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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

【すうさい堂最新情報/極私的ツイッタァ】 ■■ 近所に移転します。ジャルダン吉祥寺のすうさい堂は閉店しました。14年間ありがとうございました。

モラルも喰う「食人族」



今年の夏は「欅坂46・怒涛の全国ツアー」を追っていたので(ネットで)書きそびれてしまったことがいろいろあるのだが、その中に『食人族』(81)がある。
夏はスタミナをつけるためにお肉を食べましょう、そんな時期におすすめが『食人族』です、とやりたかったのだが、もう終わってしまった、夏。
ただ、アイドルを追いつつもこういうものに目配せをしているので、これを自分の中では「バランスが取れている」と言う。
実に悪名高い作品。同時期に制作された「食人映画」というジャンルのものをいくつか観てみたのだが、映画的な完成度は本作がダントツ。
他の作品があまり出来のよくないホラードラマであることに対し、こちらはすでにフェイク・ドキュメンタリーの手法を導入している。ゆえに妙な生々しさがあり、当時日本でも大ヒットしたのだが、そのときに劇場で鑑賞した観客たちの衝撃はいかほどのものであったか、と思う。
アマゾンの奥地へ突撃取材した撮影クルーの消息が途絶えた。彼らの足跡をたどるために学者たちのチームが現地入りし、原住民と触れ合う。やがて撮影隊が残したフィルムを発見。そこに映っていたものは・・・という物語。
出演している部族の皆さんが本物のアマゾン原住民である。

差別や残酷描写でいっぱいの『食人族』だが、実は最も悪名を轟かせているのが動物虐待であり、その最たるものがカメを殺して食べるシーン。
他のシーンは既存のフッテージから拝借したものとしても、ここだけはガチ。
で、このシーンに「文明側の」アマゾン・日本のカスタマーから物言いがついた。
「私はみていないのですが」と前置きしつつ、「こういうシーンがあるのはよくないのではないか」との書き込みがあり、予約が始まっていた本作のブルーレイが発売中止になったという。
別リリースで発売は再開されたが、アマゾンの『食人族』のリンクはすべて削除されているらしい。
『食人族』は観た人が百パーセント「嫌な気持ちになる」映画だ。それは、観た自分が保障します。
ただそれよりもっと「嫌だなあ」と思うのは、「わたしはみていないんですけれども」「こういう場面がある映画ってダメですよね?」という匿名の書き込みにより、「それはよろしくないですね」と、簡単にひとつの作品が葬り去られてしまうということだ(この投稿者は日本にも「すっぽん料理」という文化があることを知らないのだろうか?)。
「作品を愛する」予約したファンたちはガッカリしたことだろう。自宅であの「嫌な気持ち」を堪能できる権利を奪われてしまったのだ。自腹で「ブルーレイ買うよ!」という人がたくさん居た中で、「買いもしない、観もしない、名前も名乗らない」たった一人の者が売り手と買い手の市場をチャラにした、というわけ。
実はカメのシーンを巡り、この作品はすでに裁判沙汰になっている。ただし監督の「たしかにカメは殺した。だが肉は全員で食べた」と答えて勝訴している。すでに「済んだ話」なんである。
他の動物も手にかけて、食べた。「魚しかいない環境で肉は必要だった」と答えられれば説得力もある。
しかも監督のルッジェロ・デオダートは「私だって動物殺しは嫌だったが、それがアジアに映画を売るための必須条件だった」と話している。
要するに当時の血に飢えた「残酷な観客たち」のニーズに応えるためのパートだった。
もちろん今の映画ファンはそんなものは望まないだろうが、当時のモラルはそんな感じだったのかなあ、くらいの想像力はあってもいいと思う。
そもそも常に命の危機に晒されているアマゾンの野生動物を「食った」ことが、本当に動物虐待なのだろうか?むしろたくさんの猫たちが虐待され死んでいったという噂のムツゴロウ監督『子猫物語』など、絶対に観たくないのだが。
本作に「彼らと我々、本当に野蛮なのはどちらか?」というセリフがあるが、それをそのままこのカスタマーに捧げたい。
『デビルマン』に登場する「人間を食う」カメのデーモン・ジンメンはこんなことを言う。
「だからオレは殺さずに食ったのさ!人間の感覚では生きものを食うのは悪いことじゃない。そうだろう?」

特筆すべきはリズ・オルトラーニによりサントラだったりする。
冒頭で流麗なメロディが流れ、作品とのギャップに思わず笑ってしまったのだが、文明人クルーによる原住民の家を焼き討ちするシーンにもこの曲が使用され、なかなかの皮肉になっている。ちなみにこれをテンポアップすると「徹子の部屋」のテーマになります。
本当に藁葺きの家を燃やしているので、よくぞこんなシーンが撮影できたもんだと思う。撮影スタッフと原住民たちのギブ&テイクが出来ていなければ到底無理だ。
そして『食人族』に衝撃を受けた若き日のイーライ・ロスがそのスピリットをバトンし、最高に愉快で最高にイカれた『グリーン・インフェルノ』を作った。本作の本当の価値はそこにあると思う。
忌まわしいものには忌まわしいなりの価値がある。それがたとえレンタル店で埃をかぶっているとしてもだ。
そうなんです。やたらと「こういうシーンがあるから封印しろ」ってのはダメなんです。「表現の自由」とは破壊描写や残酷描写、過激なギャグなど「エクストリームな表現」を守るためにある。「何丁目の夕陽」とかには必要のない言葉。
ホラーに「伝説の作品、ついに解禁!」とかいうキャッチは実はいらない。簡単に手に取れて「うひゃー」とか「くっだらねー」とか思えればそれでいい。もともとそういうジャンルのはずである。


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夏だ!もうどくだ!ピラニアだ!



先日は池袋サンシャインシティの『毒毒毒毒毒毒毒毒毒・痛』というイベントに行って参りまして、これは「もうどく展2」と読む。
クラゲ、ムカデ、ヤスデ、カニ、カエル、カメ、ハゼ、エイ、スカンク(おねむ中)など様々な毒を持つ生きものが展示されていて、特に嫌だったのが二センチくらいある「パルポネラ」なるアリ。こんなのに群がられて食われるならいっそのこと殺してくれーと言ってしまうなあなどと妄想する。「ギー」とか鳴くらしい。嫌な虫もいたものである。黒に白玉のエイ、「ポルカドットスティングレイ」はカッコいいと思う。さくっと見られるので「ぼっち」でもおすすめです。
ところでこうした毒性の生物はクリエイティブ中枢を刺激することも多く、「こんなのに襲われたら嫌だなあ(でもきっと面白いよなあ)」と、様々なパニック作品が創作される。「金魚インスパイア」とかって、あまり聞かない。
ショッカーの初期怪人なんかもクモ、コウモリ、カマキリ、ハチ、コブラ、サソリ、ヤモリ、食虫植物など禍々しい生物をネタにデザインされており、シンプルな造形は今見てもイケてる。サイコビリーなテイストもめっちゃ高い。
(上野でやってる「深海展」も行きたいなあ。深海魚ファンなので。デメニギスとかカッコいいし)
本物のサソリが入っているキーホルダーがかわいかったので買って帰りました。
http://www.sunshinecity.co.jp/campaign/cp/moudoku2/


さて夏だ。夏といえば人間がお魚にモグモグ食べられる映画が観たくなるのが人情ということで、『ピラニア』(2010)鑑賞。監督はホラーリメイク名人のアレクサンドル・アジャ(なぜかたいへんイケメン)。公開時のタイトルは『ピラニア3D』で、千切れたちんこやおねえさんのおっぱいが目の前に迫ってきていたと記憶する。
ホラーファンはもちろん、「バカ映画ファン」からも大絶賛で迎えられた名作。
湖×春休み×大学生。マッチョもボインも水着でテクノを大音響で鳴らし大騒ぎ。調子こいた連中は「濡れTシャツコンテスト」で盛り上がる(放水するのがイーライ・ロス!ツボった!)。はっきり言ってバカしかいません。
こいつらを太古から生き続けていた凶悪なピラニア先輩たちが「ごち!」と、パクパクする素晴らしい作品。
もちろん大パニックが巻き起こるが、ピラニア先輩にとって彼らは「やきそばパン」とかと一緒なのだ。
ヨットが転倒して乗っているギャルやガイズが落ちて、勝手に「九州ラーメンの替え玉」状態として放り投げられる。しかも「全部乗せ」である。そりゃ食うよ、って話である。
モーターボートのスクリューに髪をからませた女性を(非道なことに)そのままに発進すると、髪と一緒に顔面の皮膚がずるむけるというシーンがあるのですが、「一皮むけばみんな同じなのだろうなあ。人間だもの」と相田みつを的な感想が思わず漏れます。
とにかく「俺たちただいま青春絶好調!人生超絶たのしー!!」とはしゃぎまくっていた連中が次の瞬間には単なる魚のエサ。最高である。ここには「ハッピーな奴らは全員死ね」という真摯なメッセージがある。
我々は普段、魚をおいしくいただいているので、たまには立場が逆転することもあるよねーということも本作で確認したい。
下半身をズタボロに食われて瀕死のエロビデオ監督。彼の今際の言葉が、「濡れTシャツ・・・・・」。
バカもここまで来るとたいへん立派なので、爆笑を通り越して感涙を禁じ得なかったりする。
さかなクン・パニック映画としては『ジョーズ』が金字塔なのだろうけど、今となっては血と乳とチープ・スリルにまみれた(「ち」でまとめてみました)『ピラニア』に軍配を上げたい。

ところで本作は、冒頭でピラニアの犠牲になる釣り氏が『ジョーズ』でシャークハンターを演じたリチャード・ドレイファスだし(カッコよかったよね!)、ピラニア発生の謎を究明する熱帯魚屋が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドク」でお馴染みクリストファー・ロイドだし(あ、「どく」でつながりました)、主役級の男子がスティーブ・マックイーンの孫だったりして、無駄に豪華、とか言っちゃいかんのか、とにかく、「魂のバカ映画」である。なにもいわずに喰われろ、夏!


「悪魔のいけにえ」は2も最高



毎回ためになることを書いているつもりなのだけど、今回は「やわらか頭は大事」ということについて。
テキストは『悪魔のいけにえ2』(86)。また本じゃないっていう。
昔からこの作品は賛否両論あって、「オリジナルの恐ろしさがない」「ふざけすぎ」という声が多い。
自分は実は初見が「2」で、これは封切りで鑑賞。オリジナルはかなり後になってビデオで観た。
確かに「同じことをやってるのにオリジナルはちゃんと恐ろしい!」とは思ったのだが、「2」のクレイジーっぷりも最高なんである。久々に見直したら「やっぱいいな!」、と。これは誰かがちゃんと伝えないとな、ということで。

「1」はごく普通の若者が惨殺されるということが恐ろしかったのだが、「2」はいきなりバカ二人が車で暴走している。一人は東京タワーで売ってるようなアホアホサングラスをかけ、ピストルを乱射している。
おわかりのように「このバカたちがこれからぶっ殺されますよ~」という演出なんである。
「1」では規制を免れるために血が出るような残酷描写は「信じられないことに」ほとんどなかったのだが(それでもレートを下げることは無理だったようだ)、今回は開き直って血まみれ残酷描写が大爆発。手腕を振るうのは信用できる男、トム・サヴィーニ。冒頭でドライバーが頭半分をぶった切られる。もちろん凶器は「自動のこぎり」だ!

今回はレザーフェイスの役者も代替わりしていて、かなり「お茶目」。主役のラジオDJ女子に一目惚れして、一度は助けてあげちゃう。ほぼ人格が与えられなかった(ゆえに恐ろしかった)「1」とはかなりテイストが違う。チェーンソーを振りかざすたびに腰を振るので、おぞましくもかわいらしい。
ちなみによく聴くとわかるのだが、「ババ」と呼ばれている。
そしてこの殺人一家にも「ソーヤー」というファミリーネームが付けられた。
本作で特に人気が高いのがデニス・ホッパー。彼は「悪人か狂人しかやらない」という信用できる男。
今回は「前作で殺された甥(車椅子の性格悪い奴)の復讐に燃える保安官」という役どころ。
「復讐用のチェーンソー」を購入するシーンからしてテンションMAX!店の親父も「こりゃ頼もしいね」とちょっと笑っちゃってる。ソーヤー家に侵入するなり柱を斬りまくって気持ちよくなってるし、一家の前に「歌をうたいながら」登場するところがバカバカしくて最高。
個人的にはホッパー以上に重要だと思っているのが「チョップトップ」で、「1」のレザーフェイスの兄「通称ヒッチハイカー」の代わりに登場。交通事故で頭をボコって、頭蓋骨に銀のプレートを埋め込んでいる。
しかもむき出しになったプレート周辺の肉を、ワイヤーでこそげ落としてうまそうに食うのである。
完全なキチガイだが、本作ではMCとしてもいい感じの仕事をする。ビル・モーズリーという人が演じていて、彼は『デビルズ・リジェクト』でも殺人家族の長男を好演。信用できる。
ソーヤー家の父親(ソーヤーとうさん)だけはジム・シードーなる同じ俳優が引き継いでいる。このおっさんは他の作品ではみたことがない。信用できる。

『悪いけ』といえば晩餐シーン。「1」は本当に女優を追い詰めているような演出が壮絶で、叫び声と共に「瞳孔が開いた眼のアップを映し続けるシーン」はトラウマになったりしたが、さすがに「2」はそこまでの凄惨さはない。
が、あのミイラじいさんはまだ生きていて、というか前よりお肌がツヤツヤしている。
で、じいさんが金槌片手にニヤけるシーンのアップがあるのだが、この顔が「漫★画太郎先生が描くジジイ」にそっくりなのであります。これは是非ご確認されたい(どうでもいいですか)。
クライマックスはレザーフェイスとホッパー保安官によるチェーンソーのチャンバラ対決!これはオリジナルにはないもので、のこぎりがレザーフェイスの体を貫きつつ、ちゃんと回転している!
声を大にして言いたい。レーザーガンとかCGでドカーンとかじゃなくて、魂溢れるガチな名場面を映画はもっと作るべきだ!

ラスト、逃げ切ったヒロインは超ホットパンツでチェーンソーを掲げ、勝利?のダンス?を踊る。
頭上には旗が翻っている。アメリカ国旗かと思ったがどうも違うみたいで、なんだ?バカの旗か?
監督のトビー・フーパーが「観客に笑ってもらえるまで十年かかった」と言っているので、元々がブラック・コメディのテイストを持ち合わせているのが『悪魔のいけにえ』なのだ。それは「2」の、ソーヤーとうさんのセリフをちゃんと追っていてもわかる(ギャグしか言ってないです)。
そもそもホラーとパロディは相性がいいのに、「2」を否定する人は本家のブラックユーモアもいまいち理解できないんじゃいの?ということで、ホラーファンと限定してもあまり魅力的ではない。
やわらか頭でいたいものです。


バカすぎてさわやか



「危ないことをやってるのはスタントマンかバカです」
冒頭で繰り返される字幕。何の話かというとアメリカのバカ・パフォーマンス集団『ジャッカス』のこと。
で、彼らはスタントマンではないので「バカ」。むしろプロ・スタントマンはいくらギャラを積まれてもやらないようなバカなことをやる。
MTVのコーナーとして人気になり、制作された映画版『ジャッカス・ザ・ムービー』(2002、2006)の二作を今さらながら観てみた。
ジャッカスのネタはおよそ①身体をはったもの②動物もの③スカトロもの④内輪ドッキリもの⑤変装もの、の五つに分けられる。一番多いのは①で、当然ながら一番キツいのが③で、一番市井の人に迷惑をかけているのが⑤である。
一作目はいきなりカー・クラッシュ。しかもレンタカーで借りた車をメチャクチャにする。車どうしでぶつけ合いフロントに突っ込んでいったりするので、まるでガチの事故現場。ドライバーは「マジで死ぬかと思った」とニヤニヤ。
この人たちがナゼ五体満足でいられるのか。それは彼らの身体能力がとんでもなく抜群だからである(プロのスケートボーダーも二名いる)。
ゴム弾とはいえ本物のショットガンで撃たれるとか、本物のボクサーとガチで試合をするとか(しかも場所はスーパーで、・・・脳震盪を起こして病院行き)、めちゃめちゃ危険なことをやっているのに、ネタはさらに過激にエスカレート。それはつまり恐らく、何も考えてないから。メンバーに受ければ、やることに決定。問題はそれを「誰がやるか」ってことだけ。
抜群の身体能力と何も考えていない脳みその化学反応が、ジャッカスなのだ。

自らが餌になってサメに接近する。その際、頬には「釣り針」を突き刺す。別に必然性はない。
ただ「絵的に面白くない?」ってことだけで、痛みも根性で耐える。実際、スレスレでサメに噛まれそうになるし、あれだけ接近できればちゃんとした海洋ドキュメンタリーも撮れそうな気もするのだが、そんな真面目なものを作るつもりはまったくないらしい。なぜなら「ギャグじゃない」から。
このネタをやったスティーヴォーって兄ちゃんが自分は特に好きで、彼は背中に「オレ最高」とサムアップした自分の姿をでかでかと入れている。本人は「世界一バカなタトゥー」と言っているけれど、これはすごくいいなと思う。当人は年をとっても「若くてものすごくバカだった自分」が、ずっとそこにいるからだ。
とにかくメンバーたちは笑う。仲間がひどい目にあっているのを見てげらげら笑う。
それは当然いじめではない。自分の番が回ってくるのを承知の上で、笑っているのである。「オレもあんだけやったわけだし、なっ?」ってこと。
やってることはどうしようもないのに、メンバーがピュアなので(バカとも言う)全然憎めない。
ジャッカスには普通の人よりもかなり背丈の足りないメンバーもいる。が、分け隔てなく彼もムチャなことをやらさせる。バリアフリーとはこのことだと思う(ま、この人も筋肉ムキムキなんだけど)。
最高にバカバカしくも恐ろしかったのは、コンドームに入れたミニカーを黄門様に挿入するというもので、そのまま病院に行く。つまり「アナルinミニカー」のレントゲン写真を撮るのが目的で、たしかに「その物体」の影が写っている。
下手すりゃ開腹手術をしなきゃいけないかも知れないところを、彼は「自力で」ひり出してたね。
ウンネタも多いジャッカスだが、メンバーたちは運も強い。
「爺さんに変装して店で万引き」とかの一般人を巻き込むネタは大変迷惑だし、やられたほうも激怒しているのだけど、それを見て世界中の人が笑っているという比率を考えれば、まあまあ良しとしませんか?

今日の文章は、人によっては血の気が引いたり気分を害することもあるだろうなーということでもうやめますが(散々書いちゃいました。えへ)、二作目のエンディング。これが重要。
なんとミュージカル仕立て。メンバーたちが「精一杯生きて人を愛そう」と歌う。
普通なら陳腐としか感じない歌詞だけど、彼らは本当にそう思ってるんじゃないかと思ったらちょっと泣けてきた。
人々に笑って欲しくて、ジャッカスはバカバカしくてサイテーでなおかつ、危険なことにチャレンジし続けた。ただし、傷つけるのはおのれの身体だけ。ネットで他人を誹謗中傷する奴のほうが、よっぽど人を傷つけている。
血やウンゲロが本物なのでモノをつまみながら観るのはやめておくべきと一応忠告しますが、鑑賞後の印象は妙に爽やかである。とはいえシラフで観るものでもないのだが。あ、柑橘系のアルコールも控えたほうがよろしかろうと。
ジャッカスのシンボルマーク。ドクロの下のクロスボーンの位置にあるのが松葉杖。カッコいい。
メンバーは現在もそれぞれ活躍中。一名は鬼籍へ。




チームアメリカ、ファック・イエー!



よくこんなとんでもないものが制作・公開されたもんだ。『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(2004)である。
マリオネットによる人形劇。ただしエログロ山盛りなのでR-18。「人形劇とは子供たちに夢を与えるものだ」と思っている方は絶対観てはいけません。いや、そういう人こそ観るべきか?不協和音で既成概念を壊せ。
制作・監督はトレイ・パーカー&マット・ストーン。アメリカ最狂アニメ『サウスパーク』のクリエイター。
劇場版『サウスパーク無修正版』もとんでもない内容だったが、これはさらにイッちゃってます。
チームアメリカはテロ撃退のための国際警察。冒頭、フランスでテロリストを壊滅させたのはいいが、爆撃を容赦しないので、ついでにエッフェル塔やルーブル美術館も全壊。
チームの司令官はブロードウェイの俳優・ゲイリーの演技力を見込み、組織のスパイとしてスカウト。
彼が後に同チームのリサと恋に落ちる。のだが「恋に落ちる」だけじゃなくて、まぐわるところまでバッチリ見せる。なかなかのハメっぷりだが、あやつり人形が全裸でカクカク動いているのは見ていて本当にバカバカしい。最高。

チームアメリカはやり過ぎなので、実は嫌われ者。もっともアンチなのはアメリカ俳優協会。
登場する人形たちも実名。特にマット・ディモンは「まっと・でぃもん」のひとことしか喋らないアホアホな役。この頃彼は天才科学者の役が続いたらしく、作り手としては「あいつ気にいらねえ」ってことなのか、一番のバカキャラとして登場させられてしまった。
さらにヤバいことに、悪役として実名で登場するのがキム・ジョンイル。世界の壊滅を狙う大悪党で、彼とチームアメリカが対決する。
ジョンイルの手先となった有名俳優たちがチームと戦う。で、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ジョージ・クルーニーたちがグチャグチャにぶっ殺される。
人形劇としては『ミート・ザ・パペッツ』と並ぶ残酷さなので、「お見事!」と盛り上がります。
しかしピーター・ジャクソンの初期作品が今やまったく観られないとはどういうことか。『ロード・オブ・ザ・リング』のファンとはかぶらないからか?それとも「なかったこと」にしたいのか?なんてことだ。

この作品は日本語吹替えで鑑賞することを強力におすすめする。
キムジョンの悪意たっぷりの声当ては勿論のこと、ラストのゲイリーによる大演説、これが素晴らしい。
さすがに自粛するしかない言葉の羅列なんだけど、本当につき抜けたバカバカしさでもう。もう。
うおーっ!!となるしかないですよこれは。恐らく腹をくくって声を当てたと思われる、声優さんの演技も素晴らしい。
他にもどうかしてる大量のゲロ吐きシーンや、司令官による強制フェラ、それにマイケル・ムーアのひどい扱い。
マイケルは左側の代表みたいな人だけど、彼をバカにすることによって、右も左も平等にこきおろすことになる。まあ単に「なんかアイツも気にいらねーな」ってことかも知れないけど。
「エイズの歌」や「モンタージュの歌」など、挿入歌のブラックさも甚だしく、「自由(freedom)は無料(free)じゃない。誰かがサービス料を払わないと」というなかなか皮肉な歌詞があるのだけど、トータル的には「ずいぶんまともなこと言ってるなあ」という気になる。
キムジョンが「ぼくはひとりぼっち~」と切なく歌うバラードがあるのですが、その後ろでは拷問されている人々が映り込んでいる。一瞬のシーンなのでお見逃しなきよう。爆笑もんです。
そして最後に現われるキム・ジョンイルの正体・・・・これなあ、暗殺指令とか出なかったのかなあ?
まあとにかく、命がけで世にもくだらない作品を作ったということだ。実に素晴らしい。劇中ラストの言葉を借りるなら「ファック・イエー!」だ。
わざとやってるとしか思えない「マリオネットのあやつり糸の見え具合」は、政治的とか社会風刺とかの意味合いを軽く越えてポップ、かつアナーキー。

ちょっと前に脳学者の茂木健一郎が「日本の笑いは権力者に対する批評眼がない」とツイートして芸人に叩かれたけど、イメージとしてはまあそうだよなというか、自分はどっちかというと茂木側。
たしかに「ひな壇」と呼ばれる席に座っている芸人たちは司会の大御所を笑わせることに懸命。しかも日本語なのに「テロップつき」という検閲状態を見るにつけ、ああ確かに終わってるな、とも思う(爆笑問題の太田光が激怒したというのは分かる話で、彼らはちゃんと批評性や反骨精神を持っているからだ)。
しかし、部外者(素人ですよ!)のちょっとした発言を業界ぐるみで叩くというのは、強者には向かない牙が弱者には向くという証明。本来、異を唱えて笑わせるはずの芸人が同調圧力を押し付けてどうすんだ。
茂木先生も『チームアメリカ』や『サウスパーク』を知っていれば、「世界にはこんなにとんでもないことをやってる奴らがいるんだぞ!」と、堂々と反撃出来たかもな。


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男性
職業:
古本すうさい堂
自己紹介:
自称「吉祥寺の盲腸」、すうさい堂のだらだらした日常の綴り。
本を読むという行為は隠微なこと、悪いことを覚えるためのモノ。

180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1-28-3 
ジャルダン吉祥寺103

0422-22-1813

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