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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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俺の右手は殺人専用



手塚治虫『シュマリ』読了。といっても入荷するたびに読んでるので、手塚作品としてもかなり好きな逸品。
北海道を舞台にアイヌ名「シュマリ」を名乗る和人の物語。普段彼は右手を包帯で巻いて使えないようにしている。その手を使うのは、人を殺すときだから。
男と逃げた妻を追っているが、その男と間違えて別人を斬ってしまった為手配されているおたずね者。
ふとしたことで砂金を手にし、それを元手に土地を買おうとするが、そこで出会ったのがエゾの土地持ち、太財一族。後に外道鉱と呼ばれる太財炭鉱を経営する。
キーマンは次男の太財弥七。
最初はカラカラの土地をシュマリに売りつけるが、そこをなんとか生き返らそうとするシュマリの豪放さに惹かれて、一緒に組もうとする。
炭鉱が傾いて来たので妹のお峰をシュマリの元にあずけ、金の工面を頼んだりしたが、そのうちお峰がシュマリの男っぷりに惚れちゃう。
なんだかんだあってシュマリが太財炭鉱に堕ち、そこで新撰組の土方歳三と出会ったり。盛りだくさん。
弥七は基本的には冷酷な経営者なのだが、シュマリの息子の面倒を見たり、最終的にはたきつけられた炭鉱の反乱分子に対し、シュマリと共闘する。キカイダーとハカイダーみたいである。

手塚氏は悪役を魅力的に描くのがうまいと思う。
結局自分にとっての手塚作品というのはそこであって、そこにしか興味がないです。
ドクター・キリコとか。百鬼丸や写楽呆介も純粋なヒーローとは言い難い。
様々な作品で顔を出す間久部緑郎(まくべろくろう/ロック・ホーム)
獣に変身する一族と組んで社会を混乱させる『バンパイヤ』が一番いい仕事をしている。
『ぼくは悪魔の申し子だい』『ネクタイしめて メガネかけて  ハウアーユーぐらいゆうよ それが現代の悪魔なのさ』『足音高く 破滅の山へ行進だ!!』(劇中オリジナルソング)
乱歩的な色合いの強い半透明の怪人「アラバスター」にも悲しみが滲んでる。
バイプレイヤーとして有名な「アセチレン・ランプ」とか。70年代東映の作品でもこういう人がいますね。
無意識の悪魔・『人間昆虫記』の十村十枝子。ヒッピー娘の「ばるぼら」や女吸血鬼の「I・L」なんてのも。
しかし一番空恐ろしいのは「奇子(あやこ)」か。
あらゆる悪を詰め込んだ『MW』に登場する美貌の犯罪者・結城美知夫。残念な映画化をされたもよう。
モグリのタクシードライバー「ミッドナイト」とか、フェイク俳優であり大泥棒の「七色いんこ」とか、アンチヒーローが多彩だ。まだまだいそうな気がする。
かように漫画の神様は、悪もたくさん作りたもうた。

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