「吉祥寺ぴあ」発売。古書店コーナーにすうさい堂が載っております。
なんだかなあ、商品の写真(おすすめ本)がひっでえな。
本を見ればわかりますが、写真が見切れちゃってる。
モンキー・パンチの『パンドラ』なんて実は読んでないんだけど、カバーがカッコいいから掲載してもらおうと思ったのに、それが写ってない(ちなみに藤子不二雄名義のパワーコミックス版『チンタラ神ちゃん』も、品切れってメールしたのに、その記載もなし)。
しかも担当の編集者から「雑誌掲載時には全体がちゃんと入ります」と返事をもらったのになんじゃこりゃ。わたくし、だまされました?
本人写真も撮りなおしされて実は二回目。若干腑に落ちない顔で写っているわたくし。
今回、最後の最後までばたばたして印象悪し。できんボーイに古本屋の取材は荷が重過ぎると思う。
失敗も修行のうちかも知れんけど、媒体なんだから勘弁してほしい。えらく長い謝罪メールもらったけど全然ダメじゃん。
自分の手書きポップまで写り込んでしまってなんとも恥ずかしいのだが、まあアナログなことしか出来ないんでやんす。
「漫画界の畳職人」の異名をとる東陽片岡氏は、フキダシからタイトルからすべて手描きである。その方がめんどくさくないからだそうだ。彼にとってはパソコンを使うより畳の目を描き込んでいく方が楽なのだろう。
アナログは裏切らない。劣化するのみである。データ商売は消えても、さすがに店の在庫は突然なくなったりはしない。ちなみにうちにはプリンターもない。看板も手描きだが、かなりいい感じにボロくなってきた。修正する気まったくなし。
この前、電光看板の営業が来たので、一応見させてもらった。たしかにちょっと目立つ。
でもうちはパチスロじゃないし、営業マンがエグザイルみたいだったのでお断りした。
とりあえず昼食は100パーセント外食なのだけど、結局毎日の話しだし財布のマニーが常にリルビであるので、同じようなエリアをぐるぐる回る。
で、たまーに言われて困るのが「いつもありがとうございます」。
こっちは食事したらさくさく帰るだけなので、余計な気遣いはほしくないわけ。これ言われるともうダメで、行けなくなっちゃうんですよ。
この前も某チェーンで言われた。なので、しばらく行かない。
その点、中国人スタッフなんかはありがたい。よく行くジャンク中華のお姉さんなんかは、いつも初見のような態度で接してくれる。
近くに常に賑わっている小さな立ち飲み屋がある。カウンターはコの字型。当選、客同士が向かい合って飲む形になるので、そこで話をしたりして顔なじみになっていったりするのだろう。
自主的にじゃないが何回か足を運んだことはある。が、あーのー、実はすっごい苦手!完全アウェイ!僕もうおうち帰る!!心中そんな感じ!
飲むときはメリハリをつけたい。ギャハハなんて笑ったあとはポツンポツンと会話がなくなってそれじゃお開きに、という流れが理想。周りのテンションに引っ張られて飲むような場所は、正直、酒も肴も大してうまくない。
そして大将のニコニコ笑顔は、決して「スマイル0円」なわけではない。
ぶっちゃけ、非合法のものが出回るバーにも連れて行ってもらったことがあるが、なんだろうなあの「俺ら特別」みたいな、くだらない空気間は。
そこで長髪を結んだいかにもくだらなそうなオヤジを紹介されたのだが、食いついてこられてもめんどくさいので「どんな本屋なんですか?」「漫画ばっかりです」「どんな音楽が好き?」「パンクです」とか答えてたら、案の定「ふうん」と見下された。くだらねぇ、と思った奴には見下されていた方が楽だ。
そこでうっかりストーンズなんて言ったら、大変なことになる。
ところでキースやモリソン、エヴァンスや坂口安吾みたいになるには膨大な才能がいるってこと、連中は分かってんのかな?
そこにはラリ公のバカの壁があるのみであった。
たまに行く、上野や神田の立ち飲みの方がずっと落ち着く。上品でさえあると思う。おっさんらが嗜んでいる一杯は本物の癒しだから。
仕切りがなくたって、知らない連れ同士が交わることもない。基本中の基本。
まず壁に向かって飲むってのがクール。「自分にお疲れ様」ってことで飲んでいるのだから、壁以外に何が必要なのだろう。
いきつけ飲み屋やバーでの顔見知りってほど、希薄な人間関係もない。次の一歩を築きたかったら、そこから出て、飲みに行くこと。
あ、ポジティブすぎるブサメンのすうさい堂です。自分、そんなに不細工だと思っていません。彼女はたまたま出来ないだけです。おやおや?
で、国民的アイドルといえばAKB48なのだが、ここのところの人事異動が過激すぎる。
博多はともかく、上海、そしてジャカルタ!ジャカルタに支部があるなんて知らなかった!
まともな勤め人でもへこむレベルである。
総選挙やエースあっちゃんの脱退により、総長の座を狙って笑顔で争われる仁義なき戦い!
今回大島さんが看板となったわけだが、CMにもっとも出ているのはともちんのような気がするし、写真集やグラビアはしのまりが強いような気がするし、ananにはこじはるが度々モデルとして登場して女子人気の高さをうかがわせるし、直木賞作家は自分の映画に「あっちゃんじゃなくてゆきりんが出てほしかったのに!」と我儘言ってるし、たかみなファンは彼女の「がんばっている」姿に感動するらしい。しかし「がんばってる」っていう評価もちょっとなんというか、「すうさい堂はがんばってるから好き」とか言われたら、オレ少し悲しくなる。
なんにしても下克上の世界なんである。
ロックを聴きすぎたであろう知り合いが、チェッカーズのレコードを百円で抜いてきたりしてホクホクしているのは知っていたけど、少し前に『ももいろクローバー』というアイドルにはまってしょっちゅうイベントに通っていると聞いたときは正直、「この子は一体何をやっているんだろう?」と思っていましたが、いまや『ももくろZ』、バカ売れ。天上人。御見逸れしました。
そりゃ売れなくなるわ。ロックバンド。アイドルの動向のほうがよほど刺激的なのだから。
相変わらずperfumeの人気、ライブ動員はすごいようだし、「なんで歌も歌わない、単なるカラオケに熱狂してんだ?」と思っているような輩は、彼女らが「生歌を放棄した上でさえ、人々を熱狂させることができる才能」をもった凄腕の表現者であるということが分かってないのだ。
ロックバンドに華がないとは数年前から思っていたことで、例えばあの「魚くさい」とかいうバンドのボーカルのショボさなど、それは音楽的才能とは関係のない部分でもあるわけで。
カジュアルすぎる。うつむいて演奏されてもありがたくもなんともない。英詞で歌うのは逃げである。「努力して」ロッカーに近づいてやろうという意思もない。皮ジャンもスーツも着こなせない。
クレイジーケンバンドの登場が日本のロックを一旦、区切ったような気がするのである。
なにしろ彼らはそれまでさすがに誰もが無視していた「ムード歌謡」まで取り入れてしまったのだから。ここまで練り上げられてしまっては、確かにもう後が難しい。
ロックなんてものは結局、何かを傷つけてなんぼなので、それを標榜するならばもっとみんな、「人を不愉快にさせないとダメ」だ。
なんでそんなにオリコウサンで好青年なんだ?
露悪趣味の過激さ・無責任な無意味さ・表層的な気持ち悪さ・低次元の暴力性・笑っちゃうようなキザさなどのダメダメな要素がこれほど必要なシーンもかつてなかったと思う。だからアイドルに負けちゃうんだよ。アイドルこそロックだ、と言うつもりはないが、「48人の刺客」たちがニコニコとばらまいてるフェロモンはそれこそ、「内面ばっかり見つめてる」バンドマンたちとは無縁のものだからである。
突貫工事終了。って何がさ。いや我輩の歯がさ。
おにぎり食べてたら奥歯の詰め物がボロッと取れましてな、歯科医に行ったところ「これは歯にひびが入っております。膿んでおります。このままだと進行しますので抜歯したほうがよろしくはありますまいか?」と言われまして、「御意」と答えましたら「じゃあやっちゃいましょうか」と二回目の診療にして非常にカジュアルに物事が進行し、内心では「え?今日やんの?今日やんの?マジすか?ベイベー?」と心の動揺があったものの、ここは勢いでヤッチマイナァーとルーシー・リューばりの態度で臨んだらさすがに麻酔が効いているので痛みはなく、ばりばりごりごりと右奥歯一本抜かれましたとさ。
ところで医者は変態が多いと聞くが、誠実な治療をしてくれるならば、プライベートではシッコetcを浴びていようとも、僕は全然問題ないと思います。そんなの関係ねー。
で、そのまままっつん構成員と『ダークナイト・ライジング』鑑賞のため新宿・バルトナインへ。
ここは二回目だが音響がブリブリで良い。ほぼ爆音です。
劇場の入り口で小島よしおを見かける。なんつうかやっぱり、異形の人である。ちゃんと短パンとTシャツ着てたが。そんなの関係ねー。
「ライジング」はバットマン三部作完結編ということで、全作を見ていないとわからない部分も多い。
悪役・ベインもがんばってはいるのだが「ダークナイト」のジョーカーにはさすがに負ける。
正統派ヒーローものに戻っている趣もあってもちろん楽しめます。大金かかってるし。
本作はキャットウーマンの登場が嬉しいところ。60年代も含め、歴代キャットウーマンちゃんのファンなので、生身の女泥棒的なポジションのアン・ハサウェイさんが良い。今回もっとも「峰不二子に近い」キャットウーマンである。
鑑賞中はさすがに鈍痛が大きくなってきて鎮痛剤を投与しましたが、劇場出てビール一杯飲んじゃうともうダメなのな。一応抜歯後は避けろと言われているお酒をたくさん召し上がってしまいました。
バットマンもだが思い出横丁もワイルドだぜ~。スギちゃんはどれくらい使いまわしができるのか?すでに小物感漂ってるし。
マイルドだぜ~。
最近また水木しげる大先生(京極夏彦さんによれば、「おおせんせい」と呼ぶのが正しいらしい)の、『墓場鬼太郎』を読み直しております。
このビンテージ鬼太郎は正しく「化け物」であって大変よろしい。煙草を嗜む不良児童でもある。
そして貸本時代の水木大先生のタッチはアメコミのような太い線であり、今見ても大変カッコよろしい。
こののち「点描」なるすさまじいテクニックを頻繁に活用する大先生なのだけど、この時代の作風は実にモダーンである。
鬼太郎が誕生するグロテスクな名シーンはもう有名だから置いておくとして、実は『怪奇一番勝負』『霧の中のジョニー』が収録されている第4巻が白眉。
鬼太郎の顔もシリーズごとに変化しているのだが、「怪奇」における彼のデザインは最も不細工で憎ったらしくって最高である。
失業した漫画家か家賃を払えなくなって大家に相談に行くのだが、そのときの会話が素晴らしい。
「二階の金田さんが助手をさがしてたんだけど・・・」
「金田さんといえば殺し屋じゃありませんか」
「そう」
「べつにあんたに殺しを手伝わせようというわけじゃないでしょう」
「でも・・・」
「そうなの・・・。いやならいやで」
「いいえべつにいやじゃありませんが」
「じゃあ金田さんにそういっとくからね」
初期作品にしてすでにこの脱力感!ぺったらぺたらこ!
かくして漫画家氏はジャイアント馬場そっくりな殺し屋・金田さんの助手として雇われ、「アパートの居住権」を巡り鬼太郎親子と対決する羽目になり、あの世に送られてしまうのである。
そして真打ち登場!の「霧の中のジョニー」である。
名キャラ・「吸血鬼エリート」初登場の名編であります(この時点ではまだ「エリート」の名前はない。「ジョニー」と呼ばれている)。
実は吸血鬼エリートにはモデルがいて、それは『寄生人』なる悪趣味ホラー漫画を残した、「つゆき・サブロー」なるお方。ほんとにそっくりなのでググってみたらよろしい。
ねずみ男を秘書として雇い(月給五万円)池田総理の血を狙う吸血鬼と、総理のボディガードに就職した鬼太郎(ライスカレーを食べながら契約していました)が対決する。
ジョニーはスーツに蝶ネクタイの名ギタリストである。
ギターをサウスポーに構え、前髪で顔半分を隠し「ジヤガスガジヤガスガ」「ジヤガジヤガジャンガモンガ」とかき鳴らす姿は、かのカート・コバーンを連想させる、よね?よし!
自宅の巨大な樽からコップに血を注ぎ、「どうですヒヤで一ぱいやりませんか」と、ねずみ男にすすめたりする。イマジネイティブである。
なんだかんだあって、ねずみ男の「ゼントルマンのエチケットだものな」というセリフで完となるのだが、このイイ言葉、実際にどこかで使いたいところであります。
アニメ版墓場鬼太郎もなかなか善戦していたと思う。アメコミ仕様のオープニングがシャレオツ。やっぱりそういうことなんである。
http://www.youtube.com/watch?v=L9OvyoqxJzc&feature=related