忍者ブログ

すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

【すうさい堂最新情報/極私的ツイッタァ】 ■■ 火曜と水曜が定休です。※店主が大昔に描いた絵を売り始めました。

ソウルディスコ・『漂流教室』



うーむ、入荷するたびに全巻読んでしまう楳図かずお先生の『漂流教室』。そしてすぐ売れる。
楳図漫画といえばファーストインパクトは『おろち』に『怪』『恐怖』『タマミちゃん』あたりで、「楳図かずお」という字面がもうトラウマでああこわいこわいって感じであったのだが、「漂流」は読んだのが10年ほど前であり、自分はもうすっかり大人であって、この作品につっこもうと思えばいくらでもつっこめるのだが、そうじゃなくて、そんなことはどうでもよくて、あらゆる瑣末なことは全部ぶっとばす「ウメズGROOVE!!!!!!」に満ちた大傑作である。
ソウルフルな漫画をひとつだけ挙げよと言われたら、間違いなくコレを推す。
実際に楽器演奏やボーカルもこなす、楳図かずおによるソウルサーフィン・スクラッチ・コミック!何言ってんだかわかんなくなってきたが。
(スクラッチ音は「ザザザ」「ギャーッ!!」「ギャッ!!」「ハアハア!!」「ムシャムシャ」「ゴクン!!」「たべものを!!」などが入ります。童謡『ふるさと』もミックスされています。うーさーぎーおーいしー)

連載誌は少年サンデー。ってことは対象年齢が小学4年生から上くらいか。10才くらいの子供にも理解できるように、「荒廃した未来にタイムスリップした小学生のサバイバル」を描きあげたってことがとんでもない度量。
確かに突拍子もない描写もあるが、そうしたトゥーマッチ感覚も含めて作品自体がビリビリと生き、蠢いているのだ。
そして関谷。子供たちと一緒にタイムスリップしてしまい、大変なはた迷惑を被った給食のおじさん。
実に「大人らしく」暴君に変身!「アメリカの軍隊がやってきてわしだけ助かるのだ!!」「つまらん!!流行歌を歌え!!」とか、スパイシーな存在として彼はやはり重要。途中で幼児退行したりするが「ダア!!」「まんま!!」「ニャーゴ!!」と、やっぱりグルーヴィー。

子供たちが全編、無慈悲に、残酷に死ぬ。殺され、ペストにかかり、事故で、「怪虫」や未来生物の餌になって。
超能力を持つ少女を媒体として、主人公・翔くんとその母親が時空を越えて交信するのだが、彼を救おうとする「過去における」母親の行動の、気持ちいいくらいにイカれたぶっ壊れっぷり!
女ボス「お姫さま」のはすっぱぶりは、やはり当時のスケバン映画の影響だろうか。天才小学生・我猛くんのモデルはきっと大村昆。
世界レベルで見ても最もグロテスクなクリーチャー・未来人類との邂逅!
後半、盲腸を発症した翔くんだが当然医者がいない。執刀するは医者の息子の梁瀬くん!「ぼくの鉛筆けずり(カッター、文房具!)でやるしかない!!」、しかも麻酔なし!いま読んでもエグすぎ!といった感じで見所満載。
(しかし楳図さんのウィークポイントでありラブリーなところでもあるのだが、この人は全然「バトルシーン」が描けないってのがありますな。それ、クネクネしすぎだろうっていう。プラス・多少狂ったデッサンでも力技で描きこんであるので、それはもう堂々とした「絵」になっているのである)

『漂流教室』の隠れた香辛料は、実はこの未来が必ずしも遠い将来を指しているではないという点。原発事故を体験してしまった我々としては、この作品が鳴らしている警鐘がやけにリアル。
活火山を利用し、過去に戻ろうとする生き残った生徒たちだが、そこで先の「関谷氏」が実にイイ仕事をする。そして「ウメズ脳」でしか発想できないようなとんでもない展開が!!!!!
まあ、文章ではとても追いつけません。映画化やトレンディードラマ化(!)もされたが、無残に敗れたもよう。
それにても楳図かずお氏が作品に叩き込んでいる精神性はほんと高尚だと思う。
そして説教臭くならずに、ややキッチュな側面をもって楽しめるところが素晴らしいのだ。
特に『漂流教室』なんかは、DJウメズによるディスコティックと化していると思う。ソウルトレイン!
PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Copyright © すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]

管理人限定

カレンダー

07 2017/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4
6 7 8 9 10 11 12
14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

フリーエリア

最新コメント

[07/02 ポーキー THE ピラニアのロレンス]
[06/21 すうさい堂]
[06/21 美澄]
[06/04 すうさい堂]
[06/02 nene0716]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
すうさい堂主人
性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
自己紹介:
自称「吉祥寺の盲腸」、すうさい堂のだらだらした日常の綴り。
本を読むという行為は隠微なこと、悪いことを覚えるためのモノ。

180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1-28-3 
ジャルダン吉祥寺103

0422-22-1813

【営業時間】
月・木・金・土・日・祝日/13時~20時
【定休日】
火曜・水耀

東京都公安委員会許可304420105129号

メールはこちらまで suicidou@ybb.ne.jp

バーコード

ブログ内検索

カウンター

忍者アナライズ