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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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「銀」と書いて「しろがね」と読む




いやーなんとか本年も無事に開けました。いやー昨日の14時間バイトはきつかった。正月はがつがつとバイトにいそしむのであった。
「がっかり福袋2013年バージョン」も出ております。限定1部なので酔った勢いで買ってください。今年は大物が入ってるのでずしりと重い。
セールもやっております。これは店主のお正月気分が消えると同時にさくっと終了するのでお早めに。

暮れに吉祥寺フォースフロアで行われた朗読会『謳わず語れ』ってのに出たのですが、他の人はちゃんと朗読していたのだが(フリートークの落としどころがわからなくなって、原発の話を始めたあたりでスイッチ切られたバカが一人いた)、せっかくなので自分はブックレビューでもやろうと思い、持って行ったお題が田亀源五郎の名作・『銀(しろがね)の華』。
これはなにかっつーとですな、普通に生きていたらまず手に取る機会がない伝説の「ド変態ハードゲイコミック」。
上中下の全三巻からなる大作。再発版があるのでそちらで入手可能。
作者は日本のゲイアートの第一人者。すこぶる絵がうまい。かわぐち某とか谷口某ジローあたりに近い正統派の絵柄。
その画力でもって何を描くかというと、もちろんゲイの話を描く。
これが「フツーのゲイの話」であれば特に興味もないのですが、あまりにも変態の度が過ぎるので、十年ほど前に読んだ初見のインパクトはすごいものがあり、エログロには免疫があるはずの自分ですら口あんぐり。
遊郭「金華楼」の常連・月島銀次郎はこの店への借金が払えなくなり、やむなく用心棒になる契約をさせられるが、本当のポジションは激安で体を売られる「男女郎」であった。
もちろん、もともと女好きのストレートであったのだが、「女郎」としてデビューさせるためにあなるちゃんを開発されるのである。
この作品はゲイ雑誌掲載のものなので、どいつもこいつも男のアナルに指やちんこを入れることに抵抗がない。
「へへへさすがは生娘」なんてセリフが。つーかそれ、男のケツの穴なんすけど。
「女ですら入らないデカマラ男」にレイプされたあと一度は脱走するものの、ならず者の集団につかまり「レイプ」されたり。しかもこいつらが銀次郎にはまってなかなか手放さない。つーかそれ、男のケツの穴なんすけど。

結局、連れ戻された銀次郎を待っているものは「亀頭への火のついた線香刺し」や「アナル限界までの小石詰め」や「ぼっとん便所漬け三日間の刑」などの凄まじい拷問が待ち受けているのだが、それだけではまだ終わらない。
変態小学生のSMプレイのおもちゃにされたり、亀頭と睾丸に墨を入れられたり、亀頭に鈴をつけられたり(日本情緒あふれるプレイだが、さっきからずっと亀頭って書いてんぞ!)するのだが、クライマックスは「花見」における「土佐犬との交合」、および「狛犬」を一匹アナルに挿入され、それがボトリと吐き出された途端「犬の仔を産んだ!」とギャラリーがやんやの喝采。これはCGの時代においてもなかなか発想できない、悪夢のようにクリエイティブな発想であります。

といった感じで作品中アナルをフル稼働しまくる銀次郎さんなのですが、ストーリーとして「じいやの忠義(これはホモ関係ではない)」「好きあっていた元・女郎とのロマンス」「金華楼の用心棒とのロマンス」「拷問を繰り返す金華楼の主人は、実は銀次郎を愛していた」などのちゃんとした肉付けもあり、漫画としては実にまっとうな作品となっている。
しかし、遊郭が火事になり、一応自由の身(ホームレス)となった銀さんだが、ラスト近くでかつての変態常連客と出会い、すっかり色情狂と化した彼が「チンポ入れて!腕入れて!なんでもいいから早く突っ込んで!」とがばがばになったアナルを広げるシーンなどを見ると、あまり説得力がないのですが。
「パトラッシュ、僕もう疲れたよ・・・・」でおなじみ『フランダースの犬』っぽいラストに大感動!とだけ書いておきましょう。といっても、あまり説得力がないのですが。
まあBLのちょっとアレでガチムチなかんじ、ってところでしょうか?食わず嫌いはよくないよと言いたいところですが、別にアレルギー起こすものはわざわざ食わなくてもいいような気がするし。
ちなみに本作のサブタイトルは『男女郎苦界草紙』。
さらにちなみに、イベントで「私に2杯ほど飲ませていただければこの本を進呈します」と言ってみたのですが、誰も「いらない」とのことでした。

銀さん、江戸アケミに似てるね。

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すみません

すみません、諸事情により明日はお休み、あさってからオープンとさせて頂きます。

ゲーシュン



おめでとうございます。今年はすうさい堂10周年。よろしくお願いしなさい。お前らが。

悪かった。ちょ-し乗り過ぎた。その光ってるものをしまって下さい。

大晦日は急に人と間逆のことがしたくなり夜8時からカウントダウンまで開けてます~などと言ってみたものの、誰も来ないので飽きちゃって11時半で閉めたりと相変わらずグダグダです。
年が明けてから今年はいつからオープンしようかと考えていたのですが、明日の4日(金)から初売りです。
14時前くらいに開けます。新春なので300円以上の本は100円引き、100円本は50円均一です。
そして今年も『がっかり福袋』出ます!15アイテム封入で999円。限定1部。
で、5日(土)はまたお休みです。大人の事情っつーか台所事情です。

しかし帰省しても友達が一人もおらずどこにも行くあてがないので困る。
分譲マンションばかりどんどん増えて、ますますツインピークス化している地元がこわい。
正月早々住基カードとドラマとマンボーの会員証失くした。

シンガーソング漫画家・楳図かずお自作自演集




伝え聞くところによると楳図かずお氏という方は極端な乗り物恐怖症で、電車の中でも座っていられずにずっと車内を歩き回っていたという。 このような極端な繊細さが「恐怖」を生むのかも知れないが、1975年に驚異のレコードも生んだ。楳図かずお作詞・作曲・歌唱による『闇のアルバム/楳図かずお作品集』がそれである。
企画ものであるには違いないのだが、漫画家でもありトリックスターでもある楳図氏は音楽家でもある。糸井重里という人もかつて、勢いに乗ってテクノポップのレコードを作ったが、チラリとした聴いたことはないのだがそれがなかなか悲しい出来であったのに対し、このアルバムのクオリティはとても高い。 例によって中古で購入したのだが、このCDを買う層はかなりコアなファンであり、そういう人は大事にして手放さないようなので、なかなか中古市場に回らないんである。ちなみにまだ廃盤じゃないと思う。たぶん誰もやってない全曲レビュー。

『洗礼』
アルバムレコーディング期に連載していた漫画作品と同タイトルのオープニング。 ババアの脳を持つ小学生・さくらが憧れの担任教師の「妻の座」を得るため、彼の奥さんを精神的に追い詰め病院送りにしてしまうのだが、「誰も邪魔などしないでほしい/許されないことと知りながら/普通に生きたいだけだから/許したまえ許したまえ」とえれーこと自分勝手な懺悔をするシーンがあるのですが、そこの見開き二ページに書かれた詩に楳図先生が曲をつけ自ら歌う、オリジナル賛美歌。楳図氏の声もアマデウスのように伸びやか。

『イアラ』
楳図漫画としてはあまりメジャーではない作品の同タイトル曲。
古代から人類滅亡の未来まで、一人の男が最愛の恋人と、彼女が叫んだ末期の言葉「イアラ!」の意味を追って時空を超えた旅をするというストーリー。 ホラーじゃないんだけどなかなか味わい深い作品なのでぜひ読んで頂きたい。 ソフトロック(喫茶ロック)と言えなくもない優しい曲。ちなみにイアラの意味は「また会いましょう」。ってことがラストで明らかになり、ちょっと膝カックンてなった。

『へび少女』
楳図作品に最多で登場する動物といえば、蛇と蜘蛛です。本人は蜘蛛が怖くてしょうがないらしいが。
この曲はインド音階を使っており、何気にストーンズの「ペイント・イット・ブラック」に似ている。
歌詞に関してはホラー的な描写ではなく、少女が大人になるということは心の中にへびを飼うことであり、そいつが目を覚ましたから何も知らずにすめばよかったものをお前は今日から一人で、笑い転げた昨日もわからない、苦労することになるが体だけは大事にしろよ、つらけりゃ帰って来いよ、と送り出すという、全文掲載したくなるような高尚な内容。

『蝶の墓』
これも心理ホラーの名作ですが、曲はラウンジっぽくお洒落。
あるいはダークなフォークとしても通用する。浅川マキや中山ラビがカヴァーしていたとしてもまったく遜色のないクオリティ。

『おろち』
これはもう不朽の名作。漫画の描写を愚直に実写した映画作品があったが、あれなんか大正解でもう大感動したもんだが(観ろ観ろ観ろ観ろ!!)、エンドロールの曲は作者歌唱のこの曲にして欲しかった。
ちょっと狙った昭和歌謡をやるバンド(シロップとか)がカヴァーなんかしたら、確実にはまるはず。

『闇のアルバム』
この漫画作品は1ページがひとコマで描かれており、ラストでオチがどーんと来るという内容で構成されているアバンギャルド風味のもの。
まさにダークな昭和歌謡という感じ。由紀さおり・ちあきなおみ・研ナオコなど「本物のディーヴァ」がカヴァーしていたとしてもまったく遜色のないクオリティ。 
「雨に濡れて真っ赤なバラが咲いている/ひとつだけ」

『おとぎばなしのヨコハマ』
原作がない完全なオリジナル。
本人はアルバム中最もロックンロールな曲とおっしゃっていたが、これはもう・・・・・どこから聴いても完璧な歌謡曲。やはり天才は感性が違う。

『アゲイン』
これは未読なのだが「まことちゃん」の雛形らしい。
「青春はいつも駆け足~」の出だしどおりの王道青春歌謡。

『漂流教室』
かの凄まじくもグルーヴィーな光を放つ永遠の名作!をモチーフに曲を作ってみたらアルバム中最も牧歌的になっちゃった!という問題作。
これを聴くとあの作品に込めた最終的なメッセージは「希望」だったのだろう、ということがわかる。うちに帰ろう。

『森の唄』
これもオリジナルか? 人は時にははるかかなたに黒々とした森を見て、そこでけものになってウォーと叫びたいものです、という内容で、つまり楳図かずお作品を読むとはそういうことなのです。
全編を通して深層心理を捕らえるような歌詞の乱れ打ち。やはり才人。

と、ここまでが本編。ボーナストラックも入っていて、ファンキーな『スーパー★ポリス」やガチで熱唱している『YOU ARE MY DESTINY』も良いが、白眉は『プールサイド』である。
楳図かずおのアルバムということでホラー音楽のようなものを期待した方もいると思うが、そういったギミックは一切使われていない。
そんな中でこのピアノ弾き語りで朗々と歌われる曲は、恐ろしい言葉など一切なく、ラブソングの体をなしてはいるのだが、なんとも不穏である。 最初は聴き流していたが、急にひっかかってちょっとギョッとなってリピートしてしまった。
恐怖の描き手はあらゆる手段を使って不安感を引っ掛けてくる。  

そしてこのアルバムはアートワークも素晴らしい。
楳図かずおといえば「格子模様」であります。               

パンクとガレージパンク



二年前に更新費用を作るためごっそりCDを売ったが、またいつの間にか増えている。
中古屋で投売りされているとつい買いなおしてしまうんである。昔持ってたやつを。
というわけで内容は熟知しているので買って外す、ということはまずない。
新しい音楽に興味がないのでフジロックのメンツがさっぱりわからない。ライブ自体あんま興味なくなったし。
まともにライブを観たのは個人的に伝説のハーピスト&ボーカリストであるところの、震災直後のルー・ルイスだけ。
この時期に来日公演を行ったのはシンディ・ローパーとジェーン・バーキンと郵便局強盗の前科持ちで現役ドラッグ・ディーラーであるらしいルー兄貴のみ。ちなみに再来日も予定されていたのだが、過去の犯罪暦がバレた様子で、キャンセルになってしまった。というわけで2011年が本当に伝説の来日となった。
ブルースも漁るとかなり安い。研究者じゃないので聴ければ何でもいいのである。通行人から言わせて貰えばハウリン・ウルフなる「キンコング対ゴジラ」のゴジラに似た親父の出す音が一番怪しくてカッコいい。
「吠える狼」とか「泥水」とか「猟犬」とか「絶叫ホーキンス」とかのドキュンネームなブルースマンに外れなし。

で、このジャンルはあんまりもういいや、なのがガレージパンクである。
専門は70年代のパンクなのだが、研究の結果「77年のパンクバンドの音はほとんどパブロックである。当時パンクのサウンドを奏でていた有名どころはダムドだけである」との結論が出ました。
みんなまったり。そこが好きなんだけど。ピストルズなんかも「決して曲のスピードを上げて走らせなかった」安定のドラマー、ポール・クックの功績も大きいと思う。
「70’s PUNK」の重要な点は様々なジャンルと融合して数年間、ロックンロールを尖ったものとして音楽業界を震撼させたこと。
パンク+スカ=スペシャルズ、パンク+レゲエ=ポリス、パンク+ロカビリー=ストレイ・キャッツ、パンク+ファンク=コントーションズ、パンク+ジャズ=ラウンジ・リザース、パンク+テクノ=ディーヴォ、パンク+オールディーズ=B-52’sなどなどなど。さまざまな生物と融合して進化する、原作デビルマンの「デーモン族」のようなものか(これはいい例えですよ!)
80年代MTV世代なのだが、チャートに入ってるロックってやつを聴いても、どうにも「ギターの音が小さい」。エイティーズ独特のひゃらひゃらしたキーボードの音もいまだに馴染めず、といったところで「宝島」経由でパンクロックってものに出会い、人生で必要なものはすべてパンクから学んだ。文学なんて知らんよ。でも当然ながら一度飽きて、おっさんになってまた戻ってきた。昔なら「ぬるい」などと言ってスルーしたであろうヴァイブレイターズ、アドヴァーツ、ザ・ボーイズ、バズコックスなんかもいま聴けば「ああ名人芸~」。
クラッシュにおける三枚組の問題作『サンディニスタ!』も二十年ぶりに聴いたのだけど、イイんですよねこれが。
とにかくファンクやラテンやダブなど「クラッシュにまったく求められていない曲」しか収められていない、ってのが凄い。当時のストラマーたちの「でも、やるんだよ!」度がマックスだったのだろう。
バンドとレコード会社との契約の条件が「あんまり儲け出すな!」だったというのも前代未聞。
それからセカンドに収録されている、ミック・ジョーンズがうたう甘酸っぱいナンバー『ステイ・フリー』が最高だ。
誰も書かないから書いたった。パンク・バラッドの名作『オール・ザ・ヤング・パンクス』も!

で、ルーツを探ると「ガレージ・パンク」ってやつに行き着くのだが、これは「そういえば60年代にも喧しいバンドがおりました」ってなことになるのだろうけど、本質的にパンクなのはストゥージズやヴェルヴェッツあたりだけなんじゃないかと思う。
大概のガレージバンドってのはちょっと卑猥なことを馬鹿でかい音量で叫んでいたようなもんだと思うので、自分たちがパンクロッカーであるという自覚はない。これパンクとの大きな違い。パンクはなにはともあれ「自覚」である。
それはそれでキュートでワイルドで素敵なのだが、パンクが探れば探るほど意外と「深い」ことに対し、ガレージパンクは「頭打ち」である。ローカル州のコンピなんかを聴いてみると絶妙にヘタクソなナンバーの乱れ打ちだったりするんで、そのうち飽きてきた。結局、入り口で聴いた「ソニックス」とか「トラッシュメン」とか「プリティ・シングス」、『サーフィン・バード』etcが強烈だったコンピ「ROCKABILLY  PSYCHOSIS&GARAGE DISEASE」Iあたりが一番カッコいいんじゃないかな?って感じで、ガレージマニアにはなれなかったのでした。
でも中には突出した一曲ってのがあって、ザ・クワイヤの『イッツ・コールド・アウトサイド』ってのが泣きのパンク・バラッド・クラシック最高峰。これが聴きたくて「ペブルスvol2」買いなおしたもんな(安かったから)。

http://www.youtube.com/watch?v=AEErTyBgH9M
(また最近何かの不都合でリンクが飛ばず~)

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