とうとうあの人が日本にやって来る。ルー・ルイス兄貴である。
レコ屋のコーナーとしては「パブロック」で発見できるが、完全にその世界からは逸脱している、白人ブルース・ハーピストの最高峰。
悪すぎるルックス、そして外見に恥じないマナーの悪さ。故にバンド(エディ&ホットロッズ)からは解雇。そしてパチモンのチャカで郵便局に押し入り、強盗未遂(+大麻所持、ヘロイン・コカインの売買)で7年間の懲役を打たれた前科者。
出所後は持ち前のトラブルメーカーぶりで音楽シーンの人間関係をぶっ壊し、ドラッグがらみで生計を立てているらしい。日本で言うところの「トバシのケータイ」をいくつも持っているので、連絡は容易ではないとのこと(ライナーノートより)。
招聘元のレコード屋(ビニール・ジャパン)に電話予約したら、「この人がどんな人か知ってますか?」と聞かれて、笑った。
一応来日は押さえたが、どんなトラブルがあるかも分からず、最悪の場合ドタキャンも有り得るとのこと。嬉しくなるようなリスキーさである。上等です。
スタジオ盤の『セイヴ・ザ・ウェイル』も名盤だが、BBCのライブ『ストリートのブギー野郎』における野放図なカッコよさってば、他に類を見ない。
ブルーズ/ブギー/ロックンロール/ガレージの最も最良な毒。
手のひらに収まる楽器・ブルースハープをこれでもかと吹きまくり、その殺気は前衛くんのノイズなんぞ足元にも及ばない。
50代半ばくらいなんじゃないかと思うんだが、素晴らしいどうしようもなさである。ストーンズとは違うタイプの、真のロッキンローラー(内田裕也っぽく)。
多分ライブは「最高か最低か」どっちかだ。デブになってたって全然かまわないが、「真ん中」だったらいらねえってんだ。
3・18、下北沢ガーデンにて目撃する予定。
http://www.youtube.com/watch?v=v72kNqi_AwM
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