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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ジョージ秋山三題




ジョージ秋山『ばらの坂道』を36年ぶりに読む。
じゃなくて、36年ぶりの復刊。
主人公・土門健の母親は「きちがい」で、長襦袢着て「ゆうらりゆうらり。あははははは」なんつってファンキーに食卓ひっくり返したり、同級生の女の子の足をつるはしでブッ刺しちゃって、「ビッコ」にしたりする。
それと同時進行で母親の父親(じいちゃん)が交通事故で即死。
加害者である大企業の社長は責任を感じ(というか、健にほれ込み)、現ナマ二千万と、遺言で広大な土地を進呈。
運命を感じた健は、そこに「理想の村」を建設しようとするが、土地に目をつけた暴力団が絡む。
さらに健は「精神異常は遺伝する」と宣告される。


「ぼくがきちがいになるなんてそんなことがあるもんか」
「ある」「うまれながらの業じゃ」


とても少年ジャンプ連載マンガのセリフとは思えませんが。しかも平仮名でとんでもないこと言ってるし。
といったような内容なのでずっと封印されていたのだが(まだまだいろんな「業」が襲いかかりますよ)、アングラの聖域・青林工藝舎と古本の貴公子・大西祥平さんの情熱により見事復刻。
『銭ゲバ』『アシュラ』と並ぶ精神注入棒のような作品であります。
うっわーとしかいいようがない結末なのではあるが、それにしても自分が想像していたものよりははるかに優しい。というかわたくしはなんて鬼畜なんだろうと思った。
 

しかしキワモノではない。
「発禁だって(違うって)。ヤバいヤバい」といったノリで手にするとあるいは拍子抜けするかも知れない、正統派作品。
日本ロックの黎明期バンド『ジャックス』の復刻レコードからは当初、「オシ」という言葉が使われていた『からっぽの世界』が削除されていたが、今では普通に流通している。
実際にその曲を聴いたときには「ふーん、アシッドフォークだねえ」くらいにしか思わず、他の「異端のGS」といった風情のナンバーの方が響いたりした。
伝説がリアルになるのは「普通になる」ということであり、それは正しいと思う。
ヘイベイビー、テイク・ア・ウォーキング・オン・ザ・ばらの坂道。

『独眼目明し捕物帖 天牛』(大都社)。
町医者にして岡っ引。
貧乏人から薬代は取らないが、十手者としての顔はかなりダーティーで、犯罪に手を染めたものには「隠匿してやる」とゆすって金をたかり、嫁さんが美人ならば脅して体を頂き(故に、不細工の割には経験豊富っぽい)、幼馴染を見殺しにし(あたしが勝てるわけないよ!)、義賊の上前をはね、モグリの堕胎屋もやっているが(「あたしがいなきゃお前らは生みっぱなしだろ」と、一応正義のようなものもあるらしい)、一人娘を溺愛している。
要するに、全部ひっくるめて良くも悪くも人間的。
蒲郡風太郎やアシュラやデロリンマンはある意味超人だが、「天牛」氏はあまりにも俗っぽい。
このオリジナル版はやや入手が難しいようだけれども、スルーするには惜しい内容なので、一読をおすすめする。すうさい堂で売ってるとかっていう噂もある。

『銭ゲバの娘 プーコ/アシュラ完結編』(青林工藝舎)。
これはまあ、マニア以外は読まなくてもいいというか、「銭ゲバ」は生きていて、実は娘を残したのだが(風子・プーコ)、見捨てられた母親の復讐を遂げるため父である風太郎に接近する、というプロット。
なかなかあやしげな人物など配置し、ちゃんと仕上げればいい作品になった可能性もあるのですが、ジョージ先生がお得意の「あぼーん!」モードになってしまったらしく、超脱力なラスト。
これが許されるのもある意味才能。

「アシュラ完結編」は完全な蛇足。
本編は未完と言われてはいるのだが、雨に打たれたアシュラが「生まれてこないほうがよかったギャア」と決めゼリフ、個人的にはこれ以上完璧なラストシーンはないと思っているので。

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