『おそいひと』(監督・柴田剛)鑑賞。
これは本物の身体障害者(重度の脳性マヒ)が、連続殺人を繰り広げるという内容。
自分はボランティアとか介護の仕事に一切興味がなく、そういう人を見かけると「ちょっと引く」程度の意識が低い人間なので、これはヤバそうだなという下衆な興味からDVDを手に取った。
いざ観てみるとモノクロ映像、きれいなカット、エロクトロニカなサントラなど、実にアートっぽい作品であった。
主人公の住田雅清氏は車椅子で移動し、言葉の発生もままならない(文字を打ち込むことによって電子の声が出る、ボイスマシーンで会話する)重度の身体障害者なのだが、監督はこのハードコアな被写体を出来る限りカッコよく撮ろうとしているような意思が感じられる。きわどい内容だが、そういった意味では非常に「優しい」作品。
カラーでもっと凄まじくどぎつく!という方法はとらなかったのである。
ついうっかりしがちなのが、脳性マヒとは脳の命令系統が繋がらないのであって、脳の機能自体がマヒしているわけではない、ということ。
つまり考えることは普通の人と同じ。若い女子には萌えるし、こいつぶっ殺す!と憎悪をメラメラさせることも当然、ある。ってことを確認させてくれた。
住田さんは酒好きであり、ヘルパー(スキンヘッドのバンドマン)ともうまくやっており、夜な夜な酒宴を繰り広げている。
一見、楽しそうな人生である。
そこへ卒論のための体験として、女子大生が介護のボランティアとしてやってくる。男としては当然興味の対象。
要するに好きになっちゃう。
スキン兄ちゃんと女子大生さんが微妙にいい関係になり、先輩格の障害者から「壁は自分で取り除け」と忠告されてから、住田の中でなにかが狂う。
彼をまず、用意周到に殺害してしまうんである。あとは連続殺人鬼へとまっしぐら。
一瞬映される、障害者とは思えないくらい、無駄な肉のない裸体が神々しくも毒々しい。
全編に映し出される住田氏の笑顔。
剛毛で髭面で黒ぶち眼鏡をかけたその顔は毛むくじゃらの動物のようで、一瞬、かわいらしい。
このキラキラした笑顔を使って「障害者だけど僕、ハッピーです!」ってな作品をつくることも可能だと思うが、『おそいひと』は真逆のベクトルを貫いた。
だって、そんなわけがないんである。
劇中、女子大生が「住田さんて普通に生まれたかった?」という質問に対し、ボイスマシーンで『殺すぞ』と答えるシーンがあるのですが(笑顔で!)、恐ろしいのはその答えじゃなくてそんな質問ができる、無邪気かつ、まったくデリカシーのない神経である。
笑顔で楽しく酒飲んで、バンドの打ち上げにも誘ってもらえる人気者。の障害者。
もてなすほうは百パーセント悪意はない。が、どうにもこうにも健常者とのギャップは埋まらない。埋まるわけがない。
「障害者が連続殺人をする」という部分があるからむしろエンタメとして成り立っているのであって、笑顔を振りまきながらも一人になれば「はあぁ」と溜息を漏らすようなリアルな描写だけで映画を終わらせるとしたら、凄まじく絶望的なメッセージを放つ作品になったとも思う。
が、それをやっちゃうとあまりにも文学的というか内省的というか、「本物の脳性マヒが連続殺人鬼なんだって!なんかすげーんじゃね?!」と下世話に盛り上がれる部分がポップというか、映画としての一般性ということであります。
以前『障害者プロレス(ドッグレッグス)』という興行を見に行ったことがあるが、そこには女装趣味の変態障害者や性格が悪すぎる障害者、「ヘビー級」に至っては立ち上がれないくらい障害が重いからヘビー級ってことで、みんなリングに寝っころがったまんまっていう、なかなか黒いジョークに満ちた空間で、我々健常者は金を払って彼らのパフォーマンスを見て、彼らを揶揄するアナウンスを聞いて笑った。
障害者たちが作り上げたエンターティメントを無責任に楽しんで帰った。
それ以上でもそれ以下でもないが、よい思い出です。
また行ってしまったハーシェル・ゴードン・ルイス映画祭。『血の祝祭日』と『ゴア・ゴア・ガールズ』鑑賞。
「祝祭日」は世界初のスプラッター・ムービー。1963年。ビートルズのデビューといっしょ。
ビートルズの輝かしい歴史と同時に残酷映画の歴史もまた、同時に歩き始めた。
もうびっくりするくらい、表現として薄い!ただただ、血糊と内臓を撒き散らすだけ。それ以外にまったく見所がないが、その見所のなさが見所になっている。特に会話シーンなんかカメラを真ん中に固定して、あとは役者が喋ってるだけ。客も見たいのはゴアシーンなのだろうからそんなのテキトーでいいんじゃないの?的ないい加減さ。
ゴアシーンにしてもまずはざっくりと殺しちゃえば、役者も演技しなくて済むし、とりあえずマネキンと臓物があればなんとかなるや、ってな感じ。
エジプトの邪神復活を願う配膳業の男が、次々に女性を殺害し、儀式に必要なパーツを切断して「汁だくでお持ち帰り」する。目玉、舌、脳漿、手足など。燃費の悪い働き方である。
いきなり犯人が顔出しで登場するので、ミステリーな伏線一切なし。潔いと思う。
店の奥にいやげものみたいなエジプト神を祀り、「おお神よ~ッ復活の日はもうすぐでございます~」とかやってるんだが、一体何がどうやって復活するんだかは全然わかんない。
結局数々の「おいた」がばれて犯人は警察から追われるのだが(単なるおいかけっこになってるところがまた潔い)、隠れた廃棄物収集車の粉砕機が作動して、ぐっちょんぐっちょんに潰される。で、おしまい。
刑事いわく、「町のゴミを始末する手間がはぶけたね」っておい。
見世物としてはまずまず。モツをリアルにばら撒いてみせれば、役者がダメでもホンがダメでもカメラがダメでも映画は撮れる(金儲けができる)ということを証明した、エポックな一本。
基盤がこの最低作品なので、もう少し映画人としてまじめな後発者たちの様々なアイデアや肉付けにより、わたくしたちの大好きなホラー道は開通したのである。
至るところで使われるドラムのドーン、ドーン、という音が頭から離れない。実はルイスって人は、ちょこちょこセンスがいい。
上映終了後の映画秘宝チームによるトークショウも面白かった。
引退作の『ゴア・ゴア・ガールズ(72年)』。これ、最高じゃないですか?改めて劇場で観て、あれ、こんなに面白かったっけ?と思ってしまった。
観た者全員をほっこりさせる、残酷ありエロありラブコメでもあるという稀有な映画(マジだって!)
ストリッパー連続殺人事件。それを追う小粋な探偵と新聞社のかわいこちゃん(叶美香さん似)。
顔面破壊のゴアシーンがなかなかアイデア満載で、目玉をえぐられ手で潰しそれを定位置に戻すわ、アイロンで顔を焼かれるわ、フライドポテトを揚げている容器に顔を突っ込まれファストフードにされるわ、顔面を「タタキ」にされてねぎとろ状態になるわ(頭蓋骨はどこ行ったの?)、乳首を切ればミルクが飛び出てそれをカクテルグラスで受けるわ、風船ガムを噛んでいる時に殺された女は、膨らませたガムが血溜りで赤くなる。この辺ちょっと中二。
かの殺人鬼は、音もなく侵入する。皆さんやっぱり鍵はかけないといけないよ。
ストリップシーンも例によってダラダラ撮っているだけなのだが、これが実にガレージパンク的でカッコよい。無意識の勝利。トラッシュなロックンロール好きの琴線にも触れるハズ。
犯人はストリップバーの女バーテンで、元は踊り子だったが火事でヤケドを負ってからオーナーに相手にされなくなり、嫉妬にかられて人気ストリッパーを血祭りにあげていったのであった。
探偵に追及され二階から落っこちて、そこをたまたま走行していた車に顔を轢かれて死にました。この間約十秒くらい(さすがに失笑が起こっていました)。
バーにはずっと瓜やオレンジを潰しているベトナム帰還兵の用心棒がいて、「こいつがあやしい」という話になるのだが、結局何も関係なくて、ただ果物を潰すのが好きなだけのキャラとして登場。はつはつはつ。
なかなか(ルイスにしては)練りこまれた脚本である。
原題は「BLOOD ORGY 」と出ていたで、「THE GORE GORE GIRLS」は改題なのか?かなり好きなセンス。
どちらもネタバレ仕様で書いてしまったが、ハーシェル・ゴードン・ルイスの映画を観る上では実に些細なこと。
しかし独特のうさんくさい響きがカッコいい名前だなハーシェル・ゴードン・ルイス!もう一回くらい書いておこうハーシェル・ゴードン・ルイス!!
というわけでレンタルにもなく、中古DVDも結構なお値段で、しかも本邦初でもしかしたら最後のなかなか有意義な映画祭でしたが(『2000人の狂人』『カラー・ミー・ブラッド・レッド』も観たかった!)、そういうこととは別に、自分がスポーティーなイケメンや理系の切れる奴だったりしたら、こんなイベントには出向いてないんだろうな、とも思いました。
http://www.youtube.com/watch?v=XYyx1yPo2ic
突き詰めると映画ってやつのほとんどは、「異常な状況を楽しむもの」だと思うんですよね。
「タイタニック」だって、巨大客船が沈んでみんな死んじゃうようかわいそうだようおいおいおいってことで、泣くのだろ?
そういう意味でホラーは王道である。と、若干言い訳をしておいて、先日、渋谷シアターNで開催されている『ハーシェル・ゴードン・ルイス映画祭』に行って参りました。
彼の作品が劇場にかかるのは本邦初ということで、これはちょっとした事件なんである。
ここはホラーとロック映画をメインとするビッとした劇場なのだが、12月で閉館するとのこと。ビッとした経営方針を貫いていると金子(きんす)が集まらないという、なんとも残念な現実であります。
H・G・ルイスとは、人間の解体や内臓を見せつける、「ゴア(血塗れ)映画」を世界で初めて撮った人。
この手の映画の元祖なのだが、スプラッターというほど勢いはないし、スラッシャーというほどキレもない。
ホラーってのは基本的にストーリーが楽しめて、フックとしてショック描写が入ったりするものだと思うので、実は玄人の仕事である。
ルイス作品がすごいのは何から何までド素人丸出しなところ。低予算で雑で投げやりでテンポも間も悪く、全体的に「もっちゃり」している。
それでも「盛り上がらないまま」見せられるゴアシーンはなぜか生々しく、独特のひゃっこさと背徳感を放っている。
だいたいバックに流れるのは「もよ~ん」「ぼわわわわわわ」といった、安っぽいシンセの音。
これに比べたらジェイソンなんてマッチョが暴れてますね、ぐらいの健全なもので(実はまともに観たことないんだが)、初見では「ものすごく嫌なものを観たなあ」と思うのだが、それっぽい言い方をすればあの「モンド感」に体が馴染むと、じわじわと効いてくる。
「ちゃんと」作られたホラーに比べれば欠陥だらけのルイス諸作品が、クールというよりはなぜか、キュートに見えてくる。実際、ダビングビデオで『血の祝祭日』『2000人の狂人』『ゴアゴア・ガールズ』を所有していたりなんかして、愛でた愛でた。
これはほんと、人に言えない悪趣味。
今回鑑賞したのは未見だった『血の魔術師(THE WIZARD OF GORE/70年)と、『ゴッドファーザー・オブ・ゴア』。
「魔術師」は、夜な夜な女性客をステージに上げ、残酷になぶり殺すショーを繰り返す、魔術師モンターグが登場。
殺害方法が凄まじく、チェーンソーで体を真っ二つに切断したり、五寸釘を頭に打ち付けたり、剣を飲み込ませたり、プレス機で体に穴を開けて内臓を抜いたりする。
が、「魔術」なので、ショーが終わると女性たちは無事に生き返り帰路につくのだが、その途中でステージでされたことと同じ方法で惨殺される。その事件を追うスポーツ記者とテレビキャスターのラヴラヴカッポゥ!
と書くと、ものすごいサスペンスっぽいのだが(他の監督が撮ればそうなるんだろうけど)、実際見てみればわかるんだが、もうグダグダのヘロヘロのぺったらぺたらこ、です。
一応、観客を煙に巻くようなオチがあるのだが、多分「こんなの思いついちゃったんだけれども~」ってなノリで撮影されたに違いない。
「哲学」とか「SF」とか「傑作」とかの言葉を鵜呑みにすると、口から屁が出るような脱力感を味わうと思う。
私は「さらにダメ感割り増しでお得だ!カッコいー!!(かわいー!!)」と、素直に捉えた。
ちなみにこの映画のサントラは、バーレスクショーのハコバンのようでとてもカッコいい。
トラッシュなルーツ探しに余念のない、サイコビリー兄貴やガレージパンカー諸氏には是非、ご覧頂きたい一本。
『ゴッドファーザー・オブ・ゴア』はルイス師匠の人生を追ったドキュメント。快活に喋る明るいおじいちゃんである。
最初は「ヌーディー・キューティー」を製作していたが(出演者の男女が全裸でビーチ遊びをしたりツイスト踊ったりという、バカしか観ないジャンル)、なにかもっと刺激的なものを!というわけで、世界初のゴア映画、『血の祝祭日』を監督・配給。
舌を抜き取ったり脳味噌をばらまいたりという猟奇な描写が受けて映画は大ヒット。評論家筋にはシカトこかれる。
そして師匠は「あれ?イケるんじゃね?」と、やや「間違った」表現者魂に火がつき、続々と残酷映画を送り出して世に問う。いや、問うてないか、別に。
よく「金儲け主義」と言われていたが(どれも「祝祭日」ほどヒットしなかった)、意外と映画制作を楽しんでいたようである。
相棒と苦労話を懐古していたが、あの作風でも苦労あったんだ、とか思ったりして。
御大いわく、「私の代表作は『2000人の狂人』で、あの作品で映画史に名を残した」と語っていたが、普通の人にはなかなか見つけにくい足跡であります。そういうところがキュートであったりするわけなんだが。
先の「魔術師」は小学校の講堂を借りて撮影した(とんでもないなあ!)などのエピソードを語りつつ、監督業を引退した後はマーケティング会社で成功を収めたりしていて、実にまっとうな社会人。
最近はホラー映画祭などにゲストとして呼ばれることも多いようで、自作のカントリーソング(「2000人の狂人」のテーマ!)を元気に歌う姿は、日本において恐怖を司るあのお方、楳図かずお先生を連想してしまった。
監督はドイツの変態・フランク・ヘネンロッター。ジョン・ウォーターズもコメンテーターとして登場。
「究極のゴアはポルノに似ている」の言葉になんとなく納得。たしかにルイスの映画は淫靡である。
見ちゃいけないものを見る後ろ暗い快感。
ルイスが極端な突破口を作らなければ、ロメロもサム・ライミもトビー・フーパーもタランティーノも三池崇史もいなかったかも知れない、と考えると、ちょっと偉いひとに思えてくる。
『悪魔のかつら屋』や『シー・デビルズ・オン・ホィールズ(バイクに乗った女悪魔!)』なんかも観ている自分はマニアなんだろうか。
「シー・デビル」はクランプスがカバーした、あれ以上薄くなりようがないペラペラ・ガレージパンクの主題歌と、敵の暴走族リーダーを首チョンパするラストしか覚えていないので、再見したいのはやまやまなのだが、ソフトを十年以上見たことがない。「かつら屋」に関しては、完全に忘れた。
記念にポスターを買って帰りました。店に貼ってあります。
ヒマなもんで、バットマン映画を全部観倒したのですこんな心。
さすがにテレビ版『怪鳥人間バットマン』までは追っかけてないが、60年代の『バットマン・オリジナルムービー』はビデオで持ってた。
これは、バットマンふくめ登場人物が全員バカ!という怪作である。松本人志言うところの「元祖天才バカボン」の世界。つまりツッコミがいない。
ジョーカー・キャットウーマン・ナゾラー(リドラー)の三悪人がバットマン&ロビンに対し「バカの知恵」で挑戦する。さらにそれを「バカのひらめき」で返すバットマン!バカ同士の力が拮抗するバカの世界!ツッコミ担当は観ているぼくら!
バットマンはかなり薄着(防護服にもなっていない)。おなかぶよぶよの中年体型丸出しだが、アクションシーンもしっかりあって、殴ると「POW!」なんて吹き出しが出たりする牧歌的なもの。キッチュ&コミカルさを押し出した、まあカッコよくいえばカルト作。はっきり言って大好きだ。
ティム・バートン監督の『バットマン』『バットマン・リターンズ』はやはり名作。
本来のダークヒーローとしてのバットマンが、スクリーンに初登場。
マフィアの幹部がバットマンに手を離され(やりますねえ)、酸の中に落ちて肌は真っ白に漂白され、顔の筋肉は笑っているように固まった。これがジャック・ニコルソン版・ジョーカーの誕生。
とにかくニコルソンがノリノリでずうっと踊っている。同時にイケイケのマフィアだった男が(バットマンのせいで)道化のような顔を与えられ、凶悪なピエロとしてしか生きざるを得なくなったという事情に、一抹の哀愁も感じる。
『リターンズ』はさらにおどろおどろしさ大爆発。ゴッサム・シティを暗躍する三人の怪物の物語。
水かきのような手を持った畸形の赤ちゃんがその醜さゆえ、両親によって下水道に捨てられてしまうのだが、彼はその世界で「ペンギン」として生き、サーカス団のようなギャング一味のボスとなっていた。
下水道に暗黒組織。初めて観たときは江戸川乱歩のできそこない小説『影男』あたりを想像してしまった。
手の畸形が支配者となり孤島で人工的にフリークスを製造する、というのは石井輝男の『恐怖奇形人間』だけれども、バートンだったらこれ知ってるんじゃないかね。
そして重要なのがキャットウーマン。オフィスから突き落とされたが猫の魔力によって蘇った、梶芽衣子のような「怨み節」に燃えた黒猫。自宅に戻るといきなりコスチュームをミシンで編み始めるシーンが笑える。
ミシェル・ファイファーのブラックレザーにムチさばきがカッコいい。バットマンとのはかない恋愛もあり(で、やっぱりヤるシーンは暖炉の前なのな)。女はとうに捨てました~♪にはなかなかなれず。
ペンギンを操って画策をはかる町の実力者(クリスファー・ウォーケン)も登場するが、トータル的に見てこいつが一番悪い。怪人たちより生身の人間の方が極悪、という皮肉。
切羽詰ったペンギンは部下のペンギン軍団(鳥です)に爆弾を背負わせ、神風特攻隊よろしく町を破壊しようとする。バートンのすごい発想力。
力尽きたペンギンがペンギンたち(鳥です)に見送られ水葬されるシーンは悪役なのに切ない。体型的にもダニー・デビートのペンギンは大当たり。
バットマンは眼光と顎のラインが重要なので、素でいるときの胡散臭さも含め、マイケル・キートンがベスト・オブ・バットマン俳優だと思う。
バートンがどういうわけか監督を降板して、ガラリと傾向が変わったのが『バットマン・フォーエヴァー』。
ロビン初登場。悪役トゥーフェイスも登場。ただしマジンガーZを知っている日本人からすると、「あしゅら男爵みたいだな」とか思ったりする。
ずっとハイテンションで目立っているのがクイズ大好き・リドラー役のジム・キャリー。はじめてこの人の演技を見たが良くも悪くも「顔芸」ですな。バットマンはヴァル・キルマー。
それまでが暗すぎたせいか、ずいぶんポップになったという印象。
続く『バットマン&ロビン Mr・フリーズの逆襲』はドライアイスな怪人・フリーズにシュワちゃん。植物女ポイズン・アイビーに「ビル殺し」のユマ・サーマン。バットマンはジョージ・クルーニー。さらにロビン・バットガール・ベインまで登場。
ここまでくるとほとんど、子供向けの後期ゴジラ映画(怪獣総進撃とか)。実はこの二本、長いことシカトしていてようやく観た。まあ想像どおりだったんだけど(つまらなくはない)、シリーズ物ってのはあまり出来がよくないものも混ざっていたほうがコクが出る。
「先祖がえり」と言えなくもない。恐らくこの勢ぞろいキャラでもう一本くらい作りたかったんじゃないかというのが見え見えなのだが、それができなかったのはあまり当たらなかったせい?
で、「これじゃダメだろう・・・・」と製作されたのが怪人キャラが出てこない『バットマン・ビギンズ』から始まるシリアスな新シリーズなんだろうなということは、想像に難くない。
『ダークナイト』はちょっと重要なので、一回しか観ていない。できれば「爆音」あたりで鑑賞したいところ。
スピンオフ作品『キャットウーマン』はあちらで最低映画賞を受賞したらしいが、そんなに悪くないかと。
ただコスチュームが露出多すぎというか、ヤングジャンプの連載漫画のような安っぽい感じに見えてしまう(ってごめん。あの雑誌昔から受け付けない)。ハル・ベリーはすごくカッコいい。
キャットウーマンちゃんはやはり、ビチビチの全身ブラックレザーで決めてくんないと!
セクシイさでは60年代、クールさではミシェル、なんか一番「かわいい!」と思えるのは、『ダークナイト・ライジング』のアン・ハサウェイじゃないかと思う。
よく、バットマンの存在感が地味、とか「ない」とか言われたりしていますが(そりゃあんまりだ)、寡黙なヒーローゆえ騒々しい悪党たちを許容できるんである。
バットマンがゴッサム市民からもうひとつ支持を得られないのは、道交法をほとんど無視しているからというのはデカいと思う。
バットマンは生身の人間なので、武器やコスチュームや車(バットモービル)などを金に明かしてカスタムメイドする、成金のヒーローである。そして執事が優秀すぎる。
あーのー、すすめられてアレ、見てみたんだけど、『純喫茶磯辺』って、映画。
えーと、遺産が手に入ったバツイチの親父(みやさこ)が、よこしまな動機で?喫茶店開いて、でー、バイトの女の子(麻生くみこ)に横恋慕して?でー、・・・あっ高校生の娘が仲りいさでー、でー、いろんなアレが起こるような起こんないような、・・・・そんなはなし?
でー、りいささんの小生意気(笑)な感じがー、けっこーツボっつーか、・・・・アレで。
「は?」「バカじゃないの?」「死んでよ」とか言えちゃう親子関係が素敵っつーか、アレなかんじで、なんか、いーですよねぇ・・・・。
え?ん?・・・・・なんでこんな文章かっつーと、映画の会話のあのー、空気がこんな感じっつーか、そーゆー、ん?ねぇ?
あっ!えーとあの、麻生さんが実は、ヤリマンだった、ちゅーのが唯一のどんでん返し的な?感じで、あとはアレなんで、なんか終わっちゃったなっつー・・・・感じっす。コスプレ姿もけっこー、来るっつーか、アレ、あの、うん。
は?あーでもなんかピースで・・・・・あれあれあのー、クレイジーケンバンドの、エンディングテーマがなんか逆に?意外と、よかったっすね~・・・・あのえとそんな感じで、お疲れっすぅ・・・・・。