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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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バカマッチョの壁



毎年、5月24日が誕生日なのですが、この日はボブ・ディラン、鈴木清順、横溝正史、哀川翔、安藤昇などアウトロー寄りの文化人が生まれており、自分もそれに近づこうと日夜努力していますというのは冗談として(爆)、控え目に云っても自分はクズですので、「オレはこんなもんじゃない」と思ったことがほとんどないのはよかったな、というのが『ペイン&ゲイン』を観た感想です。

『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』(2013)。この邦題にして白人と黒人のきんにくんが並んでいるジャケ、さらにアクションコーナーに置かれていたとなると普通ならば絶対に手に取ることのない作品なのだが(しかも監督がメガ作風でしられるマイケル・ベイ)、高橋ヨシキ先生の推薦作なので、これは押さえておこうかと鑑賞しましたらば。
驚愕のバカ映画。砂糖菓子のような「おバカ映画」ではなく、「狂気」などと棚上げされるものでもなく、ただもうプレーンなバカがやりたい放題。これが実話とはにわかに信じられないくらい、バカとしてのクオリティが高い。何を言ってるのかわかんなくなってきたが。
主人公は筋トレマニアで、ジムトレーナーをしているダニエル(「テッド」の親友!)。
「自分はスーパーヒーローみたいに鍛えているのに、この程度の境遇はなんなのか」と不満タラタラ。前科者である割には普通に社会に溶け込み、それなりの生活を送っていると、傍目には見えるのだが。
いよいよ「オレはこんなもんじゃない」が沸点に達し、同僚で「インポの治療費が欲しい」黒人・エイドリアンと、ムショ帰りで仕事がない黒人・ポールを仲間にして、「金持ちのジジイをさらって財産の譲渡契約書にサインさせてそれを山分けしよう」と、ちょー雑な計画に誘い、脳みそにステロイドを注射しているような三バカが揃う。

標的はジムの顧客・カーショウ(知りあいを選ぶってのがまずバカって気がする)。ちょー手際悪く誘拐を成功させたが、案の定、主犯がダニエルだとバレてしまう。
こうなると何が何でもサインしてもらわないとシャレにならないのだが、ダニエルは仕事があるので、失業中のポールに見張り役を託す。が、ポールは獄中でクリスチャンになっているので、慈悲の心でカーショウと「おともだち」になってしまい、ついでにユダヤ人であるカーショウを無理矢理キリスト教に改宗させたりする。バカだから。
日々繰り返される拷問に音を上げ、譲渡書にサインをするカーショウ。インチキの公証人も巻き込み、世にもアバウトな財産乗っ取り作戦を成功させてしまうのだが、こうなるとやっぱ、カーショウには死んでもらわないといかん、と。
でもバカだから脇が甘いので、殺したはずのカーショウが奇跡の生還。しかし彼の素行の悪さや人種差別的なニュアンスも込みで、警察はなんとカーショウの証言を完全無視!マイアミ警察のバカっぷりも描かれる。
カーショウは最後の頼みの綱として、引退した老探偵・エドにこの件を以来。
バカばっかりの本作中、エドは唯一の良心であり、整理整頓ができるキャラ。後半、彼がダニエルたちを追い詰めていくことになる。
まんまと豪邸や財産を得たバカたちだが、ポールはコカインにはまり、エイドリアンは結婚して家を買ったら素寒貧。
市民生活をエンジョイしていたダニエルだが、バカ二人につきあう形で、第二の犯行に手を染めることになる。

とまあ、今回はバカバカ書けるので大変気持ちがよく、オチまでバラしそうなのでここらで自粛。
思うにこのダニエルって人、バカには違いないのだが得た資金で商売を始めるとか、何か特殊な才能があるわけではなく(トレーナーは続行)、横取りした豪邸に直接住み、ご近所に気を使って、「ソファーがふわふわ」程度のことで感動している、ごく普通のいわゆる「ヤンキー」なんである。ただ、「足るを知る」を知らなかった。他の二人はそれを下回るバカなんだが。
(リーダーシップがあるのでちょっと切れ者っぽいのだが、直情的にブチ切れて後半とんでもない展開を巻き起こすので、結果的にはやっぱりバカ、か)
二時間、悪魔の所業というよりは、バカの所業が大爆発。マッチョは勇敢でタフな正義のヒーローという定石が木っ端微塵。だって、やってることが「誘拐」と「殺人」と「死体遺棄」なんだから。
「実際にあった犯罪事件をこんなお笑い映画にするとはなんたる不謹慎。胸糞悪い」という声もあるとは思いますけれども、ならばこれほど驚きのバカ・ノンフィクションをシリアスに書き換えれば納得するんですか?と思う。
こういう作品を知るたびに湧き出る感情がひとつある。「ざまあみろ」である。
正義のモラルには、バッドテイストなブラックジョークで戦う。
ひとこと言わせてもらえば、カッコいい犯罪者であるルパン三世をボンクラな善人に貶めた『カリオストロの城』は、犯罪的なクズ映画。どちらを「胸糞悪い」と感じるのは自由なはずであり、それがバランス。
本作はアメリカで大ヒット、日本は劇場未公開。バカ度合いが日本人の許容範囲を超えていたからか?


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自称「吉祥寺の盲腸」、すうさい堂のだらだらした日常の綴り。
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