『プリンツ21』という雑誌の忌野清志郎特集を買い取りした。
この本自体が品切れだし、80ページに及ぶ特集なのでファンにはたまらないんでしょうが、こういうのを読むと「かつては好きでした」という思いが強くなる。
膨大なディスコグラフィの中でも、本当に好きだったのは80年ごろの『BLUE 』まで。
いわゆる「RCらしさ」から逸脱を始めたあたりから、もうひとつ輪郭がぼやけてきた。と思ってる。
しまいには「パパの歌」やらで、なんで「ロックロール・ショー」や「あきれて物も言えない」「いい事ばかりはありゃしない」「君が僕を知ってる」なんかを歌ってた最高のブルースマンがこれなんだ?という思いがいまだに消えない。
シンパは「人間味があっていいじゃない!」と言うのだろうけど、自分はロッカーはバケモノ・キワモノ・サイコ野郎でいいと思ってる(というか、それを演じてほしい)。泣き言を歌うなら女に関してだけでいい。人間味よりケレン味である。
お年を召して「お化粧のノリが悪くなっていった」のも離れた大きな理由。
ルックスは重要。少なくとも見かけがどうでもいいのは好きになれない。
「見かけだけでどんなことやってるのか分かっちゃう」のは確かにつまらないかも知れないけど、同時にそれはとてもクールな態度でもある。
おっさんとしてはやはり、「かまってちゃん」に肩入れは出来ないんである。
とか書いてるけど、フォーク時代の『楽しい夕べに』なんて激しさと叙情が同居した名盤だし、私生活や経済的には最悪の状態で録音され、あっという間に廃盤になった『シングルマン』の切羽詰った空気は、他とは替えのきかないものである。
CDもだいぶボロボロになっちまったが、20年以上ずっと手元にある。
自分にとっての清志郎はそこにいる。命日も忘れちゃったが、別に何の問題もない。
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