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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ゲンスブール・links・根本敬



『ゲンスブールと女たち』などという映画を観ると、ロシア系ユダヤ人で、アルコールとニコチン中毒のセルジュ・ゲンスブールというおっさんは、大変おモテになったのだなあ、ということがわかる。
ヨレ者が発するフェロモンってのは確かにありますな。ロックだったら、イアン・デューリー(左半身不随)やジョニー・サンダース(ヘロイン漬け)なんかがそれかも知れない。
で、中古で『ゲンスブール・コンプリート』を集めているのである。もちろん500円以下で。全9枚。現在持ってないのはvol3と6。
キャリアも長いので、フレンチポップ・ジャズ・ラテン・レゲエなど様々な音楽をやっているのだが、ゲンさんのエロつぶやきボイスの前では、ぶっちゃけ、「みんなおんなじ」である。
そんな中で異彩を放つのが、『第四帝国の白日夢』(ROCK AROUND THE BUNKER)。1975年。

ナチス(第四帝国)がテーマである。ゲンスブールもユダヤ人なので、映画によると子供のころに「ユダヤの星」を付けさせられていたらしい。
ライフワークにもなりそうなテーマだが、ジャケットもふくめ、すんげーテキトーな内容である。
ユルユルのオールディーズ風ロックンロール大会。国内盤にはあの根本敬氏がイラストと文章を寄せている。うーん、わかっていらっしゃる。
『ナチ・ロック』なんて、映画で使われているバージョンを聴いたときはテンポも速くてキーも高くてえらいカッコいい曲だなと思ったのだが、これに収められているオリジナルを聴いてずっこけました。かなりずっこけました。即座に梅宮辰夫の『ダイナマイト・ロック』(全然ロックじゃない!)を連想した。
ヒトラーの愛人エヴァ・ブラウンに捧げた『エヴァ』、さらに彼女が好んだスタンダード『煙が目にしみる』のカヴァーを続けて収録するなど、念の入った嫌味である。
タイトル曲にしても「おぞましいナパーム弾/炎の舌が傷のような/深い断崖の上に張り出す/すべてが焦げ/すべてが震え/廃墟となって崩壊する」といったシリアスな歌詞なのだが、能天気な「ロッカランダ・バンカッ♪」の女性コーラスにより、すべて台無し!

オサレ方面には完全にシカトされている一枚であり、本人もふざけ半分で作ったのかも知れないが、結局のところ「でも、やるんだよ!」である。このレコードは当時もまるっきり売れなかったらしい。
ジェーン・バーキンとのエロエロデュエットを聴いたときもぶっとんだおっさんだなあと思ったもんだが、フランスの大スターでありながらも(ルックス的にも勝新太郎に似ていらっしゃる)、国家をレゲエにアレンジして大顰蹙を買ったり、精神的には非常にパンクな人だ。
ラフなんだけど、一挙手一投足が様になる。カッコいいってことはやっぱり重要だなあ。
(フランス語がまったくわからない日本人は訳詞を追いかけるしかできないのがちょっと辛いところだが)
根本さんの文章がやっぱりイイ感じに的を得ているので、ちょっと引用。

「バカバカしく下品で下らないマヌケな事もトコトン突きつめればある種の崇高さに辿り着かざるを得ない。
(中略)ナチズムだろうが南京大虐殺だろうがそういった人類負の遺産とされるものからハト時計やでんでん太鼓に至るまで本質とはそうゆう事だ、所謂、しゃれにならないものや事ほど実は最高のしゃれになり得る。」






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