どうも自分で書いた文章ながらモヤモヤしてるなあと思っていた前回のブログなんですが、カルメン・マキさんが「法的手段」とか言い始めてる。しかもどうやら、キノコホテルさんではない相手に対して。
前回も実はやんわりとキノコさん擁護に回っているのだが、何がひっかかっていたのかが二つほどハッキリしてきた。
一つは両者のスピード感のズレ。カルメンさんは二年前にリリースされたカヴァー・アルバムを最近知って、挨拶のひとつもないのはマナー違反だという。
キノコさんはカヴァーを出した後、フルアルバムを一枚、ライブ会場限定のセルフカヴァーを一枚出していて(これ、アグレッシブで最高にカッコいい)どんどん次に進んでる。
例の「『面倒くさいからもうやらない』発言は礼儀知らずだ」という意見は認めるにしても、バンドとしては「なんで今更?」という感覚は拭えないと思う。それくらいサイクルが早い世界だろうし。
二年前のことを今蒸し返すというのは、現場モノとしてはいささかズレが発生しているんじゃないかなあ。
それが「カルメン・マキ」ブランドを守ることには繋がってないような?
リリース直後ならば、キノコさん側の反応もまた違ったんじゃないか?
あと、このパターンで相手が仮に「中森明菜」だとしたら、恐らく明菜さんはシカトしておしまい、だと思う。
ぶっちゃけ、キノコさんと明菜さんは同じ土俵にいないからである。今回話がこれだけもつれたのは、両者が意外と近いラインで活動しているからってことは否定できない。
もう一つは『ノイジー・ベイビー』は自分の曲である、というズレ。
もちろんそうだし、オリジナルには敬意を表する。曲を自分の色に染めたのはカルメンさんである。
しかし。『時には母のない子のように』ならば有名だし、あの曲とカルメンさんのボーカルは切っても切れないものだが、果たして『ノイジー・ベイビー』はどうか?
発売当初まったく売れず、ベスト盤が再発されちょっとだけマニアから注目されたが早々に廃盤。
しかし「いい曲を知らしめる」という目的でカヴァーした(蘇らせた)のがキノコさんなのであり、現在購入/認識されている大多数はキノコホテル・バージョンなのである。
若干悔しいかもだが、カルメンさんはこのことを認識したほうがいいと思う。それがベテランとしての余裕ではないか?
自分も「キノコがこの曲やってるわ~!」と少々盛り上がってカルメン・ベストを買い戻したし、実際、キノコホテル人気に乗ってリリースされた感もあるコンピレーション『東京ホステス仁義』(今年の四月発売)に、オリジナル版がめでたく収録されて流通し、聴くことができる。
キノコさんがやったことが巡り巡っての結果、なんじゃないかなあ。と、思うんだけど。
今年の紅白、カルメン・マキにオファーがありそうな気がする。自分が制作だったらオファーしてみるな、とりあえず今年の話題として。本人が出演するかどうかは別だけど。
そこで『ノイジー・ベイビー』歌ったら、最高にカッコいい。
で、バックがキノコホテルってのが美しい流れ(笑)。