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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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なんや、逆らいたいんや。(邦画4題)





ワイルドなバイカーが荒野をぶっとばし、アホのレッドネックに射殺されようが、それは他の国の話なのでどこかおとぎ話なのだが、和ものはロケーションや言葉や演技がダイレクトに分かってしまうので、とてもやるせない。
最近レンタルに置いてないような邦画DVDをいろいろ貸してもらったので、お礼の意味もこめてレビュウ。やるせなさのフルコース。すべてメインデイッシュ。

『やくざの墓場 くちなしの花』
まず、刑事(渡哲也)とやくざ(梅宮辰夫)が兄弟杯をかわすってのがすごいです。
姐さん役にカジメイ。敵対する組の企業舎弟に警察OBの佐藤慶。警察上部には金子信雄に成田三樹夫に室田日出男&極左映画監督の大島渚(いやがらせな配役)。そのまま組幹部と取り替えても問題なし。
ここでは拓ボンも刑事で、ここぞとばかりにチンピラをボコボコにしております。
在日問題もからめつつ贈る、娯楽作というにはあまりにヘヴィな男泣き劇場。
渡兄貴が歌う主題歌「今では指輪も回るほど やせてやつれたお前の噂」って歌詞も今聴くとすごい。民生に連絡したほうがいいと思う。
監督は深作欣二。「芸術祭参加作品」のテロップも多分いやがらせ。

『資金源強奪』
これはビデオソフト化も見送られていたらしい幻の一本。監督フカキン。
せっかくヒットマンのお仕事をしてお勤めしてきた組員(北大路欣也)、出所してきたら敵の組と手打ちが成立しており話が違う。ありえない。
だったらムショ仲間(拓ボン&むろっち)と組んで、賭場の開帳を狙ってタネ銭全部取ったろかい!と強奪を実行。怒り狂った組は子飼いの刑事・梅宮たっつんに捜査を依頼。若い嫁をもらったばかりでうれしい楽しいでも金がかかってしゃーないがな状態のたっつんデカは、このアルバイトを承諾。
そこで三つ巴の騙し騙され合いが始まるわけですが、最後に笑うのはやっぱりこいつかい、という。
本作におけるキタキンは「角刈りのブルース・ウィリス」である。

『野獣刑事』
これはやるせないですよ。工藤栄一監督・緒形拳主演によるダーティー刑事もの。
女子大生殺しを捜査するオガケンは有能だが、自分が逮捕したシャブ中(泉谷しげる)のイロ(いしだあゆみ)とねんごろになるわ、ボートで貪り食ったたこ焼きの容器は海へ投げ捨てるわ、髪はロンゲのオールバックだわ、別件逮捕はあたり前だわのやり杉くん。
あゆには男のガキがいるのだが、オガケンにはあまり馴染んでいない。そこへ泉谷が出所。
ガキとは意気投合。一緒に楽しく万引きしたり、コンドーム風船を作ったり。まともな大人よりダメな大人といる方が、子供としては楽しいに違いない。
やはりシャブに手を出してしまう泉谷。ガキをシャブの「はじめてのおつかい」に使ったりする。
犯行を追跡して「ミノルを使うな!!」と激怒するオガケン。ジャンキーにはジャンキーなりの仁義があるだろう、ということなのであろうか。
やがて本格的なシャブ中へ変貌する泉谷。この人は本当に足が悪いのですが、片足を引きずりつつバットを振り回し、あゆを追いかける姿は壮絶。
ダメダメな泉谷(この人が演じる役柄は昔からやるせない)、ダメ男を捨て切れないあゆ、登場する犯人からなにからすべてダメ人間、「これはカースト制度なのか?」と思うほど誰も幸福にならない。
ミノルとカレーを食いつつも泣き出してしまうオガケン。やるせない。
ラスト近くに流れる内田裕也氏の「フハ~ッ」な歌唱による楽曲もやるせない。
「ミノル」君は、『狂い咲きサンダーロード』に登場したシャブ中で銃器ブローカーの小学生、「つっぱりのコタローさん」以来の名子役。

『(秘)色情めす市場』
日本ポルノ映画史上屈指の名作、としての声も名高い74年の作品。
主演の芹明香さんは今見ると単なるしゃくれさんのような気もするけど、この人がモノクロの西成の街をかったるそうに闊歩するとき、なぜかただならぬ空気が巻きおこっている。
キャミソールのような格好で「お兄さん遊ばへん?」と春を売る。知恵遅れの弟との近親相姦。母親(花柳幻舟)も売春婦。同じ客を取った取らないで大喧嘩。
売春斡旋のオヤジとわけありカップルの軋轢。ニワトリを抱えて通天閣に登る弟。不覚にも妊娠&流産してしまう母親。それを見てしまい、バックでいたされながらも「自分たちの時もあんな風やったんや!」と涙を流す芹明香。
指名手配そっくりの男にここを出ようと誘われるが、「うちはここと相性がええ」ととどまり、やっぱり街を闊歩する。
上も下もない、ただここにいる、といった風情。
濡れ場は実に少ない。本当に「必要に応じて」ぐらいしかなく、今に比べると「当時の性欲」はずいぶんストイックだったんかなあと思う。
濡れ場を演じた女優さんよりも強烈な印象を残す、「コンドームを水洗いして再生しているオヤジ」とのツーショットのラストシーンは、意味不明に美しい。
この世界観を極限までフリーキーに追求した作品が、松井良介監督の『追悼のざわめき』かも知れない。
全然難しい話じゃないんだが、芹嬢がつぶやく「なんや、逆らいたいんや。」は、邦画屈指の名言であることに間違いはない。
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