映画を封切りの劇場で観るかどうかの決め手になるのはやはり、人がびしゃびしゃ死んで、爆発がどかんどかん起こって、エロがちょこちょこがあったりするようなものが「もとをとった」感割り増しで、満足度も大きいのではありますまいか?と、アホウのようなことを書いているが、実は共感する方も多いのではないでしょうか。みんな言わないだけで。
『マチェーテ』を観てきた(@新宿バルト9.まっつん構成員が調達してくれたタダ券で)。
http://www.youtube.com/watch?v=4MnwOso7mQc
本編はこの予告編の百倍くらいメチャクチャです。
主役のダニー・トレホはその面構えどおり、役者の他にも11年の懲役キャリアがあるという、バリバリそこんとこ夜露死苦な方です。麿赤児さんにソックリです。
で、このマローテもといマチェーテ、とんでもなく強いです。ナイフを使って三秒くらいで三人の首をぶっ飛ばしたり、引きずり出した「腸」をロープがわりに窓からダイブしたりします。医療器具から植木の道具から全部、武器です。
デニーロやスティーブン・セガールなどの大物も、嬉々としてヨゴレ役を演じています。特にセガールの死に様は要チェキ!「B級アクション」に出演できて楽しくてしょうがないみたい。
マチェ兄貴の神父もライフルを二丁拳銃でぶっ放したりしていい感じです(反動がどうの、とかいう物理学の話を持ち込むのは野暮である)。
ラストは、「アメリカはボクたちの国だから入り込んでくる寄生虫は殺してもいいだもんね」がモットーの国境自警団VSマチェーテ率いるヒスパニック軍団との大戦争です。
がははは、殺せ殺せ死ね死ねと、この手の映画を観ている時にしか味わえないドス黒い開放感を抑え切れません。
「マイノリティの人種問題」がテーマだとは思いますが、別にそういうことは考えなくてもよろしいんではないかと。感想としては「ヒスパニックマンセー!カウボーイハットをぶっ殺せ!」であります。
しかしロドリゲスといいタランティーノといい、この手の監督は「眼帯女」が好きだよなあ・・・・・。
終映後まっつん構成員と歌舞伎町のサウナに行って(男風呂にマッサージのお姉さんがうろうろしていてちょっとびびる)、新大久保で一杯ひっかけて帰る。ディープ。
「TVブロス」の読者にテレビ好きはいない、というのは定説でありまして、購読者は特殊なノリの人たちのコラムが読みたくて買ってる。
しかし、今週の表紙&インタビューは「オジー・オズボーン」。
エレクトロニカばっかり聴いてるような読者のニーズにまったく応えていない、素晴らしい編集方針。
ちょっと前はメタル・ゴッドの「ジューダス・プリースト」が表紙であった。なんかこう、編集部内でメタルが熱くなっていたのだろうか?
このブログも「古本屋としての日常がまったくわからない」と思われるかもですが、別にお書きできるような日常をまったく送っていない、ということです。一時間くらいは居眠りして、足りない睡眠時間を補っています。
地味に新しいものを入荷したり、均一コーナーに落としたりはしています。特にCDコーナーの充実ぶりは素晴らしいです。
あと、何かの拍子に入ってきて、何の店だか分からないという人もおられるようです。本しか置いてないんだが。
最近、ニルヴァーナの哀愁メロディが琴線に触れています。特にネヴァーマインドに入っていない名曲『ABOUT A GIRL』。
「歌は世につれ、世は歌につれ、歌を地獄に連れ込んで、自分の頭を打ち抜いた、完全自虐のロックンローラー、故カート・コバーンさん率いるニルヴァーナのみなさんです、それでは行ってみましょう、アバウト・ア・ガア~~~~ル!!」(MC ハマー村淳で)。
「さそり」も「修羅雪姫」も「広島死闘編」も「怪談昇り竜」も「ジーンズブルース」も観てしまったし、というわけで「野良猫ロック」シリーズ5作全部借りてきて鑑賞。
このシリーズには監督が二人いて、二つのパターンがある。
『女番長野良猫ロック』『セックス・ハンター』『マシン・マニマル』の長谷部安春はスタイリッシュなアクション系。
『ワイルド・ジャンボ』『暴走集団72』の藤田敏八はヒッピー集団による群像劇。
もっとぶっちゃけて書くと、「梶芽衣子を撮れる才能があるか否か」ということ。
藤田版の焦点のぼけたゆる~い感じってのがどうにも退屈。カジメイがなんか普通のあばずれねえちゃんだ。
(『ワイルド』で白ビキニ姿が拝めるけど)。
この人はカジメイが稀代のファッションリーダーってことがまったく理解できていない。
そこへ行くと長谷部版は分かってらっしゃる。ピースカとわめく不良女子の中において光る超然とした佇まい。
やはりこの人はナイフとか銃火器とかの物騒なアイテムを持たせないといけません。
そしてシリーズ最高の名言、ワイシャツに裸足のカジメイがバイクに跨りぶちかます、『バッキャロー!!』が聞ける『セックス・ハンター』はシリーズ中でいちばん好き。ジスイズロック!!
「愚連隊によるハーフ狩り」という危ないテーマを持つ作品だが、なぜかレギュラー出演している藤竜也演じる「バロン」も出色。幼い頃に姉が米兵にレイプされる現場を見てしまったためインポになった、悲しき暴漢である。この人の十八番、大した必然性もないのに巻き起こる「くっくっくっ、くあーはっはっはっはっ」のげたげた笑いも、このシリーズを馬鹿馬鹿しく彩る。
一作目は和田アキ子を売り出すためのタレント映画だが、郷鍈治のワルさ&カジメイ軍団による「ミニスクーターの暴走」が光る『マシン』と、前述の『セックス』はおすすめ。そしてほとんどに苑文雀さん(昭和の上戸彩)が出ています。
ゴールデンハーフ、オックス、モップス、アンドレ・カンドレ(井上陽水)、カジメイの妹ちゃん、カジメイと安岡力也によるデュエット等、当時のニューロックを盛り込んだサイケ歌謡映画としても楽しめます。ゲバゲバ。
例の耳掻き殺人事件の判決、こんなたにしブログで意見などできるはずもないが、風俗店と違って「抜き」がない分、そりゃ溜まっていくだろう、とは思う。幻想も込みで。
耳掻きカフェ自体、どうにもいかがわしいというか、膝枕されて耳クソ掘られて、「ほぉら、こんなにたまってましたよぉ★」かなんかやってんのだろ?実におぞましいとういか、アロマ企画がフェチAV作るぞ、きっと。
風俗・キャバクラ・萌え系カフェなどに「恋人気分」を買いに行くのはいいが、十中八九そんなプロフェッショナル女子がなびいてくれるはずもなく、漏れなく「失望」「絶望」「後悔」etcがナフタリンのように付いてきます。いつかは分かることである。
数千円単位で通えるってのがまた曲者。働いている子も荒稼ぎできるわけではないので、「風俗嬢じゃないから汚れてないしぃ」と思っているのだろうけど、しかしそれはやっぱり貰っている賃金に見合うだけの「ヨゴレ仕事」なんである。
「銭が稼げる」というのは(どんな職種にしろ)本人の才覚、あるいは出来上がっているバックグラウンドのルートに乗ること、そしてセックス(アピール)を換金すること、この三つ。
ただしリスクとして、いろんなドロドロしたブービートラップがそこかしこにある。
そこそこに金を得て「買えたり買えなかったり」する程度にほどほど散財して、くすくす含み笑いしてへらへら生きるのがまあ妥当かと。
自分の金の使い道が分からなくなってテレビ局を買おうとした人もいた。うなるほど金を持っている者は本当に欲しい物がないんだと思う。
しかしこの犯人、破滅するほど一財産ぶん投げたわけでもないだろうに、自分の人生は見事、棒に振った。
馬鹿だと思うのと同時に、わずかな憐憫も感じる。
こうした店で遊ぶのが好きな人(はまりそうな人)は、常に「ナフタリンナフタリン」と唱えていたらいい。
昨日のブログを書いていてふと、「ニルヴァーナが解散できれば、カート・コバーンは自殺しなくてすんだかもしれない」と思った。
かの『ネヴァーマインド』は、完成度が高すぎた。誰が聴いても最高傑作でしょう。これを超えるのはかなりしんどい荒業で、結局ニルヴァーナはマイナー然としたグランジバンドに戻っていった。
なんだけれども、ポップスターとして期待される部分と、自らのアングラ資質との折り合いがつかなくて、自分の頭を打ち抜いてしまったんじゃないだろうか。
カートはポップスターを「降板」した。なんちゃって。
まあ、ジャンキーの自殺だから突発的なものだったのかもしれないけど、基本的にアングラくんは精神が脆弱なので、カートも永ちゃんの「成りあがり」くらい読んでおけばよかったのに、と思う。
かのセックス・ピストルズは『ネバー・マインド・ザ・ボロッカス』というアルバムを作ったが、これも二枚目が考えにくいくらい、完成度が高い。クラッシュは成長するバンドだったが、ピストルズはファーストにしてここまでやってしまった。
昔から、「メンバーは演奏してないんじゃないか」と言われ続けているレコードだが、そういったオーバープロデュース気味の胡散臭さも含めて名盤である(多分ベースの方はプレイしてないと思う)。
特に「プリティ・ヴェイカント」なんて、イントロ・サビ・PVのビジュアルイメージも含めて、世界最高のロックンロールだと思っておる。今の感性で聴くと全然早くないし、パンクにすら聴こえないかも知れないが。
ともあれ、ピストルズは一枚だけで解散できたので、少なくともジョン・ライドンにとってはラッキーだった。
おかげで彼だけは前進することができた。初期のパブリック・イメージ・リミテッドの実験精神はめちゃめちゃクールであった。
で、あんまり関係ない話なんだけど、超絶技巧を披露するブルースハープ奏者っているじゃないですか。
そういうのって「上手ですね」とは思うんだけど、あんまり感動しない。何故なら確かに「ハーモニカ」は吹いてるんだけど、「ブルース」がどっか行っちゃってるから。
リトル・ウォルターやルー・ルイスといった極道者が吹くハープは、その隙間から「殺気」がみなぎっている。
「電気楽器なんかに負けやしねーよ」という心意気。そいつがブルーズ。