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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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残酷踏み絵スペシャル



人はなぜ残酷に惹かれるかと言うと、それがどこかエロティックな要素を含んでいるからである、と、思う。
シリアルキラーの実録ものが流行したのも、彼らの行為が抑えきれない屈折した性欲によるものだったからというのが大きいんじゃないか。
人気がある殺人鬼というとやはり、ヘンリー・ルーカス、テッド・バンディ、チカチーロ、ジョン・ゲイシー、ジェフリー・ダーマーあたりで、こう並べてみるとヘテロであるルーカスやバンディがちょこっとだけ、まともに見えてくる。掘り出した死体を使ってチョッキや椅子やランプシェードなどを製作した職人さん、エド・ゲインも忘れがたい。
射殺魔のチャールズ・ホイットマンなんかがいまいち地味な印象なのは(それでも30人以上殺したんですが)、要するにセクシャリティに欠けるってことなのか。人気者シリアルキラーってのはなんと、セクシーな存在だったんである。

さて、大越孝太郎『猟奇刑事マルサイ』(コアマガジン)である。帯には「人間椅子」のメンバーによる推薦文。
『この本をワクワクしながら読みおおせたあなた、あなたは人として立派に倒錯しています。』
まさにその通りで、ああ読みおおせちゃったんだなこれが。とてつもなく残酷。かつエロティック。
作者の女性に対するサディズム描写には凄まじいものがあって、この点では猟奇の大御所・丸尾末広や花輪和一もはるかに及ばない。
そして女性キャラの美しさ。ほんとにかわいいし、きれい。顔の表情なんかもリアルに色っぽい。
が、大越氏のペンにかかれば彼女たちがもう、ムチャクチャな目に合う。
意識不明のまま、生前葬プレイで陵辱されて殺されるM女の話なんてのは単なるイントロ。
『地底の星』。シェルター研究チームの夫婦が実験として一年間、北海道の地中で暮らすことになり、最初は仕事しなくていい、食料ある、エッチし放題でその生活を享受していたが、地上で監視していたチームの研究資金が底を尽き、逃走。そのまま閉じ込められた夫婦に襲いかかる狂気の結末。
『恍惚の女医』。四肢切断を望み、それを実行する女医。彼女がなりたかったものは、性欲だけで生きるおぞましいだるま女。
『人間按摩椅子』。明らかに乱歩のオマージュである、人間椅子男。同じ性癖を持つ人間椅子女も登場。
『ラチカン』。拉致監禁のエース、ゲイリー・ハイドニクあたりをフェイバリットとする、自宅の地下室でさらった女たちを飼う変態医師。言うことを聞かなきゃ乳首もちょん切る。
『アイツを許さない!』。自分の復讐のために無関係の女子をさらい、乳房や指を切断して相手に送りつけるキチガイ女。
『シリコンラバー・ドーターズ』。等身大の愛玩人形が連続して傷つけられ捨てられる事件が発生。捜査線上には長身の男性が浮かび上がるが・・・。推理ものとしても出色の出来。
『孤高の鬼』。体にシリアルナンバーのタトゥーを彫られた風俗嬢たちが自慰行為で達しながら、飛び降り自殺する事件が頻発に起こる。彼女たちの元締めは、M女を専門に提供するサークル代表の女・メア。
催眠暗示で彼女たちをコントロールしていたメアは、伝説の調教師のもとに、彼の術を盗むためM女として飼われ、潜入していたのであった。
「マゾ女の幸福」という、なかなか常人には踏み入れられない域を描いてラストを飾ります。

この本は究極の踏み絵である。ダメな人はまともにページも開けないと思う。



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