先日は勢いで店をさぼり上野まで流れ、国立西洋美術館の『ゴヤ展』にたどりつく。
ゴヤとは沖縄の特産物でなくスペインの画家なのだけど、宮廷画家のお仕事として描いた油彩の人物画と、自らの闇をキャンパスにぶちまけた「黒い絵」シリーズや不気味な連作版画がある。自分が好きなのはもちろん後者。
仕事と自分の描きたいことを分けるなんざ、プロのクリエイターである。思わず「クリエイター」なんて使っちまったが。
無表情な人物画に関しては特に感銘も受けないのだが、悪魔や人間を皮肉った版画はどす黒く生き生きしていると思う。ただサイズが小さいので、鑑賞するには少々疲れました。
本当は『わが子を食らうサトゥルヌス』が見たかったのだが、残念ながら展示されていなかった。
これはゴヤが聴覚を失ってから描かれた77歳のときの作品。表情が凄い。しかし「むっしゃむっしゃ」いっちゃてます。原画は股間がギンギンで、「それはいかがなものか」と修正されたという説もある。
「実はこれが当時の最先端グルメでして」とアホ解説をかましたいところだが、強迫観念の塊のようなこの絵を前にしてそんなおちゃらけは書けない。書いちゃったけど。
晩年のゴヤはこれを食卓に飾っていたとか。お客様ドン引き。
しかしこの絵こそ自分の本懐、という態度なのだろうか。だとしたらやはり芸術家である。あ、クリエイターなんて呼んじゃってゴメンな。
あと、このサイトがすごいです。http://www.muian.com/
ビアズリーやらシーレやらの「それ系画家」などの絵がごっそり見られます。
そしてゴヤ展に来ていた娘さんたちのかわいい率は高かった。
んで、上野公園をぶらつき、アメ横のふきっさらしの名店「陳陳軒」でしょうが焼き定食を食ってみたらこれがマジでうまく、腹は満たされているもののすでに食欲がもう一品を臨んでおり、そのままタンメンも続けていけたかも知れない。不思議であった。
さらにキャッシュオンデリバリーの粋な立ち飲み屋で酔っ払い(イッツ・メンズ・メンズ・ワールド!)、ふらふら帰る。同行したまっつん構成員が徐々に執着し始めて止まらなくなった「闇金ウシジマくん」のフィギュアは、どこの店にも売切れたりして置いていなかったというのがオチです。
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