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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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BiSHに至る病



「こんなひどい話がありますぜ、げっしっし」というのが基本的なスタンスなので、しばらくブログが書けなくなった。現実のほうがずっとひどいからである。フィクションが負けている。ホラー映画ですら半分くらいは因果応報の法則があるというのに(残り半分は何も悪くない人が大変な迷惑を蒙る)、現実にはタイーホすらされん輩がおる。などと言っても詮無いのでぼちぼち頭の中の整理をしようかと思うのだがもちろん本の話ではなく、とりあえずは「欅がしんどい」ということだ。

二年くらい大好きで追っていた欅坂46がもうかなりしんどい。本当にカッコいいと思っていたのは全員黒スーツの『風に吹かれても』までで、欅史上最もロックと言われた『ガラスを割れ!』がどうにも好きじゃない。そもそもアイドルが「今回はロックに挑戦しました!」と言われる作品のほとんどがしんどい結果に終わるのである。次の『アンビバレント』もなぜかビミョーーーにピンと来ない(カップリングのPVが「時計じかけのオレンジ」チックでカッコいいのがあったが)。『黒い羊』に至ってはとうとう「鬱陶しい・・・」という感想が出てきて我ながらびっくりした。
センター平手友梨奈の不在問題。これも最初は「今日は平手ちゃんはいるのだろうか?」とざわざわしていたものだが、いない状態が当たり前になると「ああ。いないんですね。はいはい。わかりました」。二期生が入って選抜制になったときの黒い雰囲気。ぼろぼろメンバーが抜けているのに、当時の音源でパフォーマンスしている微妙な不条理。そしてたまに登場する平手友梨奈の冷え冷えとした目つき。あんなに醒め切った顔のアイドルは見た事がない。しんどい。

といった心情のところにさくっと入り込んできたのがBiSHなのでありました。
ユーチューブでも見ていたし、テレビ出演時も「大人にBiSの流れをやらされているかわいそうな子たち」という印象しかなかったのだけど、CDを聴いて認識が変わったのでありました。
(そもそも「ユーチューブで見ているからファンでーす」という人びとは、ザッピングが出来る「ユーチューブが好きなだけ」なのである)
とりあえずファーストから聴いてみっか、とディスクをプレイした途端、瞬殺。アイドルのキラキラしたカラオケではなくガチにラウドなバンド演奏なので、おっさんにはするりと馴染む。
BiSHの音楽的評価はもう確定しているから自分がごちゃごちゃ言うことはないのだが、どのアルバムが一番好きかと言われると、彼女らの楽曲は本当に捨て曲がないので困ります。
現メンバーが三人しかいないファースト『Brand-new idol SHiT』、というのも後ろ向きな気がするので、メンバーが全員揃った99秒のハードコアパンクで始まるメジャーデビュー作『KiLLER BiSH』ということにしておきましょう。ここには洗練(ほんのちょっと、だが)に向かう直前の勢いがある。
鳴かず飛ばずのダンサー志望だったアイナ・ジ・エンドをボーカルとして発掘した功績は本当に大きい。いわゆるアイドル枠としてはピンクレディーのケイちゃん以来のハスキーボイスかと思うのだが、エグさでは比較にならない。瞬殺である。
王道アイドルボイスのセントチヒロ・チッチ。息継ぎを隠さないところがすごく好き。作詞を最も多く手がけるモモコグミカンパニーはグループの知の象徴。ちょっと緑魔子や戸川純のような(昭和ですまん)雰囲気を持つ「無口担当」のリンリン、本当は狂気担当。メガネ担当ながら視力は1・5、なおかつメガネを外したらクビと言われているハシヤスメ・アツコはアラサーらしい。おそらくメガネを外したら箸休めにならんと思う。ごはんが何杯でもいけてしまう。

最後に加入したアユニ・Dの声はなんつーか、強烈な「ひらがな」が襲ってくる感じ。この洗練されない、されようがないニュアンス、個人的には80年代の北九州パンク・スワンキーズを連想した。
彼女がベースボーカルをつとめる3ピースのバンド「PEDRO」が実は最高にカッコいいのである。ライブでも確認済み。元ナンバーガールの田渕ひさ子がギターなのでもう、ギャリッギャリです。ギャング・オブ・フォーの再来か。
海外でリリースしても受けるのではないか。なにせ日本人が聴いても半分くらい何を歌ってるのかわからんのであるからして。
この発音もあやしいアユニをボーカルとして立てた事務所代表・じゅんじゅんこと渡辺淳之介(ファン=清掃員は彼をこう呼ぶ)の慧眼。強烈なコックニーなまりのジョニー・ロットンをボーカルに抜擢したマルコム・マクラレンのセンスに近い。
人間的にはかなり問題ありそうだが、マネージャーとしてはマルコム並に敏腕。追っていくとフェイクの仕掛けが抜群なので、作詞作業はメンバーに任せてそっち方面でひっかき回してほしい。かな。

BiSHの公式デビューPVはメンバーにウンコをぶっかけてグチャグチャにするいうもので(馬糞とのこと)、じゅんじゅんの「ここから這い上がって来い」というメッセージとして取れなくもないが、BiSを非常階段と共演させてグチャグチャにしていた過去もあるので、単に彼の趣味嗜好かな?とも思う。
しかしソークーを投げつけられながらもカメラに目線を合わせしっかりリップシンクする、アイナの根性はすごい。
BiSは詳しくないのだが、彼女たちを怪奇やアングラ趣味が濃厚でありつつ礎を築いた初代仮面ライダーとしたら、BiSHは初代をポップにビルドアップさせ人気や売り上げで乗り超えた、仮面ライダーV3ではないかと思う。ってまた昭和。
と、このようにおっさんは薀蓄があり、名盤やゴミ盤を何百枚も聴いてきているので、おっさんが「このアイドルは良い」というのはある程度説得力がある。はずである。と思う。

現在のBiSHのキャッチフレーズは「楽器を持たないパンクバンド」。これが「楽器を持たないメタルバンド」だったら意味が通じない。ヘビーメタルはテクニックやスキルを伝えるものだから。
パンク最大の発明はレコードや音楽ではなく、「パンクというニュアンスを伝えること」だと思う。


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