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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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すうさい堂周辺の人々に「好きな漫画家は誰か?」とアンケートを取ったとしたら、一位になるのは恐らく藤子・F・不二雄先生である。
自分なんかはチャンピオンの最盛期に『魔太郎がくる!』『ブラック商会・変奇郎』なんかが好きだったのでA派なのだが、今読むとブラックユーモアの質が無邪気な気がする。『笑ウせえるすまん』あたりもそうだが、なんでもオチは「ドーン!」で解決だもんな。で、ラストのコマは黒枠ってのが定番。
変奇郎は魔太郎のようないじめられっ子キャラじゃないが、なんだかんだでトラブルに巻き込まれ、仮面とマントで再登場。トラブルの相手に「請求書」を叩きつける。
細かく見積もってあり(「雑費」まで!)決して支払えない額ではないのだが、なんでこんなわけわからん奴に払わなきゃならんの?ってことで皆さん拒否するのだが(そりゃそうですね)、そうなると例の「ドーン!」で成敗される。恐怖の経理課。

A氏に対し、F氏の短編におけるブラック度は、本当に黒い。
ドラえもんと同じように白を基調とする絵柄だが、実に黒い。異色短編集『幸運児』などにそれは顕著。
『オヤジ・ロック』で軽く皮肉を投げつけ、有名な『ミノタウロスの皿』を始め、筒井康隆や阿刀田高にもひけを取らないような,ブラックな作品も多数収録。
短編集なのでストーリーを紹介するような無粋なことはしないが、『自分会議』『じじぬき』『間引き』などは、死をテーマに扱っている。
不条理な『ヒョンヒョロ』、ヒーローの価値観を逆転させた『わが子、スーパーマン』。
『劇画・オバQ』はセルフパロディというには、ペーソス溢れすぎ。というか、かなりのタブー破りなんじゃないかこの掌編は。
夫婦間のドロドロを描いてゾッとさせられる『コロリころげた木の根っこ』。これに近い夫婦関係ってそこら中にあるんだろうなあと思う。収録作品中、最も過激なブラック度。
最後を飾るのは『やすらぎの宿』。これはどういう話なんだろうなあと読み進めていくと、ラスト3ページにおける、ブラックすぎるオチ!
もちろん絵は穏やかに白いが、ページは真っ黒に染まっている。

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