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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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失恋王者・ゴルツィネ



吉田秋生『BANANA FISH』久々に読了。小学館文庫で番外編含む全12巻。
言わずと知れた名作。もし概要を知りたければググればよろしい。
とにかく伏線がすごい。貼って貼って見事に線が一本に繋がっている。
これは自分だけだと思うのだけど、ストーリーが練り上げられているので、再読するときはキレイに筋を忘れている。なので何回でも新鮮に楽しめるという不思議。まあ多分、単に頭が悪いのである。
カテゴリーとしては少女マンガだが、バイオレンスやガンファイト、ストリート・キッズたちの抗争など、実にハードボイルド。武器のディティールも細かい。きっと正確なのだろう。オレ知らんけど。
ただ女性が描いているので、マンハッタンの不良少年たちのルックスがちょっとダサい。っていうか、かわいすぎる。ツッコミを入れるとしたらそれくらい。
「アッシュ・リンクスと英二のピュアな友情の物語」というのが一般的な評価なのだろうけれど、正確には「アッシュと英二とディノ・ゴルツィネの三角関係の物語」。そして、いろいろな意味でアッシュに惹かれた男たちの物語でもある。
セクシャルな描写こそないが、ぶっちゃけこのムードは元祖BL。男女間の恋愛はほとんど出てこない。でも同性愛のエピソードはわんさか。
ゲイ映画の様相を呈していた松田優作IN『ヨコハマBJブルース』が近いかも。なんて書くと怒られるのか?

友情ということであれば、それぞれの地区に分布する少年グループたちがアッシュをキーとして、人種を超えて団結していく様が素晴らしい。「イフ・ザ・キッズ・アー・ユナイテッド!」である。
(裏テーマはこれなんじゃないかと勝手に思っています)
後半に登場する元KGBの殺し屋・ブランカの突き抜け方がクール。そうそう、このおじさん好きだ。
冷酷な傭兵たちの指揮官であり最大の敵・フォックス大佐の立ち位置もいい感じである。
艱難辛苦を乗り越え続けるアッシュはもちろんだが、その次にしんどい思いをしているのはゴルツィネであろう。
コルシカ・マフィアのボスとして君臨し、少年男娼だったアッシュに目をかけてあらゆる教育を施すが、まるで自分の思い通りにならない。常に噛まれてばかりでボロボロ。ずっと失恋状態が続いているオヤジの胸中はいかほどのものか。
しかしマンガ史に残る堂々としたワルっぷりである。

この作品の12巻目にあたる番外編「ANOTHER STORY」も良い。本編以降の後日談と、ショーターやブランカとの出会いが描かれる。
でも英ちゃんの棒高跳び選手時代のエピソードはかったるくて読んでない。ごめんね。
有名な話だがアッシュのモデルは、故リバー・フェニックスである。


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