先日はお店をチョットダケ早く閉めて、キノコホテル実演会に行って参りましたの@新宿ロフト。
ロフトといえばあーた、二十年以上前の西新宿にあった頃に時々通っては、スワンキーズやあぶらだこや赤痢やディップ・ザ・フラッグや割礼やウイラード(このバンドに関しては全く聴きかえしたくなる衝動が皆無という不思議)など、いまや伝説級のライブを体験することが出来ました。観たハコが記憶違いだったらごめんあさせ。
歌舞伎町に移転してからは、十年位前にTHE 5.6.7.8s(ゴロッパチ)を観て以来。
最近のバンドはどうも口に合わなくてと思っておりましたところ、今年のお正月から急にはまったのがキノコホテル。きっかけは動画サイトにおけるライブ映像。痺れまくりました。
昭和歌謡/GS的な音楽をやるバンドは山ほどおりますけれども、いわゆるガレージ・パンクとはかけはなれたエレガントさを持ち合わせており(コーラスワークがきれいetc)、なおかつ故・渋谷系的オサレさんに一発かますような下世話さもあり、メジャーで活動するバンドは違うわ、と。
かつてのミッシェルのような生き急ぎ感も伝わり、これは追いかけなければ、と。
何度も書きますが、いいバンドほど規制が多いものです。なんでもアリで楽しい!なんてのは単に音楽好きな人びとであって、それはロックンロール・バンドではございません。
その点キノコホテルはマリアンヌ東雲支配人による従業員への厳しい指導のもと、たくさんのルールがあります。アルバムタイトルに全部「マリアンヌの~」を付けるとか。
それにしても『マリアンヌの誘惑』『逆襲』『呪縛』の絶妙にハードになっていく流れは、最盛期のストラングラーズに近いものを感じます。
カヴァーのセンスも図抜けていて、平山美紀、カルメン・マキ、大原麗子、アーント・サリー、休みの国、マイナーGSのリンガースからゴジラ対へドラ、『山猫の唄』『謎の女B』といったカルト中のカルト歌謡まで。
椎名林檎との類似も指摘されているようですが、あちらはこんなに掘り下げてはくれません(だってフェイバリットがベンジーとニルヴァーナ・・・)。
さてライブ会場の客層はバラバラ。自分より年上であろう殿方も多い。
メイド風衣装の従業員とスケスケでハレンチな衣装を纏った支配人(本音を言えば揃いのミリタリーのワンピースで見たかった・・・・じゃなければ今回のツアーポスターのようなセーラー服でもよかったな!)。
ジュリエッタさんのブリブリベース、ファービーさんのパワードラム、ケメさんの「悪魔なファズ」ギターと、支配人のキーボード&女デーモンなボーカルが、うねりまくっておりました。そのグルーヴはインスト曲にもこってりと表れ、自分踊れないんで、じっくり聴いてしまいました。
「ルパン三世1stシリーズ」の素晴らしいスコアを作った山下穀雄のテイストをベースに、さらにパンキッシュに加速させた感じというか、たしかに今までありそうでなかった音楽だと思います。
「顔を蚊に刺されました~」とおっしゃっていたジュリ島従業員に強く萌え、でした。
そして昨日の重要なニュースとしては、「シーナ&ロケッツ」のシーナさん死去(61歳)。
普通年齢とともに(特に女性は)洗練されたり方向転換したりするものですが、シーナさんは最後までミニスカ&網タイツのビッチなファッションで貫いた。それだけでも偉大であります。
実際のところ「レモンティー」と数曲しか知らないですが、シナロケといえば「レモンティー」、日本における「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」みたいな超スタンダードを残しただけでもすごい。
最期は「ユー・メイ・ドリーム」を聴きながら逝ったそうで、しかも聖ヴァレンタイン・デイ。
不謹慎を覚悟で言えば「カッコよすぎ」。考えてみればシーナ&ロケッツも自分たちに厳しいルールを強いた、ブレないロックンロール・バンドでした。
↑本当はこっちがオリジナル。