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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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「かき鳴らす」と名乗った男



自分は猫好きであるのだけど、パンクの美学はいわゆる「負け犬の美学」だと思う。
テクもカネもなく知識や人生経験にも乏しいので、わんわんきゃんきゃん吠えることしかできないが、大人が聞けば失笑しそうなわんわんきゃんきゃんこそがパンク最大の武器で、そのわんわんきゃんきゃんを溝に刻んだものがパンクのレコードというわけである。
とはいえ、わんわんきゃんきゃんだけでは持続力などないので、ほどんどのパンク・バンドはシングル一枚で消えたり(それでも残せれば立派!)失速していったりする。
中には思慮深く活動を続けていたバンドもいて、ザ・クラッシュなんかはその代表格だと思うのだけど、パンクの成功者であるにもかかわらず、なぜかジョー・ストラマーには負け犬的なイメージがつきまとう。

『LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー』を観る。
101ERSからザ・クラッシュ、最後のジョー・ストラマー&メスカレロスまで、彼の生涯を追ったドキュメント。監督はまたしてもジュリアン・テンプル。
クラッシュに関しては、サード『ロンドン・コーリング』のジャケがあまりにもカッコいいので購入したら、中身が全然パンクじゃなくて当時がっかりした、という声をちらほらと聞く。
ならばファーストは良いのだろうと『白い暴動』(コレもジャケが滅茶苦茶カッコいい)を聴くと、おっそろしくスッカスカな演奏が最後まで続くのである。
というわけで最初、自分はクラッシュはあまり好きではなかったのだけど、こういうバンドはじわじわと効いてくる。
今時の耳なら、セカンド『動乱』のカラッとした音が一番フィットするんじゃないかと思う。あまり評価自体は高くないが、これって「今」の音でしょう。
何にしても、相反する「破滅の」ピストルズと「継続の」クラッシュを生んでこそのパンク・ムーブメント。ピストルズが攻撃の矢面に立っていたのでクラッシュは自分たちの方法論を模索できたのだと思うし、ピストルズが放棄したパンク・スピリットを、クラッシュが彼らなりのやり方で伝道していったのは確か。これに「ゴスなパーティー感覚」ザ・ダムドを加えたものが、パンクの三大要素。

で、映画なのだが、これが「ストーリー・オブ・クラッシュ」だとちょっと悲惨であった。
ピストルズに衝撃を受けたジョーが、それまでやっていたパブロックのバンドを捨て、クラッシュに参加。ファーストのデモらしきプレイをするモノクロの映像が恐ろしくカッコいい。ジョーストラマー、ミック・ジョーンズ・ポール・シムノンのとびきりトッポいルックス!パンクはコレだろ。
そして、パンクの先鋭として時代が彼らを求めた。
人気が出るにつれ他のロックバンドと同じように、クラッシュも巨大マーケットに取り込まれ、成功したもののジョー・ストラマーとしてはどうにも居心地が悪い。
「反アメリカ」と歌っていたのに、カウボーイの前説に紹介されて、アメリカのスタジアムで演奏している(主張も完全にブレた)。そこにイギリスのライブハウスでの画像が挟まれるのだが、どちらが生き生きとしているかは明白。
ジョーの激しいアジテーションもアメリカ人の観客には空回り。
彼のエゴはどんどん肥大し、メンバーの首を切り、バンド史上「なかったこと」にされている駄作を一枚作り、いつのまにやら「ザ・クラッシュ」消滅。

そこから長い不遇時代が続く。
この時期にジャームッシュの『ミステリー・トレイン』なんかに俳優として出演していて、おーストラマー相変わらずかっけーななどと観ていたのだが、本人的にはどん底だったらしい。
が、最後のバンド・メスカレロスはいい感じに始動し、いい仲間と「少しの名声」を得て、心臓疾患のため50才で死去。
晩年はすっかりロカビリー親父みたいになっていたが、基本的にルックスがほぼブレてないってのは素晴らしいことです。
(インタビューに答える相方のミック・ジョーンズはきっちり劣化して、悪徳不動産屋みたいになってしまったのが、ちと悲しい)

外交官の息子として生まれ、右翼活動に傾倒した兄がドラッグの過剰摂取で死亡。
裕福な出身が逆にコンプレックスなのか、反ナチコンサートに参加したり、アルバムの価格をギリギリまで抑えたり。
しかし、改めて見るとクラッシュはルックスがとてもいい。パンクスとテッズのいいとこどり。
ジョニー・ロットンの思いつめた目つきもいいが、ストラマーの据わった目つき、いきなり鉄拳制裁されそうな緊張感が、男が痺れるバンドとしてリスペクトされているのだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=1nX_SZPZSsk&feature=related

ジョー・ストラマー生前のラジオDJを使って進行していく構成が粋だと思う。
U2 のボノや、ジョニー・デップもコメンテーターとして出演。
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