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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ハリウッドゴジラは物分りがよかった



2014年のハリウッド版『GODZILLA』。初見はゴジラのフォルムが土産物の「シャケをくわえた木彫りのクマ」みたいであまり乗らなかったのだが、CGで動きをみせるとなかなかの迫力。でかっ!って感じ。海上より背びれから登場する場面など、今までになかったセンス。日本のゴジラは徒歩ですから。
放射線を食う怪獣「ムートー」のオスとメスが暴れているところにゴジラが「調和を取り戻すために」復活し、ムートー夫婦と戦う。
そこばっかりやっていてくれればいいのに、というのが正直な感想で、科学者たちによるディスカッションと、ムートー出現によって妻を亡くした科学者の息子(爆弾処理班)のホームドラマが長すぎる。理系映画と家族愛ものは最も苦手だ。
このゴジラは「怪獣王」であっても「破壊神」ではない。ムートーやっつけたら普通に帰るし。最後の咆哮は「おつかれーッ」としか聞こえないす。
自分は平成ゴジラシリーズもほとんど観ておらず、なぜ興味がないのか、ハリウッド版でようやく理解した。アメリカにゴジラが現われても正直ピンと来ないってのは、彼がやはり「昭和のアイコン」であるからだ。

先日、神保町シアターのゴジラ特集(祝!ようやくヤバそうなゴジラが日本で復活!)で『キングコング対ゴジラ』(62)を鑑賞。本多猪四郎×円谷英二の正統派。二作目『ゴジラの逆襲』では敵としてアンギラスを登場させたのはいいが、四つ足に設定しちゃったもんで、ずっとゴジラに対して着ぐるみアンギラスが土下座状態でギャーッとか吠えてるしょっぱい出来。
三作目はハリウッドから拝借したキングコングで、こちらはゴジラと大バトル。作品も大ヒットした。
思うにゴジラが悪役だったのは次回作の『モスラ対ゴジラ』までで、キングギドラ登場とともに微妙に人間の見方になり、ストーリーも子供向けにスライド。なんだかんだでキングギドラは、子供が見て「かっけぇ!」と思うフォルムなんである。
三作目ともなるとゴジラそのものが既成事実とされており、ディザスター(災害)映画の趣きもある。
「ゴジラ出ました!」「ゴジラ松島へ上陸です!」「ゴジラが来るので避難するざます」
コングとゴジラが戦っているところを至近距離で眺めている多数の野次馬がいたり、コングがいる真横を電車が走っていたりする(で、捕まえられたりする)んだが、こうしたユルさも昭和である。
初代ゴジラの悪夢のようなシリアスさは払拭されたが、巨体で街をぶっ壊すカタルシスはやはり、なんだかんだ言っても破壊神なのだ。

視聴率低下に悩むテレビ局の部長が話題づくりのため、南の島からキングコングを日本に輸送するってのが発端(無茶苦茶だ)。高島忠夫らが会社命令でその島に向かう。
最高なのが原住民たち(不思議なことに日本人にしか見えない)。伊福部昭のカッコいい音楽に合わせて、昭和キャバレーの踊り子のような、イカしたバーレスク・ダンスを踊る。
このような昭和元禄の風俗を楽しむのがゴジラ映画なんです。今さら「あのシーンは吹いた(笑)」とか言ってる感性のほうがよほど古臭い。大タコとの合成シーンもよかったなあ。
いくらお子様向けになっても、当時の風景を切り取っている限り、それがゴジラ映画なのだと思う(のは自分だけか?)。
特に時代性を強烈にアピールしているのは『ゴジラ対ヘドラ』で、主題歌はファズが効いたガレージ・サイケだし、それにあわせてボディペイントを模した姉ちゃんが踊る!
ヘドラは公害の産物であり(これは今も通じるテーマだと思う)、オタマジャクシみたいなものからどんどん成長するなんてのも、現代ホラー的。
若者たちが富士山のゴーゴー大会(!)で踊っているところをヘドラが襲撃したり、劇中でイラストを挿入してみたりと、70年代アングラ文化溢れる一本。個人的は「渋谷系ゴジラ」と呼んでいる。ハレンチ・サイケという風俗を、怪獣映画なりにアレンジして見せた「怪作」である。
リメイクするならヘドラじゃないか。いつやるの?今でしょ!
ヘドラのデザインはさらにグロくてもいいと思うし、原発問題と絡めることも可能である。液体をぶっかけて人間をドロドロに溶かすなんて描写も出来そうだし、なんならR指定だ!
ゴジラ抜きでもかまわない。リメンバー・ヘドラ!






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