阿佐ヶ谷ラピュタにて『女体』鑑賞(監督・恩地日出夫/64年)。
上映前のアナウンスでは「じょたい」と読まれていたが、これはやはり「にょたい」ではないでしょうか?にょ。
内容は『肉体の門』+αだが、この作品には本当の「屠殺」シーンがあり当時非難轟々、そのお陰で恩地監督、しばらく干されたらしい。
自分なんかは「演技として」やり切ってしまった出演者の役者根性がまずすごいよな、と思ってしまう。
が、そのシーンのおかげで「食糧難の時代に貴重な牛肉を貪り食う至福の光景」がリアルに捉えられた。
殺された牛さんも本望ではないか。だいたい出来上がったものにはうまいうまいと舌鼓を打つくせに、途中経過を見せられると残酷だ不快だと騒ぎ立てる神経がよく分からん。じゃあ食うな。経過を伴わない結果ってのはこの世のどこにもないんですぞ。
パンパンから這い上がり平凡な主婦になった女とクラブのママになった女、どちらも自分の生活に不満がありお互いをうらやましく感じている。自分は女心を理解しようという気がさらさらないので、「そんなもん、どっちかじゃ」くらいしか感じなったが、この映画のテーマはその辺なんですか?そうですか。
よく考えたら「文芸作品」特集で、招待券をもらったゆえ足を運んでみたのですが、なんだな、「女の恋愛談義」と「男の武勇伝」ほど、つまらない話もないな。もちろん、したって構わないんだけど、「自分で自分を茶化せない人」はだいぶ低評価だから、僕ん中では。
それより「男好き」としては、特攻帰りのワイルドガイではた迷惑な自死を遂げた、南原宏治である。
この人どこかで強烈な役をやっていたなと思ったら、鈴木清順監督・『殺しの烙印』の、殺し屋ナンバー2じゃないですか。
宍戸錠を監視するため互いを手錠でつなぎ、目を開けたまま爆睡、シッコもそのまま垂れ流しという怪演を見せた。この映画ほど隙がないくらいスタイリッシュかつ、ナンセンスな作品もないかも知れない。初代ルパン三世の「あの空気」が好きな人はたまらんよきっと。ヘロヘロな主題歌も痺れるぜ。
http://www.youtube.com/watch?v=5kqOxJDZFso
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