「SUGAR PUFF LIVING DEAD」
+マル秘おたのしみ特典映像つき!
open/19:30
start/20:00
¥1300+1drink(¥500)
アンノウン・シアター(全40席)
杉並区高円寺北2-21-6 レインボービル3F(1Fはワイエスホーム)
JR高円寺北口/徒歩2分/純情商店街内/磯丸水産前
で、電話は?まだないって?わちゃあ、ということですが、未見の方は作品を、「もうみあきたよ」という方は劇場を見にいらして下さい。社長の情熱には頭が下がります(本人は全然映画マニアじゃない)。
店のことを全然書いてない気がするが、全然書くことがないのである。店舗よりもネットのほうが訪問者が多いという現実!これがゲンヂツ!
さて景気付けに、二作目『COCKTAILS』で楽曲を使わせて頂いた「BOBBY’S BAR」のカッコいい動画を。
これは素人ゆえにバーカウンターのノイズをすべて拾って録音してしまった、似非モキュメンタリー風(もう何がなにやら)作品。
ギタリストのナオヤ氏から「もっとまじめにやれ」と怒られた問題作でもある。
三作目『SUGAR PUFF~』は初めて喋らないゾンビという正統派を作ったつもりがやっぱりこんなんなったという。女子がたくさん出演していてガーリーだから、つうことでこのタイトル。
伝説的ノイズバンド「GRIM」の独逸ライブツアー参加など国内外で活動する、いまいちばんイケてるノイズパフォーマー「REMO」さんもゾンビ女子として白目剥いて出演しています(も、もったいねえ・・・)。
そしてHP。http://uk-theater.com/・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まだだ!!
ようやく観たです、すうさい堂スクワッド。「良い知らせと悪い知らせがある」という定石の言い方がありますが、この作品に対しては「良い評価と残念な評価がある」という感じ。
ハーレクイン&ジョーカーのカップル。これは素晴らしい。ハーレクインのカッコかわいさは絶賛されまくっているからもう書かないけど、実は相方のジョーカーも最高。
タトゥーだらけの狂ったイケメン。「助けにきたぜベイビー」とハーレイを奪還する雄姿。ヒース・レジャーやジャック・ニコルソンと比べてどうのこうのというのはまったく意味がない。ちなみにハーレイはジョーカーを「プリンちゃん」と呼ぶ。普通にバカップルですね。
残念な点。実はこちらの方が多い。スーサイド・スクワッドの連中が悪人に見えない。
スナイパーのデッドショットは娘思いのいいお父さんである。殺人をする以外はちゃんとした人だと思う。
火炎魔人のディアブロはずっと反省してるし、ワニ男のキラー・クロックは外見がおっかないだけでは?
一番ワルっぽいキャプテン・ブーメランはほとんど活躍しないし、女性剣士のカタナは体制側のボディーガードじゃん。殺人鬼じゃないのか。
敵キャラが魔女。ま、魔女?ラストは生身の悪人チームが魔女と戦うという変てこなファンタジーとなってしまい、なんともまあ、である。
総じてバイオレンスが全然ない。ゆえに大ヒットしたのかも知れないのでそこに文句つけるのもなんだとは思うのだが、ハーレイが持ってるバットは一体何のため?バットとは人をぶん殴って血をぶちまけるための道具だ!釘とかが打ってあればさらにイカす!
これと比べると極悪人を極悪人としてきっちり描いた上で感動のラストを作り上げた、ロブ・ゾンビの『デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2』がいかに素晴らしかったか!と思う。
残念ながらスー・スクはお子様ランチでした、という感想。
いい映画というのは少女(ヒット・ガール)がマフィアをぶっ殺す『キック・アス』や、スパイがひとでなし狂信者集団をぶっ殺す『キングスマン』や、ヒスパニック軍団が差別主義の白人たちをぶっ殺す『マチェーテ』(今こそ再見するべき)や、拷問組織に対して女子が一人でリベンジする『ホステル2』などを指す。
「大人の鑑賞に堪えうる作品」とはそういうものだ。
聞くところによればハーレクインのスピンオフ作品が制作されるとのこと。
そちらでは自由にイイ仕事をして頂きたいものだ。プリンちゃんもね!
海が嫌いなら、山が嫌いなら、都会が嫌いなら、勝手にしやがれ!というわけでシン・ネンドからのすうさい堂は勝手にやることに致します。
22歳頃に描いた絵を売るという暴挙。もう普通のことをやっていても無理なんで。
状況的には実家のコタツの上で悶々と制作していた代物。そいうったドヨン感は出てますがだから何なんだ。
自分的にも痛いことをやっているなあという思いがしなくもないので、一応いいわけなども少々。
去年、連続殺人鬼たちが残したアートを展示した「シリアルキラー展」というのに行ったのですが、達者な人は本当に達者。ただもうチャールズ・マンソンのバカが描いたとしか思えない絵や、殺人ピエロとして有名なジョン・ウェイン・ゲーシーのド下手な絵を見るにつけ、「この人たちはネームバリューだけで作品を発表して売っている。ずるい」と、つくづく思った。人殺しの才能とアートの才能は比例しない。
すうさい堂も14年目に突入。だったらおれが同じことをやってもいいんじゃないか。
あと、路上で見かける「みつをライク」なポエムを色紙に書いたり、「あなたの目を見て浮かんだ言葉を書きます」とかやってる不愉快極まりない奴ら。どうせ「目が死んでます。あんたの人生はクソです」とかは絶対に言わないんだ。
他人の手法を丸パクリして、自己満足を得るために、町で一瞬の生ぬるいコミュニケーションを求める奴ら。
しかも家賃要らず資材要らず仕入れ代要らず。己の感性のみで勝負(本当は人の借り物)、って、だんだん書いてて腹立ってきた。
であるならば、すうさい堂は家賃も払ってる立派な路面店(「隠れ家的」と書かれることが度々あるのだが、こっちとしては隠れてる気はさらさらないんですけれども)。
だったらおれが同じことをやってもいいんじゃないか。
というわけです。
いま考えたらバウスシアターという劇場は、吉祥寺でも指折りなへんてこスポットだった。
それがなくなってしまったらもうあとは「おしゃれカフェ」「素敵スイーツ」「かわいい雑貨屋」「俺の一押しラーメン」みたいなのばっかじゃないか。
こうなったら「へんてこスポット」として続けるしかないんじゃないか、と。新作も描くしかなくなってきたのだ。
ハナコ、ポパイ、散歩の達人、ぴあ(の吉祥寺特集)、どんとこいですよ。本当に載せたいのはこんなのではなくって?
なんかすごく鼻息が荒い文章になってしまったのでもう終わりにします。本当はアップするの嫌だなあ。
※これらの原画になります。⇒http://suicidou.fc2web.com/SuicideMuseum/menu.htm
最後のすうさい堂13周年記念は、1月13日金曜日の高円寺フォースでのイベント『FRIDAY THE 13TH』です。DJですがホラー系の楽曲が回る予定。よかったらどうぞ。http://fourthfloor.sub.jp/
今年の営業も本日で終了。本当しずか。しずかでいいなあ。
いよいよ進退窮まったという感じで、もうあかんです。
というわけで来年からは開き直ってヘンなことを始めます。お正月中に模様替えをするのです。
と、書いてしまうともうやるしかないなあ。
結局んとこ、自分は商売なんかにはまったく興味がないのであった。
ただ「目利き」をやりたかっただけなのだと思う。そりゃグダグダになります。
それにしても、青春ノリでわいわい商売してる奴らがムカつく。どうせ「俺らの王国」とか言ってんだろ。
まともな人生あきらめた者が店とかやるべきである。そうだそうだ。
そもそも自分の場合「店やってるのとやってないのとどっちがマシか?」という選択を「やってるほうがマシ」ほうに張ってるという理由だけで、続けている。
ココはこれでも自分と世間様との重要な繋ぎ目なんである。
ブログもしこしこ綴っており、最近は映画のことしか書いてないのだけど(今年は百本くらい観た)、要は「立派じゃないけど面白いもんがこんなにありました」と、言いたいわけです。
わっちゃあ、なブツでも世の中に出回れば触れられるべきであると考えているので、そういうものは本でも映画でも音楽でもすうさい堂さんが拾う。えれえ、おれ、えれえなあ。
顰蹙覚悟で書いてしまうと、ザ・ビートルズさんは立派な音楽家だが、ロックンロールとしてはまったく響かない。恥ずかしながらこれが基本理念だったりする。
年明けは5日から開けます。
1月13日の金曜日はおなじみの高円寺4thで、【すうさい堂13周年記念DJ/FRIDAY THE 13TH】(まだひっぱる13周年)をやるです。ホラーやサイコ系の楽曲を回します。あと一名、だれかDJやらないかなあ。
それと、いろんな不手際により現在パソコンへの写真投稿が出来なくなっているので、さすがにいま使っているボロXPから(わはは)もうちょいまともなやつへ乗り換えようかと考え中。
今月発売されたムック『黒猫マニアックス』(白夜書房)に、当店とヂル会長が掲載されています(表紙の一番右側に写っているのが会長です)。
添付ファイルが開けなかったので、見ないで「あ、オッケーす」と載せてしまったら、営業時間が思い切り昔のでした。間違ってます。いやあわりいわりい。
と、そんなところで。今年は久々に『狂い咲きサンダーロード』が劇場で観られてよかったなあ。
仁さんのあまりにも「生き生きとした言霊」には観客から思わず笑いが漏れていました。
改めて観ると、ほとんどのセリフを覚えてしまっている。まあ、バカみたいなことしか言ってないですし。
個人的には映画がものすごく刺さった年で、本年度に鑑賞した作品だけでも「こころのベストテン」が出来るくらい。こんな感じ。
「ヘイトフル・エイト」
「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」
「ペイン&ゲイン」
「フォーリング・ダウン」
「スーパー!」
「マーダー・ライド・ショー2(デビルズ・リジェクト)」
「ホット・ファズ」
「ラリー・フリント」
「グリーン・インフェルノ」
「オデッセイ」
最後に仁さんでご挨拶。ガムをくちゃくちゃ噛みながら、
「今年もお世話になりましたーーーーーッと!」
何でもそうなのだが「こんなことをやってもいいんだ!」という種類の感動というものがあり、特に自分はそれらに惹かれる傾向が強い。マンガで言えばジョージ秋山の暗黒作品、『アシュラ』『銭ゲバ』『ばらの坂道』『天牛』などがまさにそういったもの。
先日、ラピュタ阿佐ヶ谷で『銭ゲバ』の実写版(70)を鑑賞。
冒頭で小汚いスカジャンに下駄履きのあんちゃん=蒲郡風太郎(銭ゲバ)が登場。演ずるは唐十郎。
「聖徳太子の昔から/地獄の沙汰も銭次第」「偉い坊主のお寺でも/お経を上げれば銭を取る」「大統領でも乞食でも/銭の嫌いな奴はない」「そんならおいらも銭ゲバだ」。
唐十郎歌唱の主題歌がさっ最高!;だって全部本当のことだから。
アニメ/漫画の実写映画、そのほとんどが底抜けのようだが、この作品はマジで素晴らしい大傑作。
個人的な実写映画ベストとしては、『おろち』『ヤッターマン』と並んだ。
なかなか原作のアウトラインをなぞるのがうまい。風太郎は兄丸社長の車に体当たりしてまんまとその家に住み込み、婿養子(岸田森)候補を殺し社長を殺し、脚の悪い次女(横山リエ)と結婚して会社を乗っ取る。さらに長女(緑魔子)もレイプ。
しかし緑魔子って特別美人だとは思わないのだが、なんとも雰囲気のある人だ。今はモデル上がりのきれいな人が活躍していてそれはそれで結構なのだけれど、チェックを怠っている自分としては、美人の平均値が上がりすぎてしまって、もはや誰が誰だかわからなくなっちゃった。
風太郎が殺人に使用したロープをネタに恐喝する父親(「よーしわかった!」の加藤武)。さらに風太郎の足取りを追う老刑事。
なかなか濃い面子だがなんといっても唐十郎。義理堅く寝ぐせヘアーを通し、片目を(多分)糊付けして、原作そのままの「めっかち」を表現。
抜群のキモさですが最近の作品はブサイク役にはブサイクのキャスティングするという基本的なことがなあぜ出来ないのか。テレビドラマ版も某イケメンがやってたしなあ。
当然ながらストーリーはとことん暗い。脚が悪く顔に痣がある次女を精神的DVで自殺に追い込む(横山リエって「ビッチ専門女優」かと思っていたらこのような役もあったのでした)。
長女はレイプされたのちにパリで姿をくらましている。風太郎の子を妊娠していたのだ。
帰国すると風太郎そっくりの容貌を受け継いだ子供を抱いて家に戻る。
彼の血が流れた子供を見せつけ育てることが、父を殺され妹を自殺させた風太郎に対する彼女の復讐なのである。
しかし風太郎は「なぜ生まれてきたズラ」と子供を手にかけ、長女も殺してしまう。
原作のラストでは風太郎がピストル自殺してしまうのだが、映画版はさにあらず。というか、それ以上に切ないかもしれない。
海辺で子供の「ガラガラ」を発見し、波打ち際で号泣するのである。
殺したくて殺したわけじゃない。これも唐十郎歌唱の劇中歌で流れるように「真実一路の道なれど/ままよ人生銭ズラよ」なんである。
飲んだくれの父親が失踪した後に育ててくれた母親を、「銭がない」ために病気で死なせてしまった風太郎にとって、地位を得るために殺人を続けるのも、絶対に自分は成功して富を得なければいけないからなのであって、それが彼なりの「真実一路の道」なのである。
長渕某の「銭はよぉ/そりゃ欲しいけどよぉ/なんぼ積んでも/譲れないものがある」という曲が大嫌いで、そりゃ本人は歌っていて気持ちよさそうだが、これは金に困ってない奴だからこそ言えることだ。
ぼくは積まれたら人間としての尊厳でも人格でも信念でも何でも売るよ。もともとそんなもん持ってねえし。
今年の某による歌謡祭のパフォーマンス、茶番さ加減がなかなか愉快でした。
小学校の学級会そのもの。「いじめはやめよう」「いのちはたいせつにしよう」「たにんをおもいやろう」「はい、それではみんなで『今日の日はさようなら』を歌って終わりにしましょう」
しっかり御膳立てされた上で検閲済みのメッセージをわめいて(だってスーパーが出てるんだもの)、なにが「魂の叫び」か。しかも、一字一句間違えない優等生っぷり。
ということは別にどうでもいいズラ。『銭ゲバ』は未ソフト化ズラ。いそいでみにいくズラ。はやくしないと終わってしまうズラ。
蒲郡風太郎の顔の真ん中にペンなどを立てて見ると、まったく違うふたつの顔が立ち上がってくるのであった。