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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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エヴリデイ、過剰者



「言いまつがい」とは糸井重里氏が提唱した、間違いを笑っちゃおうという遊びだが、自分もたまに「すうさんみたいなアウトローは」とか言われたりするのだが、僕の場合は単なる「アウトなひと」なんであって、これは大きな間違い。
さらに「宵越しの金は持たない」んじゃなくて、「宵越しの金<も>持てない」んである。
「おれもあの頃はよう」なんてな自分語りを始めて、周囲をうんざりざせるような栄華を持っていないのは幸か不幸か。結局でかい場面に飛び込む勇気がないってことなんで、そういう人はずっと微生物みたいにごにょごにょ生きていくのでございます。
最近、自分みたいのより、よっぽど会社員の人のほうが豊穣な人生なんじゃないか、と思う時がある。だってだって、彼らは年金やら保険やらキチンと納めた上、賞与や有給があるからそれを使って旅行やでかい買い物や新しい趣味を開拓することができるし、親や親戚にもちゃんと顔向けができる。それはすばらしいことですよ。
いい年こいて「サラリーマンなんてクソだ」とか言ってる連中、だったらそいつらは「クソにたかっているハエ」である。誰の礎のお陰で自分らがぷらっぷらしていられるのか、という自覚をお持ちでないんである。

会社員でも職人でも商売人でも、働く皆さんの人生に潤いを与えるものとして「娯楽」「表現」がある。これは故・村崎百郎さんも「芸術ってのは堅気の人を感動させるためにあるんだ」という発言をしてるので、間違いはないと思う。
昭和の大衆芸能における完成度。歌謡曲/演歌など、その道のプロフェッショナルが何十年経とうがびくともしないように構築しているのである。
演歌歌手が絶対に元歌を崩さず、同じ節回しで歌い続けるのは、そういう自覚があるからだ。どっかの国の原発ほどヤワじゃない。

萩原健一著・『ショーケン』を読んで、つらつらそんなことを思った。
その前にも生江有二著・『竜二 映画に賭けた33歳の生涯』を読んでいて、こういう欠陥だらけの人が発する過剰なパワーにはほんと頭が下がる。
これは俳優・金子正二の伝記本なんだけど、ほぼ「本職の不良の人」がそっちの世界じゃなくて、映画でのし上がってやるという悲壮なエネルギーを糧に、たった一本の作品を世に送って自分は癌で死んでいく。生江氏の男節もビシバシ決まっております。『竜二』は堅気もヤクザもんも、「同じ目線」で感動できるという稀有な名作です。
で、『ショーケン』なんだけども、これは時代のアイコン・萩原健一の自分語りで、「人生で三度地獄を見た」というだけあって、浮き沈みの落差が凄い。
大麻事件で干されたあと、「ぬいぐるみショーの中身」のバイトまでして子供の養育費を払っていたとのこと(あのショーケンが!)
もちろん彼の目線なんだけど、松田優作でさえ「常に自分の後ろを追いかけていた」とのことで、ライバルは「沢田研二」であったらしい(時々文献に登場するジュリーの腹の座り具合は、やっぱり本物である)。
黒澤明の狂気のような完璧主義も書かれていて、もう「映画の鬼」ですな。自分が黒澤映画をほとんど観てない理由がわかった。
ショーケンの仕事に打ち込むエネルギーもパじゃないわけで、やっぱそこにはパじゃない共演者と、パじゃないスタッフがいた。
これはもう作品そのものが牽引していた時代なのであって、ネット社会(つまりは電波による人のうわさ)の現在と比較してもどうしょうもないのであった。
つきあった女性タレントや、実はコカインも大好物であったことなどすべてぶちまけ、57歳にして(あとがきの時点)「人生まだまだ半分。まだいける」とのツッパリぶり。
ほんの数十年前の「カブキ者」たち、ショーケンじゃなくてもメンタリティはきっとこんなんばっかりの生き物が群雄闊歩していたのである。恐るべし。

で、AKBの新曲が「エヴリデイカチューシャ」って言うらしいじゃねえか。あれれパクりました?訴訟だ訴訟。

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