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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ヘ イ ル サ タ ン



『高橋ヨシキのサタニック人生相談』(スモール出版)が売れているらしい。よかったよかった。
三冊出ている『悪魔が憐れむ歌』シリーズと比べれば相当ライトだが、人生相談本の良書。
内容は自身が発行しているメルマガに送られたお悩みに答えるというもので、直で向き合っているという感覚もあるのだろうけれど、実に真摯(紳士)である。特に「おいしいごはんを食べましょう」の連打にはうーんやっぱそうだよな!と確認を新たに。
著者は日本でおそらく唯一「サタニスト」を公言している人。これは本当で、アントン・ラヴェイという人が創立した「チャーチ・オブ・サタン」からちゃんと認定されている。
で、「サタニスト」「サタニズム」ってなんだろう?ってことになるのだが、「悪魔主義」と「悪魔崇拝」は別物であるらしい。
「悪魔崇拝」は教会を焼き討ちしたり、実際に殺人を犯したりとブラックメタルのバンドによくありがちな事件を起こさせてしまうものだが、「悪魔主義」はラヴェイが提唱した「信仰なんてつまんない枠に囚われず、もっと個人の自由を生きろ」という思想。神に対するカウンターとしての、悪魔。
なぜ悪魔なのかというと本人曰く、「だってサタンって言ったほうが面白いし上がるじゃん」ってことらしい。
らしい、ばかりなのだが、和訳本が出ていないので、すべては「サタニック~」に書いてあるヨシキ氏の翻訳からの受け売りなのである。
まえがきに書いてある「9ヵ条のサタニック宣言」を読むと、「これむしろ真っ当な人間だよなあ」と思う。
内容は本屋で見てもらって「ほしいな」と思ったら買えばよろしい。

というわけで最近神とか悪魔について考えているのだけど、どうも「大雑把に残酷」なのは神さんではないか?と思う。
一番有名なのは中世ヨーロッパの「魔女狩り」で、つまり「キリストの教えに反する」「不吉なもの」というたいへんファジーな理由で大量虐殺と拷問が行われた。
しかも「黒猫は魔女の使いってはなしなのでー」というさらにファジーな理由で黒猫も虐殺された。なんてことだ。
「ソドムとゴモラ」といういわゆる悪徳の町についても、「だってあいつらは退廃的なことばっかやってて言うこときかないからあー」ということで、神がお滅ぼしになった。らしい(聖書なんて読んだことがないので完全な「伝言ゲーム」である)。
ちなみにソドム=ソドミーで、「男色」の意の根源。ゲイ行為は反キリスト行為で、淫らで「生産性がない」から、つぶしてしまえと。いまLGBT発言で非難轟々の某議員と一緒だな。やはりいけ好かない連中は太古からそちら側であったか。
「生産性がある」のが美徳ならば、「産めよ増やせよ」の富国強兵の時代と一緒だ。じゃあ避妊せずにポンポコ子供を産んで「セシル」とか「セルシオ」とか名付けてるバカ夫婦のほうが立派なのか。オレだって立派に「生産性」なんかないよ。ほっとけバカ。ファックオフ。

では悪魔はどうかというと、そりゃ「悪いことしない」とは言わないですよ。ただし陥れるのはあくまでも個人レベルで、自分が大好きな少女漫画『悪魔(デイモス)の花嫁』に登場するイケメン悪魔は人々を不幸にするが、結局引き金を引くのは人間の欲望やそれに伴う弱さだったりする。そもそも彼が悪魔として人間界をうろつくことになったのも、神の残酷な仕打ちが原因なので、実は純な奴。一話完結の「世にも奇妙な物語」みたいな構成なので、少女漫画は無理という殿方にもおすすめ。
映画などでも「悪魔が世界を滅ぼす」みたいな話はあまり記憶にない。滅ぼすのはどっちかというと神、というか、「神の思し召しであるところの大災害」だったりする。悪魔はせいぜい食事の余興として女の子の頭をトンカチで叩いたり、少女に憑依してヤンチャをやらせたりする程度。(せいぜいってこたないか)。
ヒトラーやスターリンは多分、自分を「神」だと思っている。「悪魔の申し子」だとは思ってない。「俺、神」モードに入っているからこそできる、大虐殺行為なんである。
アートにおける悪魔の縦横無尽なカッコよさ。宗教画の悪魔は禍々しくも生き生きとしており、ヘヴィメタルにおける悪魔イメージは途切れることなく、そもそもアントン・ラヴェイのスキンヘッドに黒装束という出で立ちもクール。彼のルックスに惹かれて信者になる者も多かったのだろうと思う。
高橋ヨシキさんの赤いドレッドに全身タトゥーという外見も、サタニストであろうとする「真面目な」表意なのだろうか。

これはお悩み相談番外編。
ヨシキ氏のレギュラー出演するラジオ番組で、中学生から「僕はヨシキさんの大ファンです。映画と音楽と読書が好きです。同級生が熱中しているアプリゲームやアニメなどには興味がないので、話が合いません」とのメールが届いた。
これに対してのヨシキさんの名回答。「何も問題ないですね」。しかも「学校なんて年齢が同じだけの者を集めた刑務所みたいなもんなのだから、友達なんかできるほうがおかしい」。
これがバカ回答者だったら「みんながはまってるゲームも試しにやってみたら?楽しいかもしれませんよ~」などと答えるのだ(というか、こっちのほうが多数意見なのかも)。
つまり迎合するためにはゲームもやって、一番好きな映画や音楽や本に触れる時間を削れ、ということだ。これは「個人主義を貫け」というサタニズムにも真っ向から反する。
いや実際「問題ない」ということはないかもしれないのだ、が、そこは「問題ない」と言い切ってあげるのが、ちゃんとした年上の態度だと思う。どうでもいい同級生なんて無視して自分の好きなものに没頭していけば、いつか「それ、知ってるよ」と言い合える奴にきっと会える。質問者の中学生の子はきっとラジオの前で泣いちゃったんじゃないかな。

歩きスマホしてる奴らが嫌いだ。あの「ここから先は自分の私道!」という態度が最高にムカつく。
歩きスマホするくらいなら死んだほうがいいと思っているので、歩きスマホしてる奴らは全員死ねばいいと思う。みんなであいつらを線路から蹴落として「チミチャンガを作ろうぜ!」(byデッドプール)。
とはもちろんジョークだが(本当はそうでもない)端的には「こんなことも言える個人の自由をオレは持ってるぜ!」というのがサタニズムではないのかな?と思う。全員で斉唱、ヘイルサタン。

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