最近の流行歌のキーワードはどうやら『守りたい』でありまして、特におなご衆が「あなたを守りたいずっと守りたい危機管理は請け負いますだからミカジメちょうだいね♪」と、最後のは冗談でありますが(笑)←わざとやっていますー、どうやら用心棒を多数輩出しているご様子。
そんな中で『一番きれいな私を抱いたのはあなたでしょう~』と、平成の恨み節フレーズをリフレインする中島美嘉は偉い。
失恋ソングがめっきり少なくなった(売れなくなった)ご時世に、「私やり逃げされました」と、「大人の事情」を突きつけてくるなんざ、久々にアダルトぢゃねいか。
わりと音痴音痴と叩かれちゃあいるが、この人の重~い声質は嫌いじゃなかったりする。
「流行歌・歌謡曲」ってのは本来どこかに毒を潜ませてるもの。
子供が何気なく口ずさんでいた歌の一節を聴いて大人がギョッとする、なんてのはかつて昭和によく見られた風景で、職人作家たちはさり気なかったり、あるいは露骨に、巧みに毒を盛っていたんである。
食い物に例えれば、「歌謡曲」は製作過程はあやしいが、それを食するってことにちょっと背徳的な魅力がある「テキ屋の粉モノ」で、「J-POP」はしっかり品質管理されて賞味期限が切れたらポイ、の「コンビニスイーツ」である。
ユーミンは通らなかったが実は中島みゆきって結構好きだったのでして、一枚だけ持ってた『親愛なる者へ』ってアルバムはよく聴いていた。
この中に入っている『狼になりたい』なんかは、たまにカラオケで歌うだ。
椎名林檎とか、中村中なんかが好きな人はイケる一枚なんじゃないだろうか。
いまだに男女の事情とかよくわかんないのだが、このテの心の機微をざっくりと描写したのが泉谷しげるの小品、『彼と彼女』。ほんとに地味なんだけどちょっと凄い音楽だ。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-100526-237
男の立場から歌われているが、逆でも通じるはず。
ダウンロードでもなんでも勝手にすればいいと思うでス。
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