真夏の三連休ですが店は開けておりまして(稼動してるとは言ってない)、何をしているかというと欅坂46の『真っ白なものは汚したくなる』(タイプA)を買って聴いている。アイドルの音源を買う、という行為を生まれて初めて実行したのであります。あ、本も読んでいます。『粘膜人間』、面白いよ!以上。
さすがにシングルの打ち出しとは微妙に違って「ちゃんとアイドル」している。結論、「よいものですね」。
ほぼ新曲のディスク2が目玉。『月曜日の朝、スカートを切られた』が一曲目でテンションが上がるのだが、改めて聴くとこれのどこが犯罪を助長しているのか?と実に不思議だ。
捉え方は人それぞれなのでいいっちゃいいんですけど、優れた表現は往々にして人を傷つけることもあるという正しい事例なのだろう。欅ちゃんは悪くない。
この歌詞から伺える「世間にメンチ切って一歩も引かない少女」のイメージは平手ちゃんにそのまま重なる。カッコよすぎです(とか言われるから、本人のプレッシャーになるのである)。
他のアイドルは知らないのだが、曲のバリエーションがかなり多彩なのではないだろうか。
相川七瀬風(渋谷からPARCOが消えた日)、椎名林檎風(少女には戻れない)、ピチカートⅤ風(100年待てば)、深夜アニソン風(猫の名前)などに加え、実に昭和のニューミュージックのような楽曲が配置された「意外とおっさんもほっこり聴ける」アルバムに仕上がっている。
ラストから二曲目の『あぶなっかしい計画』。アイドルライクな疾走感でトバす曲なのだが、このライブが先日テレビで放送された(それがユーチューブにアップされていた)。平手ちゃんが途中退場したツアー初日直後の収録。
髪で顔がほとんど見えず、時折映っても顔面蒼白。痛々しくて見ちゃいられない、と言いたいところなのだけれど、これがまたシド・バレットのようなただならぬ狂気を醸し出していて、じつと見てしまうのだった。
むしろ、こんな環境でもニコニコしていなければならない他のメンバーの方が痛々しい。
それはともかく、今はかなり元気になった様子でよかったのである。ユーチューブに毎日タレコミがあるので、チェックを怠れないのである。
アルバムのラストを飾るのは『自分の棺』。他のリスナーはどうか知らないけど、どっちかというと「白欅より黒欅」を支持している者としては、最も上がるチュ-ン。
「昭和歌謡ブルース」としか言いようがない陰鬱な曲を16才のアイドルがうたう。70年代であればタイトルは確実に『棺のブルース』だっただろう。
秋本先生の暴走www、みたいに茶化したくはない。これは平成の『怨み節』である。梶芽衣子に匹敵するシンガーとリアルタイムとは、長生きはするものです。
特に「一人きりで地獄へ落ちろ!」のところが最高。
とか書くと「やっぱサブカルはwww」とかバカにされるので、『制服と太陽』と『夕陽3分の1』が特に好きなんです、と付け加えておく。
最近痛感するのが、ネット空間にうじゃうじゃしている匿名の悪意。
「どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らし」(前述の「スカート~」から引用)しているのがこいつら。匿名で書き込むなら褒める以外はしてはいけない、と本気で思っている自分は何て優しい奴なんだと思う。
「平手以外ポンコツwww」と笑っている奴らも地獄へ落ちろ。確かに平てちありき、のグループではあるのだが、天才はそうそう複数は存在しない。逆にピンとして平手友梨奈が売り出されていたとして、これだけの表現力が発揮できたかと考えると、それもちょっと疑問だ。
いいチームだと思う。テレ東のレギュラー番組を見ているうちみんな好きになっちゃったのである。無粋なことを言う奴は地獄へ落ちろ。
タイプBも買ってしまうのだろうか。しかしディスク1の収録曲が同じなんだよなあ。
この辺のヤマっ気に対して、秋本プロデューサーが「資本主義のブタ」などと批判される由縁なのだろうが、アイドル商売とはもともとファンから搾取するものではなかったか?と弁護したい。
そもそもファン一人一人がこすっからく、財布の紐が硬くなったのも悪い。おニャン子の時代はそうじゃなかったはずだ。
ところでこの「ブタさん」はとても働き者だ。あんたたちよりも。
とか、いろいろ書いたのですけれども、どうにも自分の周囲の反応がいまいちで、温度差を感じます。
どっちかというと「大森靖子は最高」とか言ってるほうが体裁はいいのである。が、そっちじゃなくてこっちなんだ。
アングラを何十年もやっているのである。ちょっとくらい、いいじゃないですか。おれはかならずもどってくるからさあ。
ちなみに営業中にこのCDはさすがに流せない。完全なナイト・ミュージック扱い。
超絶かっこいいPV。ラスト・てちの薄笑いがkiller。