いやいやいや、飲みも6日連続続くとさすがに体が疲れてきた。朝一ゲロで二日酔い。今度から週5にしよう。
むさしのFMの放送も無事終わり、ほっとしてまた一杯やっております。
川勝正幸さんが火事が原因でお亡くなりになった。享年55才。
『ポップ中毒者の記』なんて、うちでもよく回転した。『勝新図鑑』なんて最高にトッポい本だったんだが。
ツイッターなんかを見るとまだまだいろんなことに興味津々のようで、久々に本来の意味で、惜しい人を亡くしてしまったと思った。
現役で物事を楽しんでいる人を連れて行ってしまうのはやはり残酷だ。聴きたいCDや見たい映画や本など山ほどあったろうに。ポップに死ぬのはなかなか難しい。
そんなわけなので、多少散財しても見たいもの聴きたいものにはなるべく、生きてるうちに触れたほうがいいんではないかと思い直しました。どんなジャンクな知識でも、身につけば武器にも防御にもなり得るのだ。そうそう、すうさい堂ってお店で買い物したらいいよ。
で、ベスト盤のCDってのが「知る」にはお手ごろだったりするのだけれど、特にニューウェーブ系のバンドに顕著な気がするのだが、最初の方に収録されているナンバーってのは勢いもあってカッコいい。けれど、だんだん曲が進むに従って演奏力も上がり、面白さがなくなっていくのだ。
『The B-52’s』なんてバンドも、初期は50年代とパンクをミックスしたような奇妙なポップスをやっていたのだが、演奏能力が向上するとどんどん「普通」になっていくのだね。素っ頓狂を維持するってのもなかなか難しい。
「ロック・ロブスター」「プライベート・アイダホ」のえげつないカッコよさ。男女ツインボーカルのまじめにふざけた感じもいい。ボーカルのフレッド・シュナイダーは、リリー・フランキーに似ている。
http://www.youtube.com/watch?v=2VCCiY17hKw&feature=fvwrel
阿佐ヶ谷ラピュタにて『女体』鑑賞(監督・恩地日出夫/64年)。
上映前のアナウンスでは「じょたい」と読まれていたが、これはやはり「にょたい」ではないでしょうか?にょ。
内容は『肉体の門』+αだが、この作品には本当の「屠殺」シーンがあり当時非難轟々、そのお陰で恩地監督、しばらく干されたらしい。
自分なんかは「演技として」やり切ってしまった出演者の役者根性がまずすごいよな、と思ってしまう。
が、そのシーンのおかげで「食糧難の時代に貴重な牛肉を貪り食う至福の光景」がリアルに捉えられた。
殺された牛さんも本望ではないか。だいたい出来上がったものにはうまいうまいと舌鼓を打つくせに、途中経過を見せられると残酷だ不快だと騒ぎ立てる神経がよく分からん。じゃあ食うな。経過を伴わない結果ってのはこの世のどこにもないんですぞ。
パンパンから這い上がり平凡な主婦になった女とクラブのママになった女、どちらも自分の生活に不満がありお互いをうらやましく感じている。自分は女心を理解しようという気がさらさらないので、「そんなもん、どっちかじゃ」くらいしか感じなったが、この映画のテーマはその辺なんですか?そうですか。
よく考えたら「文芸作品」特集で、招待券をもらったゆえ足を運んでみたのですが、なんだな、「女の恋愛談義」と「男の武勇伝」ほど、つまらない話もないな。もちろん、したって構わないんだけど、「自分で自分を茶化せない人」はだいぶ低評価だから、僕ん中では。
それより「男好き」としては、特攻帰りのワイルドガイではた迷惑な自死を遂げた、南原宏治である。
この人どこかで強烈な役をやっていたなと思ったら、鈴木清順監督・『殺しの烙印』の、殺し屋ナンバー2じゃないですか。
宍戸錠を監視するため互いを手錠でつなぎ、目を開けたまま爆睡、シッコもそのまま垂れ流しという怪演を見せた。この映画ほど隙がないくらいスタイリッシュかつ、ナンセンスな作品もないかも知れない。初代ルパン三世の「あの空気」が好きな人はたまらんよきっと。ヘロヘロな主題歌も痺れるぜ。
http://www.youtube.com/watch?v=5kqOxJDZFso
なんかですね、2月5日のむさしのFMの生放送に出ることが決まりまして、つっても10分くらいですが、パソコンからも聴けるらしいのでおひまでしたらまあどうぞってことで。13時30分からです。
http://www.musashino-fm.co.jp/
やっぱりここはですな、きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅについて語らねばなるまいかと。
バウスシアターの鳥淵さんがきゃりーぱみゅぱみゅに似ているのではないかとか、きゃりーと瓜田純士が戦ったらどちらが強いか?というようなことを読み解くテキストこそがこの2012年最大の課題ではないかと。
っていうか、このジャルダンのテナントが順繰りで出演してるっぽいですね。本日は隣のメキシコ雑貨・ラブラバさんです。
昔、「有頂天」というバンドをやっていたケラさんが、NHKのインディーズ特集番組に出演した際に、「ナゴムレコード、ツブレマース。カワナイカライケナーイ」とやって大ブレイクしたけど、すうさい堂も同じことをすればブレイクすんのかな。ブレイクもなにも常にブロークン寸前だがな。カワナイカライケナーイ。
出来ればヂル会長に社訓をぶっていただきたいのだが、基本的に鳴かない上に今も目の前でふにゅーんと寝ております。スリスリしてくれない猫。というかこっちがスリスリしている。
私の寝床で丸まっていたりするとたまらずにスリスリしに行って、足とかバタバタさせている(わたくしめが)。
まこと人には見せられない姿なり。
お勧めの本ですか?・・・・・「お尻とその穴の文化史」-アヌスは性器か、排泄器か?ーですかね~、などと答えたらそのまま放送されてしまうのだろうね、ナマだから。
先日は勢いで店をさぼり上野まで流れ、国立西洋美術館の『ゴヤ展』にたどりつく。
ゴヤとは沖縄の特産物でなくスペインの画家なのだけど、宮廷画家のお仕事として描いた油彩の人物画と、自らの闇をキャンパスにぶちまけた「黒い絵」シリーズや不気味な連作版画がある。自分が好きなのはもちろん後者。
仕事と自分の描きたいことを分けるなんざ、プロのクリエイターである。思わず「クリエイター」なんて使っちまったが。
無表情な人物画に関しては特に感銘も受けないのだが、悪魔や人間を皮肉った版画はどす黒く生き生きしていると思う。ただサイズが小さいので、鑑賞するには少々疲れました。
本当は『わが子を食らうサトゥルヌス』が見たかったのだが、残念ながら展示されていなかった。
これはゴヤが聴覚を失ってから描かれた77歳のときの作品。表情が凄い。しかし「むっしゃむっしゃ」いっちゃてます。原画は股間がギンギンで、「それはいかがなものか」と修正されたという説もある。
「実はこれが当時の最先端グルメでして」とアホ解説をかましたいところだが、強迫観念の塊のようなこの絵を前にしてそんなおちゃらけは書けない。書いちゃったけど。
晩年のゴヤはこれを食卓に飾っていたとか。お客様ドン引き。
しかしこの絵こそ自分の本懐、という態度なのだろうか。だとしたらやはり芸術家である。あ、クリエイターなんて呼んじゃってゴメンな。
あと、このサイトがすごいです。http://www.muian.com/
ビアズリーやらシーレやらの「それ系画家」などの絵がごっそり見られます。
そしてゴヤ展に来ていた娘さんたちのかわいい率は高かった。
んで、上野公園をぶらつき、アメ横のふきっさらしの名店「陳陳軒」でしょうが焼き定食を食ってみたらこれがマジでうまく、腹は満たされているもののすでに食欲がもう一品を臨んでおり、そのままタンメンも続けていけたかも知れない。不思議であった。
さらにキャッシュオンデリバリーの粋な立ち飲み屋で酔っ払い(イッツ・メンズ・メンズ・ワールド!)、ふらふら帰る。同行したまっつん構成員が徐々に執着し始めて止まらなくなった「闇金ウシジマくん」のフィギュアは、どこの店にも売切れたりして置いていなかったというのがオチです。
あまりのヒマさにカネコアツシ『バンビ』全6巻読了(番外編を入れると全7巻)。
知る人ぞ知る漫画家ではあるのだが、この人の描く線はまったく日本人ぽくなく、ポップアートのリキテンシュタイン、というよりは、ガレージパンクのジャケのイラストのような雰囲気。
この絵が筆ペンで描かれているということがまず驚愕。
主人公のバンビは健康とクマのペーさんを愛するピンクの髪の美少女だが、人を殺すことにコンマもためらわない殺人マシーン。謎の子供を連れて逃避行しているのだが、その子供を奪回し、バンビを殺せば5億円という報奨金がかけられており、ヤクザ・殺し屋どもが彼女らをつけ狙う。
まあ、片っ端からぶっ殺されちゃうわけですが、この作品トータルで何十人殺されてるんだろう?キュートでポップな大殺戮!
バンビを売ったり助けたりするチンピラ・タナハシや、実は武器商人の時計屋老夫婦、孤島に住む元テロリストのジジイ3兄弟など、サイドキャラも立ちまくり。
さらに裏社会を牛耳るポップスター・「ギャバ・キング」は畸形化したエルヴィスだし、その側近「チャーリー」は絶対、80年代NMオペラの怪人「クラウス・ノミ」がモデルでしょう。http://www.youtube.com/watch?feature=iv&src_vid=E9-4vnlYqa0&annotation_id=annotation_942735&v=iNahvGXVWl0
クマのペーさんはもろにグレイトフル・デッドのアレだし、「悪魔のいけにえ」がモチーフの回や、どことなく「デスレース2000」ようなテイストが散りばめられているので、ジャンク文化の知識があると楽しさ倍増。
極めつけは後半に登場する殺し屋3姉妹で、フライ(ハエ)・ローチ(ゴキブリ)・マウス(ネズミ)と呼ばれており、仲は最悪で、互いが幼少時に方耳・片目・片腕を潰しあっていて、それぞれの殺しの武器もナイフ・銃・毒ガスとバラエティに富んでいる。キャー!こんなん大好き!
タランティーノの影響下にあるのも明白で、日本人は彼とかなり相性がいいのだろうね。
漫画ゴラクというオヤジ雑誌に連載されていたため知名度は低いが、岡田ユキオの『モーテル』なんかも確実に「和製タラ文化」のひとつ。好き物にはお勧め。すうさい堂に売ってるらしい。
これはロックだなあと思う条件のひとつに、どんな過激な表現でもげらげら笑ってしまう、というのはあると思う。つまりブラックユーモアのセンスを持っているか否か、ってこと。
ちなみにこの作品中でもっとも痺れたセリフ。
「歳をとるってのは面白いぞ」「お前ら若いもんが皆マヌケに見えてくる」「だから誰の言うことも聞く気がなくなる」「どんどん自由になっていくんだ」「面白くてたまらん」
「夢だ理想だって騒ぐから」「どいつもこいつもワケ判んなくなっちゃうんじゃねぇかなあ?」
「犬猫みたく『ただ生きてる』ってだけでいいじゃねぇか・・・・・?」
なんだよ、じゃあ自分なんか正しく劣化してるってことじゃん。欲しいものもやりたいこともとりあえず何もねえさ。「捨てるべきもの」はわかってるからな。酒のんで寝ちゃったらもう一緒だよ。週5日くらいは酔っ払って寝ちゃうからさ。アルコール吸収する才能はあるからね~。おおこれはロックぢゃねえか?酒飲み仲間がいるってことは何よりも精神安定剤だ。
この作品、映画化されるという話だったが、どうも頓挫したっぽい。このデタラメさは邦画じゃ無理かもしれない。そんな時「マンガ表現の自由さ」というものを感じるのである。