楳図かずお先生の『漂流教室』、いまさらながらだが、大傑作であります。
こんなにグルーヴ感あふれる漫画は他にない。
「ギャー!!」「ギャッ!!」「ハアハア!!」「ムシャムシャ」「ザザザ」といった「ウメズ音響」もグルーヴィーだ。
小学校がまるごと荒廃した未来へトリップ!理性を優先する「大人」である教師たちは全員自滅!
唯一生き残った大人である給食のおじさん・関谷は生存本能むきだしで子供たちに暴君としてふるまったり、幼児退行したり(バブバブ!!ニャーゴ!!まんま!!)、また正気に返ったりしていろいろ大変。キャラ立ちすぎ!
確かにとんでもないとばっちりには違いない。
さらには子供たちをおぞましい怪虫が襲い(ザザザ虫と呼びたい)、ペストが襲い、グロ造形の極みのような「未来人類」が襲い、主人公の「翔くん」には個人的に盲腸が襲い(麻酔なし、カッターでシリツ!執刀はやっぱり子ども!!)、大雨が襲い、スモッグが襲い、断崖・死のはばとびがあり、内ゲバで子ども同士が殺し合う。
そしてあまり語られないことだが、死んだ仲間の死体を焼いて人肉を食うシーンもある(全員子ども!!)。
これがスピリッツではなく少年サンデーに連載されていたということがすごい。
「お姫様」や「我猛くん」や「池垣くん」などのサブキャラも光る、児童文学(とあえて言ってしまう)の記念碑的作品であります。
そろそろ店頭に出すんで、「漫画によるグルーヴ体験」をしたい方は買ってください。
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