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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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やさしいから好きなんだ




最近ろくなことがなくクサクサしているので、気晴らしに、っつー感じで『実演!淫力魔人 イギー&ストゥージズ』(@バウスシアター。爆音)』を鑑賞。
伝説の、ストゥージズ再結成ライブ。イギー・ポップは還暦を過ぎたジサマだが、相変わらずのハイテンションで暴れまくる。20年くらい前に中野サンプラザでの来日公演も見ているのだが、そのときもマイクスタンドをぶん投げ、アンプに体当たりなどしていたのだが、ジサマになってもまったくおんなんじことをやっておる。
ストゥージズの面々も太ったとはいえ、いつものメタル兄ちゃんたちのような弾き過ぎもなく、正しくヤクザにゴリゴリと『ロウ・パワー(素晴らしすぎる邦題が「淫力魔人」!)』の音を再現する。
捨て曲なし。イギーってのは最強かも知れぬ。ミック・ジャガーがエンターティナー、モーターヘッドのレミーが不動の魔王だとしたら、イギーは「聖なる俗」、先走り汁を撒き散らす、叫ぶ性器。しかも過激なだけじゃなくて、どこかしらチャーミングでもある。

何を持っているか分からない客の中に裸で飛び込んでいくというパフォーマンスを「40年以上」も続けているってことは、これほど自分のオーディエンスを愛している人もいないって話なんじゃないか。
若い頃より何より、今が一番声の艶がいいという奇跡。
『サーチ&デストロイ』のイメージが先行してしまうイギーだが、今回対訳つきで曲を聴くと「俺を抱きしめてくれ」みたいな、他者に救いを求めるような詞が多い。
パンクの雛形『ノー・ファン』だって、「ひとりぼっちじゃつまんない」ってことを延々と訴えているんである。

そういうことだったのだ。優しいから好きなんだ。僕、イギー・ポップが好きだ。

『アイ・ニード・サムバディ』『ペネトレイション』『ギミー・デンジャー』などの、タメの効いたヘヴィ・ブルースは、なかなかその辺の若輩者には出せない殺気。早いだけがパンクじゃない。
イギー本人が「俺はロックの一番面白い部分を最初の3枚でやってしまった」とおっしゃっていて、それがストゥージズなのだけど、このダーティーな音塊を当時の人々がどれくらい理解できていたのか。
パンク・ムーブンメントによって「元祖パンク」としてようやく脚光を浴びた彼らだが、このライブにおける『1970』は、1970年当時リリースされたそれを、更にパンキッシュに凌駕してしまっているという凄さ。
裸一貫、イギーが叫ぶ。
『ライトをつけてくれ!演出なんか糞食らえだ!お前らの顔が見たいんだ!』

ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニアとしての人生なら、もう年金生活をしているようなジサマが、「イギー・ポップ」として、今もステージで自分の体をバラバラにするようなライブを続けている。
イギーは、音楽的才能はちょこっとしかないかも知れないが、「ガキの頃に作った曲を、ガチで叫んで燃焼する」というロッカーにとって最も大事なことを、誰よりも大切に貫いている。

最近は3ピーススタイルのバンドが流行っているらしく、それはそれでソリッドでよいのだけれども、ボーカルがマイク一本で大暴れするバンドってやっぱり最高だなと、「淫力ジジイ」のライブを見て、改めて思った。
(一週間限定上映。お早めに)
http://www.youtube.com/watch?v=W_Xx40_wHpc&feature=related

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