この件で一番驚いたのは、18年間も「ベートーベンごっこ」を続けていたということ。
自分なんかはクラシックに疎いもんだから、ゴーストライターの先生が登場するまで「佐村河内守」なんて人の存在は全然知らなかったのだが、世界中から天才の称号を頂いていたのですね。
コンサート中止、CDの出荷停止、購買者からは「金返せ」のひっきりなしのクレームと、大変面白い(ごほっ、げほっ)ことになっているらしい。
ゴーストライター氏本人が「あの程度は勉強すれば誰でも書ける」と言っているので、謙遜が入っているとしても大方そうなんでしょうね。
「真の天才」と絶賛していた音楽の先生たちは真実がバレた直後、「あれは、嘘だったのだっ!!」と、楳図かずお調で絶叫したことでしょう。
騙された、と怒っている人。でも、音楽自体には感動したわけでしょう?・・・というのは愚問で。
実際のところ「聴覚を失った作曲家の物語」に感動したのだろうから、そりゃ怒るわ。
まともにピアノも弾けない楽譜も書けない聾でもないっつーんだから。
一番低俗な、要するに本音に近い言葉を代弁するなら、「つ▲ぼだと思ったから、感動したのに!!」であろう。
「さむらごうち・まもる」が本名なのかハンドルネームなのかは知らないが、まずこの名前から始まってる気がする。言霊的にもなんだかありがたいもの。そりゃ、めちゃめちゃ芸術家っぽいわ。
(自分の苗字も結構レアだけど、こんな「偉人感」はない)
本名だったら「俺は絶対すごい(はず)。なんでだかわかんないけども!」と思い込みそうである。
どういう経緯でこの「狼少年プロジェクト」が始まったのかってのはちょっと気になるところ。
しかしこの人、これだけテレビや雑誌に出てるってことは、相当目立ちたがりなんですね。
キメキメですもの。よく見りゃ黒シャツの第一ボタンを外してたりする。かっこいい。
頭の中は常に耳鳴り。光を遮るサングラス。絶対音感を頼りに、耳鳴りのノイズの中から音を拾い、楽器も使わずに作曲する!頭痛が激しいのでほとんどの時間を横になって過ごす(おむつ付きで)。
・・・すごいな、おい。ゴーストライター、もう一人いませんか?小池一夫先生でも思いつかない原作。
んで、健常者と同じように喋ることが出来る。先天性じゃないから、との設定。
まあ、しかし、ごく普通の感想として、ペラ回りすぎじゃないでしょうか?別にいいンですけどねッ!
18年もやってりゃ演技も雑になって来て、顔も売れたものだから後ろから「佐村河内さん!」なんて声かけられたら「はい!」なんて返事したりして。
そのうち「携帯電話で話す佐村河内!」なんてスクープが載ったりして。
演奏の実演を拒否するために、指には常に包帯という演出。
さらに専属の手話つきというオプション。バットマンとロビンですか。
「全聾で被爆二世の天才作曲家」として食ってやろう、という意思はとりあえず、すごいと思う。
普通の神経じゃそんなの、面倒くさくてやってられないよ。そこだけは「超人」と言えるのだろうか?