遅ればせながらわたくしのラストバウスが始まりまして、先日は三作品立て続けに観ていたのでした。
まずは、ゆらゆら帝国ライブ@日比谷野外大音楽堂。
ギリギリで立ち見にセーフ。爆音史上最大の動員だったそうで。
編集も音質も粗いが臨場感はある。ライブにも二回行ったがおおよそこんな感じであった。
映画というよりは昔懐かしいフィルム・コンサートでかかっていたようなブツ。ライブなのでインプロやりまくりだが、スタジオ作品ではこの辺をちゃんと抑えてコマーシャルに作っているのがこのバンドのいいところ。「それだけ」やってるおサイケバンドなら山ほどいるのである。
正直、初期のはじけた曲も聴きたいなあと思ったがしかし、『夜行性の生き物三匹』は上がる。
音頭×ロックンロール。小難しい理屈抜きで作られたスマートな名曲である。
お次は『デス・プルーフinグラインドハウス』。
これだけバカバカしくてカッコよくて気持ちのいい映画はない。爆音で観るのは三回目。
ここのところキッチリした映画作りをしているタランティーノですが、たまにはこんなバランスが悪い、何のメッセージもない、オタ趣味丸出しの(しかも、おなごの尻っぺたやつま先を執拗に撮りまくる)作品もお願いしたい。
モーターサイコ野郎のカート・ラッセルが後半どんどんアホになっていく。イカしたラップダンスを披露するヒスパニックおねーちゃんを始め、登場する女が全員ビッチである。こいつらの下衆な女子トークに無駄に時間を割いているのも本作の特徴。
そして走行する車のボンネットに乗り、ベルトのみの命綱で「イヤーッホー!!」とかなんとか大はしゃぎするスタントマンのねーちゃん、すっごいアホ。しかしながら体を張ってこのアホアホなスタントをやっているところが最高。
タラの選曲によるマニアックな音楽。唸りを上げて暴走するクルマ。「アホか?!」以外にかける言葉がないラストなど、劇場の爆音で観るべき映画である。
三本目『Dr.フィールグッド オイル・シティ・コンフィデンシャル』。
この最高のバンドの最高の時期という最高の素材を、例によって一人よがりな映像コラージュでズタボロにした、ジュリアン・テンプルの才能に脱帽。
例のアレ『LIVING DEAD★COCKTAILS』でございますが、「第4回O!!iDO短編映画際 第一夜」への出品が決定致しました。
6月1日(日)の20時すぎからの上映になります。
詳細はこちら→ http://www.uplink.co.jp/event/2014/27793
今回の作品、ものすごく粗いです。音楽で言えばガレージ・パンクです。
もちろん狙ってません。狙ってないゆえのガレージ・サウンドです。
ビールサーバーのゴボゴボ音、冷凍庫のゴロゴロ音込みでお楽しみください。
基本的にゾンビ映画が持っている社会的メッセージを払拭し、完全に日常会話だけで脚本書いたらこんな風になりました・・・・・すんげーくだらない10分の作品。
音楽を提供してくれたBOBBY’S BARの親分・ナオヤ氏は先日の選考上映会にもメイク&レザーの上下で参上するという真面目な方なので、出来には少々不満だったようですが。すんませんねこんなところに楽曲使っちゃって。いやははは。
いろんな監督さんの短編作品が楽しめると思います。よろしければ是非。
すうさい堂の休みはただいま混乱中です。なんでか本日開けてます。明日はお休みします。
この混乱はしばらく続く予定です。土日は開けます。わっきゃあ。
あと、来月号の『猫びより』にヂル会長がデビューです。そちらもよろしくお願いします。
キラリナ京王吉祥寺オープン?おしゃれだなあ。どこまで渋谷みたいになっていくんだ吉祥寺。
近くに公園ができた。ここは夜な夜な猫たちが集会しているらしい。ここの地主さんが猫フリークなんである。
すばらしいスポット。ここで酒を飲みたい。キラリナとかもーーーどうでもいい。
すっかり忘れてたけど、すうさい堂は4月で11年目に突入。
ぼくがぼくであるかぎり~わたしがわたしであるために~つないだてをはなさずに~きみのなをよびつづけるよ~たとえせかいがてきになっても~きみをずっとまもりたい~すうさいどう~♪
(はい、ジェイポップ一丁上がり)
ところで映画がもう一丁上がった。『毎日ぞんび~everyday of the living dead』の続編、
『LIVING DEAD ★COCKTAILS』!!!!!!!
5月8日(木)、吉祥寺フォースフロアにて公開(リンク参照)。
第4回 『O!!iDO Short Film Festival』 選考上映会
19:30 OPEN
20:00 START -
2012年、フォースフロア主導によって突如産声をあげた短編映画祭「O!!iDO Short Film Festival」。その第4弾の出品作を決めるために行われる選考上映会です。
今回の選考上映会を通過した作品は、5月に渋谷の某劇場で開催される「O!!iDO Short Film Festival Vol.4」で上映され、そこで好評を得た作品は、その後も「O!!iDO Short Film Festival」実行委員会が大いに盛り上げます。
この機会に「未来の巨匠」を探してみませんか?
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<< 上映作品 >>
■あたらしいあそびかた
監督:たかむら さおり
時間:10分4秒
ジャンル:オムニバス
日々生まれるイメージを、
アニメーションや実写の方法で映像にしたオムニバス作品です。
■JULY
監督:石渡朔子
時間:25分
ジャンル:ドラマ
高3の春、ミキは事故で死んだ山田くんの幽霊と屋上で出会う
■LIVING DEAD ★ COCKTAILS
監督:小阿瀬 正哉
時間:10分
ジャンル:ホラー
とあるバーにおける、ゾンビvs人間の息詰まる・・・・日常会話。
前回出品させて頂いた、『毎日ぞんび』の続編です。
9時すぎの上映になると思います。よろしかったらどうぞ。
ちょっとその、だいぶ撮影中にノイズを拾ってしまったっぽいが、あれだよ、よく知らないけど、「モキュメンタリー」っての?
そんな感じでご鑑賞ください。べんりなことばがあってよかったです。
今回、なんだかんだ10年くらい前からの知り合いのバンド『BOBB'YS BAR』から音楽を提供して頂いた。
サントラつきである。へへ。大変、締ります。
五月。連休。気候も良い。一年の半分が五月だったらいいのにと、五月生まれのわたしは思っています。
すうさい堂は感謝の気持ちで商い中。そのうちあのイージーな表札を導入しようと思っております。
「タイムアウト東京」というサイトの猫コーナーにヂル会長が登場。リツイートされまくっています。
あ、うちのパソコンからはツイッターが見られなくなったので、今後は放置。なきゃないでいいや。SNS時代に背を向けるアナキストなわたくし。おれアウトロウだからさあ。
今年はラストバウスなので爆音映画祭に足を運ぶ。観たい作品が固まっている日がある。22日と28日である。ここはもう感謝の気持ちで休業。今回の目玉は一回しか上映しない『餌食』である。内田裕也主演の凶悪なレゲエ映画。『ファイトクラブ』も今までスルーしてたから観たいんだよな。ほらおれ格闘家だからさあ。
先日はフォースフロアにてDJでした。まったく告知しなかったので本当に数人の身内しかいない。告知しても一緒だけど。
ところがこれがとてもよいイベントだったんですよ。タイトルは『優しい音楽~そのボリュームを上げないでください。』
いい曲を適量の音で流すだけのイベント。会話の邪魔をしないのが最優先。
自己満足だが、その自己満足が伝染して、非常にまったりとした空間に。
テクノ問題外。ラウドの上限はせいぜいマージービートか、へっぽこガレージまで。
つまんない曲を馬鹿でかい音で聴かされることが苦痛で、それに対するアンチテーゼ。実はすごく攻撃的なコンセプトである。
究極の引き算企画だが、これはとてもいいイベント考えちゃったなー、と我ながら思い、今度やるときは来たらいいよ、と思います。
せっかくなのでリストを挙げておきます。撒き餌用。
RUN FOR YOUR LIFE/NANCY SINATRA
アニーとボンボン/フランス・ギャル
THESE DAYS/NICO
GHOST DANCE/PATTI SMITH
世界を売った男/デビッド・ボウイ
BABY BABY/VIBRATORS
決めてやる今夜/内田裕也
ハロー・マイ・ジェラシー/萩原健一
へび少女/楳図かずお
野良犬/泉谷しげる
身も心も/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
スーツケース・ブルース/サンハウス
サッド・ソング/ルースターズ
タンゴ/暗黒大陸じゃがたら
夜明けまで離さない/頭脳警察
恋はヒートウェーブ/ザ・フー
I LOVE YOU/ZOMBIES
エレクトリック・スリム/T-REX
FOOL TO CRY/ROLLING STONES
『レンタルチャイルド 神に弄ばれる貧しき子供たち』(石井光太・著/新潮文庫)読了。
例えば「失明するのと二目と見られない顔にされるのとどちらが良いか?」とか、「伊集院光似の女子と石原さとみ似の女装子ならばどちらと寝るか?」とか、「カレー味のウンとウン味のカレーならどちらを食うか?」などの究極の選択に(だんだんアホくさい方向に向かっている気がする)我々は甘ちゃんであるので一瞬、うーんなんて思ったりするが、この本に出てくる子供たちは何の躊躇もなく即答するだろう。
レンタルチャイルドとは、インドの女乞食に黒い筋から貸し出される赤ん坊のこと。乳飲み子を抱いていた方が同情されて喜捨を多く恵んでもらえるからである。
ただし情を移すのはタブーなので、数ヶ月ごとに赤ん坊は女たちの間を回転する。
子供に情が移った場合、①赤ん坊と逃げてマフィアに捕まる②逃げ切って飢え死にする、という二者択一の運命が待っている。
そして著者がさらに踏み込んで取材しているのは、子供たちを故意に傷つけ障害者に仕立て、物乞いをさせているという噂のマフィア・グループである。
著者はそのマフィアたちに接近することに成功し、真実を知る。果たして噂は本当であった。
捨てられた子供たちを拾い、目を潰して失明させる。そうして盲目になった彼らを囲って雑居ビルに住んでいるグループがいる。
マフィアは子供たちに理不尽な暴力を振るったりするが、時には一緒に遊んだりもするし、何よりも寝食を共にしている。目を潰された子が「”パパ”は悪い人じゃない」と言う。「街の人は僕らを怖がり、臭い、邪魔だと離れていく」と言う。子供たちはどちらを信用するか?マフィアである。
その組織自体、物乞いビジネスで潤っているわけではなく、貧乏生活を強いられている。
彼らマフィアの言い分としては「自分たちは目を潰しただけ」だから、まだマシなのだ。子供たちの手足を切断する「イカれた連中」が実在するからである。
本文に出てくる浮浪児グループのリーダーである少年はインドの『施設』について、「あそこの連中は俺たちを殴り、閉じ込め、オカマを掘る」と言う。「だったらマフィアに金を払えば自由を得られる街の生活の方がいい」と言う。
マフィアは手足を切ったり目を潰したりするだろ?との問いには「せいぜい一度だけだ。偽善者に何年間も汚ねえチンコをしゃぶらされるくらいなら、マフィアに腕の一本や二本くれてやるよ」と答える。
障害者にされた子供たちもいずれは成長する。成長すると物乞いとして稼げなくなるから街でグループを作り、さらに弱い立場である「ヒジュラ(インドの女装者)の物乞い」をターゲットとして暴力を振るう。
被害者であるヒジュラたちだが、新しい脅威である「黒人」がやってくると、少年グループたちは「小猿」扱い。まだ、そっちの方がマシなのである。
羊を飼っている少年グループがいる。セックスするためである。羊を犯すか、女乞食をレイプするか、どちらかでしか性欲を満たす手段がない。
浮浪児を拾って(さらって)外国人に売買しているマフィアの言い分は、「路上に放っておいてもほとんどの奴らが死んじまう。それなのに、てめえはガキたちを金持ちのもとに養子にやるより路上に放置する方がいいって言うのか」。
先のリーダーだった少年は「死体乞食」に手をつける。
死体を市中引き回して喜捨を得る仕事。腐って異臭を放ち始めたらなお都合がいい。臭いわ汚いわ忌まわしいわで近寄ってくれるなと、人びとは気前よく恵んでくれる。
仲間である少女の母親が死んでも同じである。埋葬するのが良心か?ただし、埋葬しちまったら一銭のカネにもならない。すべては仲間を食わせるため。
タフすぎるんだよな。よくこんなに過酷な二者択一が出来るもんだと思う。
書いていても疲れた。次は誰かに買って読んでもらって、「ずどん」と撃たれていただく。
唐突に、暗黒大陸じゃがたらの『クニナマシェ』が聴きたくなった。