先日は池袋サンシャインシティの『毒毒毒毒毒毒毒毒毒・痛』というイベントに行って参りまして、これは「もうどく展2」と読む。
クラゲ、ムカデ、ヤスデ、カニ、カエル、カメ、ハゼ、エイ、スカンク(おねむ中)など様々な毒を持つ生きものが展示されていて、特に嫌だったのが二センチくらいある「パルポネラ」なるアリ。こんなのに群がられて食われるならいっそのこと殺してくれーと言ってしまうなあなどと妄想する。「ギー」とか鳴くらしい。嫌な虫もいたものである。黒に白玉のエイ、「ポルカドットスティングレイ」はカッコいいと思う。さくっと見られるので「ぼっち」でもおすすめです。
ところでこうした毒性の生物はクリエイティブ中枢を刺激することも多く、「こんなのに襲われたら嫌だなあ(でもきっと面白いよなあ)」と、様々なパニック作品が創作される。「金魚インスパイア」とかって、あまり聞かない。
ショッカーの初期怪人なんかもクモ、コウモリ、カマキリ、ハチ、コブラ、サソリ、ヤモリ、食虫植物など禍々しい生物をネタにデザインされており、シンプルな造形は今見てもイケてる。サイコビリーなテイストもめっちゃ高い。
(上野でやってる「深海展」も行きたいなあ。深海魚ファンなので。デメニギスとかカッコいいし)
本物のサソリが入っているキーホルダーがかわいかったので買って帰りました。
http://www.sunshinecity.co.jp/campaign/cp/moudoku2/
さて夏だ。夏といえば人間がお魚にモグモグ食べられる映画が観たくなるのが人情ということで、『ピラニア』(2010)鑑賞。監督はホラーリメイク名人のアレクサンドル・アジャ(なぜかたいへんイケメン)。公開時のタイトルは『ピラニア3D』で、千切れたちんこやおねえさんのおっぱいが目の前に迫ってきていたと記憶する。
ホラーファンはもちろん、「バカ映画ファン」からも大絶賛で迎えられた名作。
湖×春休み×大学生。マッチョもボインも水着でテクノを大音響で鳴らし大騒ぎ。調子こいた連中は「濡れTシャツコンテスト」で盛り上がる(放水するのがイーライ・ロス!ツボった!)。はっきり言ってバカしかいません。
こいつらを太古から生き続けていた凶悪なピラニア先輩たちが「ごち!」と、パクパクする素晴らしい作品。
もちろん大パニックが巻き起こるが、ピラニア先輩にとって彼らは「やきそばパン」とかと一緒なのだ。
ヨットが転倒して乗っているギャルやガイズが落ちて、勝手に「九州ラーメンの替え玉」状態として放り投げられる。しかも「全部乗せ」である。そりゃ食うよ、って話である。
モーターボートのスクリューに髪をからませた女性を(非道なことに)そのままに発進すると、髪と一緒に顔面の皮膚がずるむけるというシーンがあるのですが、「一皮むけばみんな同じなのだろうなあ。人間だもの」と相田みつを的な感想が思わず漏れます。
とにかく「俺たちただいま青春絶好調!人生超絶たのしー!!」とはしゃぎまくっていた連中が次の瞬間には単なる魚のエサ。最高である。ここには「ハッピーな奴らは全員死ね」という真摯なメッセージがある。
我々は普段、魚をおいしくいただいているので、たまには立場が逆転することもあるよねーということも本作で確認したい。
下半身をズタボロに食われて瀕死のエロビデオ監督。彼の今際の言葉が、「濡れTシャツ・・・・・」。
バカもここまで来るとたいへん立派なので、爆笑を通り越して感涙を禁じ得なかったりする。
さかなクン・パニック映画としては『ジョーズ』が金字塔なのだろうけど、今となっては血と乳とチープ・スリルにまみれた(「ち」でまとめてみました)『ピラニア』に軍配を上げたい。
ところで本作は、冒頭でピラニアの犠牲になる釣り氏が『ジョーズ』でシャークハンターを演じたリチャード・ドレイファスだし(カッコよかったよね!)、ピラニア発生の謎を究明する熱帯魚屋が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドク」でお馴染みクリストファー・ロイドだし(あ、「どく」でつながりました)、主役級の男子がスティーブ・マックイーンの孫だったりして、無駄に豪華、とか言っちゃいかんのか、とにかく、「魂のバカ映画」である。なにもいわずに喰われろ、夏!