「生き恥を晒すより いっそあの世へ旅立つさ」という主題界のとおりの作品。
梶芽衣子in『ジーンズブルース 明日なき無頼派』@阿佐ヶ谷ラピュタ。
べつに作品が素晴らしかったわけじゃないんだが、梶芽衣子さん(略してカジメイ)がやっぱり素晴らしいのだった。
ハプニングバー経営のどんづまり女のカジメイと(「どーでもいいんだわ」と煙草をくゆらす姿がすでにカッコいい)、殺しのチームを裏切って報酬を一人でガメてバックれたチンピラの渡瀬恒彦が偶然出会い、行き当たりばったりの逃避行が始まる。
日本版の「ボニー&クライド」を撮りたかったようなのだが、渡瀬の泥臭さがまずカジメイと釣り合ってない。
全身レザーがビシッと決まるカジメイに対し、全身チェックのワタセッツァーがぜんぜん決まってない。
というかこの時期の男優で、カジメイと釣り合う男が見当たらないのである。
(そういう意味で、登場した男どもを殺しまくる「さそり」は正しい!)
内田良平・拓ボン・室田日出男の殺し屋トリオもとことんいい感じにマヌケ。いつでもどこでもイロのおっぱいをしゃぶるボスの内田良平が最高。
若い頃のカジメイは常に死のにおいがまとわりついていて、それが唯一無比の「彼岸の色気」を醸し出している。
ラストは射撃隊に額を撃ち抜かれて見事に死ぬが、カジメイが劇中で死ぬ作品って珍しいんじゃないだろうか。
いま活躍中の女優さんやグラビアさんも「かわいいなあ美人だなあエロいなあ」と人並みに反応するのだが、つい「実際にしゃべったら、きっとつまんないんだろうなあ・・・・」とか思ってしまうんである。
この手の邦画が好きな理由は、「ああこんな美人がいたんだ」「この人も若い頃はこんなに美人だったんだ」と、すでに「無いもの」へのファンタジーだからであり、特にカジメイなんかはリアルな生臭さのない、完璧な「美」である。
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