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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ギャグと恐怖の「シン・ゴジラ」



そもそも予告編で公開された彼の顔を見た時点で「おおおお」と思っていたわけである。
異常に小さな眼にメチャクチャな歯並び。それまでと全然違う、まるで融通が利かなそうな面構え。
どう見てもおかしい体のバランスは、わざとやってるとしか考えられない。
さらにタイトル文字。第一作と同じフォントを使用しており、実に「わかってらっしゃる!」。
『シン・ゴジラ』二回目の鑑賞は立川シネマシティ。振動もバリバリ伝わる極上爆音上映。死ぬほど素晴らしい企画で、もう吉祥寺は立川に負けたと言っても過言ではない。
先週も鑑賞したのだがあまりの情報量の多さゆえ「これはもう一度観なければならぬ」と思い、出向いた次第。
封切作品を二週連続で観に行くなんてことは生まれて初めてで、しかも「また観たい」と思っている。
ちなみに自分は『エヴァンゲリオン』というものをまったく通っておらず、「エヴァっぽい」とか「やっぱ庵野」みたいな風評はどうでもいい。まっさらな「ゴジラ」として鑑賞した。

散々書かれているのでここでもネタバレしてしまうが、最初に登場するゴジラが斬新過ぎる。
ウツボとトカゲの出来損ないのような巨大生物が「のたくりながら」街を破壊するのである。
「え?これゴジラ?」と驚愕し、初見はちょっとかわいいかもと思ったが、あの何も映さない大きな眼は非常に不気味であり「とんでもないことがはじまる」ことを予感させる、ゾクゾクするオープニングであった。
さらにゴジラは二足歩行に進化するのだが、この時のゴジラが非常に気色悪い。裂けた口の両端には赤い肉のようなものが残っており、ゴジラ史上ナンバーワンのキモさだ。何でもそうだが、変身の途中ってのが一番気色悪いのである。
完全形態を遂げたゴジラは再上陸。自衛隊や米軍ミサイルの攻撃をもろともせず、東京を破壊する。
背中から光線を放ってそこにあるものをすべてぶっ壊し(さすがに「ゴジラビーム」とかの呼称はなかったです)、口からも炎を吐いて(顎までばっくり割れるところがカッコいい)銀座を焼き尽くす!
もう泣きそうなくらいメチャクチャ感動したのです。どうやら「やってくれた!!」といった種類の感動であり、これが「ガメラ」じゃなくて「ゴジラ」という意味合いは大きい。
エネルギーを消費したゴジラは一旦停止。各国の核兵器は東京ごとゴジラに照準を合わせ、即席で集められた科学者チームは「燃やせぬなら凍らせてしまえ」と、ゴジラを凍結する「ヤシオリ作戦」実行のために奔走する。

これはとにかく「観たら語りたくなる」映画であり、ネットでも喧々諤々。
「会議シーンが長すぎる」から「面白くない」との声もあるようですが、自分は「あの長い会議シーンが面白いのに」と思う。
「想定外」で「前例がない」のでどこに「条令」を出していいのかわからず、大杉蓮の総理大臣も「え?マジで?」とうろたえるばかりで「巨大生物の上陸はない」と放送している最中にゴジラ上陸ニュースが飛び込んで総理びっくりするってのは完全にギャグだ。筒井康隆の小説を思わせる政治家たちのドタバタシーンは大いに笑っていいと思う。
「専門用語が多すぎてわけがわからん」ってのも難しく考えすぎで、そんなもん誰だってわからん。
ヤシオリ作戦を説明するシーンでも科学用語がダーッとえらい早口でまくしたてられるのだが、最後に「ゴジラを凍結させるんですね?」「そうそうそう」とまとめられているので、そこだけわかれば問題ない。無感情な早口や専門用語の羅列はハッタリ、と言って語弊があるならそれはグルーブであり、あの早口言葉が作品に妙なグルーブ感を生んでいるのである。
「内容が難しすぎて子供を連れて行けない」って、えーマジですかあ?と思うわけで、そもそも映画って背伸びして観るものではないか?
近頃、ガキ向け映画(失礼、ファミリー向け映画)の台頭が激しく、結局動員のあるものばかりが優遇されるということが非常に面白くないと思っているのですが、『シン・ゴジラ』はむしろ「子供に背伸びをさせる」という意味では最適のテキストである。
このゴジラは本当におっかないのでトラウマになるかも知れないけれど、それはよいトラウマなので。
ただし「お父さん、これ以外のゴジラは生ぬるくてみてられないよ」という弊害がおこる可能性はある。
「ホームドラマを入れなかった」ってのも大正解。登場人物を官僚や科学者に絞ったことが素晴らしくクールな効果を上げている。
「一般人の被災が描かれていない」?ちょっとだけ炊き出しや避難所のシーンがあったが、十分だと思う。我々は五年前、リアルに嫌というほどその映像を見ているはずなのだが、それでも足りないってか?
怪獣映画は長くても二時間!これ基本!!
「海外で公開された場合、向こうの観客に理解できるのか?」と言われりゃ、そんなの知るか!ファックオフ!で、いいと思う。
例えばタランティーノがアメリカのポップカルチャーを語るセリフを考えるとき、日本人の客のことなど頭にない。それでも我々は彼が仕掛けるショックを楽しみに劇場に行くのであって、『シン・ゴジラ』のエクストリームっぷりは海外の観客も度肝を抜くと思う。
2014年のハリウッド製ゴジラも、我々は十分に楽しめたのと一緒である。
というか、この作品を字幕なしで観られるというのは非常にラッキーなことで(日本人でよかった!)、たまには海外の観客に必死で字幕を追わせてやってもよろしかろうと思いますよ。

そして今回最も槍玉に上がっているのが石原さとみクン(29)。※写真週刊誌っぽく。
わたしは「やっぱり美人だなあー」とちょっと嬉しくなって観ていたのだが英語がダメ、演技がダメ、キャラが浮いてると散々なようだ。
基本、美人はいいものなので何も問題ないと思うのだが、ゴジラ映画ってのは一作目の河内桃子にはじまり必ず「美人がストーリーに絡んでくる」ので、本作の石原さとみクンもその定石のひとつということであります。
野郎とブスとババア(ああごめんなさい)だけで構成すれば更に硬派な作品になったのだろうけど、これはやはり映画なので、どこかにファジーな要素も必要ではなかろうか(というかこのキャラに関しては誰がやってもやいのやいの言われそうな気がする)。
イーオン仕込みの英語もカッコいいし、「さとみクンは問題なし!なにせ美人!」と、写写丸は思った。

二回観たという理由のひとつに「ひょっとして自衛隊礼賛映画?」という疑問がちょっとあって、そこを確認したかったのだが、そうではなかった。一回だけではヘタなことを書くところであった。
答えは簡単で、冒頭のゴジラ撃退がまるで役に立たないから。しかも発令がないと何一つ身動きがとれないという。「自衛隊はカッコいい」という描き方をしてはいない。
ラストのヤシオリ作戦でも一隊がゴジラの犠牲になり、「あれじゃ特攻隊」とか言われてしまいそうなんだけど、本作は怪獣映画であり災害の映画であり、犠牲者が出るのは必然なので、それでも「死を描くと不快に思う人がいる」ということのほうが悲しく感じられる。
『シン・ゴジラ』は一作目をスケールアップさせた正統派であると同時に、奇形的な作品でもある。
とにかくゴジラの手が異常に短い。ビルを崩すことも出来ないくらいに機能していなさそうな華奢な手だが、厄介な武力は過去最高。手などきっと必要ないのだ。
(そしてあの小さな手は「怪獣プロレスの否定」の意味もあると思う)
登場人物たちはいやあ困ったなあと思いつつも、彼を「化け物」「悪魔」呼ばわりをせずに「超越した存在」として、ある種の尊厳を込めて立ち向かう。
完全なる「破壊神」の誕生。初代ゴジラを引きずるファンが観たかった映画が、まさにこれなのだ。
尻尾に関してはどうも先端がちぎれているように見えて(生き物の尻尾は基本的に先端が細くなっている)、これはラストのアレと何か関わりがあるのかと思ったがそこは解明されず。
「アレ」についてもいろいろな論議を呼んでおり、なるほどこいつが庵野監督の手腕かと、割と素直に感心する。
凍結されたゴジラが再び動き出さないとも限らず、いろいろな余韻を残すラストで、「続編があるのかなあ」と思うと非常にビミョーーーなところだ。打ち止めにしてほしいってのが本音。
自分の場合、89年の復活ゴジラを劇場まで観に行って、そのビミョーーーな出来にしょぼんとなって、それ以降の平成ゴジラは全部スルーという経緯があるので、できれば不毛なサイクルはやめていただきたいと思う。
それよりもあれだ、この制作チームでヘドラ作ろうよヘドラ!シン・ゴジラ以上に絶望感を与えてくれるのはもはや、ヘドラしか残っていない。ヘイルヘドラ!

長くなってしまったが最後に在来線爆弾最高!と、言いたい。
ゴジラに突っ込む無人の山手線や京浜東北線の映像に、かの名曲『怪獣大戦争マーチ』が流れるという、ある意味ねじくれまくっているけど最高のセンス!
『シン・ゴジラ』は史上最もギャグセンスがある怪獣映画だ。
エンドロールには巨匠・伊福部昭のゴジラ楽曲が四曲も流れるので絶対に席を立たないように。
日本最高の音楽を劇場のスピーカーで体験しよう。そしてもう一度足を運ぼう。
ついでに1954年の『ゴジラ』も観よう。
以上です。
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