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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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青空のなれの果て



『闇金ウシジマくん』でお馴染み、真鍋昌平作品集『青空のはてのはて』(講談社)、読む。
いろいろなタイプの短編が読めるが、基本的な気分は「やってられねェ」。この気分を描かせると著者は抜群に上手い。
ウシジマくんに登場する客たちのダメさ加減と言ったら。特に食べ物に関する描写。
煎餅に辛子を塗って涙ぐみながら「うまっ!」「からっ!」とか言いながらむさぼり食う。いや、気持ちはわかるよ。気持ちはわかるが、そいつのダメさを絶妙に浮き彫りにする。
財布の中身が薄いサラリーマンが友達に牛丼屋で、「何でも奢ってやる」なんて言ったらその友達は一番高い定食にサラダまでつけて、それを見てなんだこのヤロー、みたいなシーンがあった気がする。まあどっちもどっちではあるんだが。
丑嶋馨はフィギュア化されているから、ガシャポンあたりで「ウシジマくんとカウカウファイナンスのたのしい仲間たち」みたいなシリーズを作ってみたらどうか。やっぱ、売れんか。

商業誌デビュー作『憂鬱滑り台』は、強盗に手を染めてしまった若者二人の行く末。
商業誌で勝負を賭けて見事に砕け散ったらしい『暴力(バイオレンス)ポコペン』は、念願の意中のキャバ譲とドライブし(なぜかキャバ嬢の女友達までついてくるという状況)、心霊スポットへ向かったはいいが、そこにたむろする不良少年たちに包囲されてしまい、さてどうやって逃走する?という話。どちらもエンタメで面白い。
『かわりめ』『星に願いを』は、やっぱりダメっぽい人々を叙情的に描いた作品。この辺のテイストも真鍋作品には重要だったりする。
『最後の居場所』は衝動的にハムスターを拾った青年が、当初はかわいがっていたが内心のところはだんだん面倒になってくる。その矢先にハムスターは交通事故で死んでしまう。絵柄もまったく違うこの本の中では一番の異色作。つげ義春の「チーコ」に近いかも。
狂ったアメコミ調の『超人ドビューン』『ハトくん』の合間を、ブラックなショートショートが埋める。
タイトル作は通勤ラッシュにおけるサラリーマンの妄想を描いたもの。これもまたやるせねェ。
普通の人の普通の弱さを掬い上げるのが上手いのだと思う。ウシジマくんも表面上は暴力的だが、だんだん「救い」がテーマになっていく。読むといろんな意味でナイーブな気分になる。
誰しもいつだって青空だけを見ていたいのだろうけども、ずっと続く青空っていうのも趣がない。
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自称「吉祥寺の盲腸」、すうさい堂のだらだらした日常の綴り。
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