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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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お笑いホラーの最高テキスト



そもそもコメディが苦手なんである。オースティンなんとかとか、ポリスどうたらとかのノリについていけないし、ブルース・ブラザースなんかも、もうひとつピンと来ない。
どうやら自分はホラーをコメディの代用品にしている節がある。恐怖と笑いのスイッチを自由に操るホラー監督はとてもカッコいいと思うし、練り上げられた作品はクールなコメディとしても機能する。
スプラッター以降のホラーが得たものは特殊効果と共に、スピード感とギャグのセンスである(70年代以前の「もっさり感」も好きなんですが)。
そんな意味でサム・ライミ監督の『スペル』(2009)は最高。むしろ、怖いものを求める向きには真逆の悪ノリ作品。とにかく、主人公の女の子がいろんなものをぶっかけられたり、いろんなものを口につっこまれる最強ぶっかけホラー。「ぶっかけAV」なんかが好きなひとにはおすすめかも。

主人公のクリスティンは銀行の融資窓口担当。そこになんというか、とてもこってりとした容貌のお婆さんが「家を差し押さえられて困っている。これじゃ住むところがなくなってしまう。どうにかならないか」と、相談に来る。
クリスティンはボンボンの彼氏とも熱愛中であり、「次長のポスト」を東洋系の新入り兄ちゃんと共に狙っていて(空席の次長の椅子がしつこいくらい映される)、あたし的には今がとっても重要な時期。
「力になれるかも」と、いい顔をして上司に相談に行くが、「クールな判断をしてくれ」のひとことで出世欲に目がくらみ、この申し入れを拒否。
バアさんびっくりしてすがりつくが警備員を呼ばれる騒ぎになり、「私は誇り高い女だよ!それなのにお前は恥をかかせた!」と悪態をつきながらも強制退去。
なんやかんやで帰宅時間となり、自家用車を走らせようとするも昼間のバアさんが待ち伏せており、駐車場で大バトル。ババアは入れ歯をすっとばしたりの大騒ぎ。
と、ここでクリスティンのボタンを千切り、それに呪いをかけてしまう。
その足で「霊視ができるお店」で見てもらったとおりに、身の上に呪いの現象がおきていろいろたいへんになり、バアさんちに謝りに行ったらなんと、本人の葬式の真っ最中。
で、霊媒師の「いけにえを捧げろ」の指示に従い飼っている仔猫を殺してしまうが(猫好きとしてはもうここで呪われても当然だと思うの!)効果がなく、クレームをつけに行ったら「そんな日曜大工じゃダメなんだわ。やっぱプロに頼んで降霊会を!」と、更に強力な霊媒師を紹介。
ド派手なロックミュージカルのような降霊会(踊るし!)を行うが失敗し、あとはボタンを他人に渡して「呪いを押し付ける」しか方法がない、ってことになるのだが、果たしてクリスティン嬢のとった行動とは?

もちろんこの作品で一番面白くて笑えるのは「とびだすババア」であるところのガーナッシュ婆さんなのだけれど、クリスティンのボンボン彼氏、このひとが実は最高のコメディ・リリーフなんである。
ラストの大オチ含め、無意識ながらも空気を読まない行動の連発!二回目に観たときは彼氏が登場した瞬間に吹いた。
原題は『DRUG ME TO HELL』。私を地獄に連れてって、という意味らしい。
ラストの彼氏の大マヌケ面に続いて、このタイトルがドーンと大写しされた瞬間の気持ちよさ。
すっげーセンスあると思う。思わず「やったあ!」と拳を握ってしまう痛快爆笑ホラーです。


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