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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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おおきなこえで、はっきりと



「ディーバ」って何だ?やたらでかい声で女子中学生が「ひみつノ-ト」に書くような詞を唱歌みたいに歌うことか?スーパーフライってのは「凄い蝿」って意味か?基本的に声のでかい奴は信用ならんのですが。
しっとりと、あえて言語不明瞭に歌う、というのも高等テクだと思うのだけど、明菜リタイヤ以来、その系統がほぼ消滅したように思う(才女・UAを除く)。
スーパースター・山口百恵もかなり押さえた歌唱をする人だったし、ピンクレディー・ケイちゃんのヤンキー系ハスキーボイスは今のJーPOP界において、もはや「シンガー」として、通用しない。
すっかりタレントとしてゆるぎない地位を得ている研ナオコさんですが、この人は本物の歌手/ディーバであります。
とにかくどのベスト盤でもいいから聴いてみればいい。ビビります。昔、ドリフのコントなんかのあいまに本業であるところの歌手として、「あばよ」「かもめはかもめ」等を披露していたが、子供にはわからなくってそのまま放置。最近やっと開眼しまして、この人の美しい声にはまっているという次第。
かの中島みゆき御大が多くの楽曲を提供しているのだが、女将さんが歌うとだいぶウェットになってしまうのに対し、非常にしっとりと聴かせるところが、数々の大ヒットを放った要因だと思う。
スーパー「ビッグ」アイドル・田原トシちゃんのミラクルボイスに引っ張られることなく(なっつっざっかり~♪)、堂々と歌いきっているのはさすがプロフェッショナル。
「窓ガラス」が一番好きかも。http://www.youtube.com/watch?v=HOdDetzLP0k

百恵ちゃんに楽曲提供していたのが阿木耀子&宇崎竜童の黄金コンビだったのだけど、竜童氏が在籍した「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」はやはり良い。個人的にはキャロルよりこっちの方が好き。
「カタカナ演歌」というキャッチフレーズも開き直っていてクールだが、実はド・ブルースバンドでもある。
http://www.youtube.com/watch?v=aoROQiSw0ZA&feature=related
ギターの和田氏は、数年早いブライアン・セッツァーである。
「スモーキン・ブギ」なんてモロにエルモア・ジェイムスだし。「探偵物語」ファンは最終回の優作が死ぬシーンに流れる、「身も心も」を聴いてむせび泣こう。
「資生堂メロディ」っていうカテゴリーがあるとしたら、「サクセス」なんかはその典型。数々のロッカバラードも名曲ぞろい。宇崎本人が最高傑作と言い切る「裏切者の旅」はやはり絶品。
宇崎竜童は日本でも指折りの名ボーカリストだと思う。基本的にあまり声を張らない、かつ高音も静かに歌い上げる。コンポーザーとしても演者としてもイケてるという、実に稀有な存在。
お二人は名盤ガイドからは外されがちな、日本音楽界の至宝。
そういえば「歌手としての」松田優作も、自分は大好物なのだった。

なんでこんな昭和のことをつらつら書いているのかというと、ファン○ーもん×ーべいびー▲なる若造の楽曲の、あまりのクオリティの低さに、さらにそれがバカ売れしているという事実に、ジェーポップのどんづまり感をひしひしと感じちゃったからなのね、すうさい堂のオヂサン的には。
「商人」はいても「職人」がいなくなりつつある、ということかも知れないが別にまーどーでもいいっつーか、ところで「トイレの神様」を「ウンコの神様」と間違えたらやはり怒られるのだろうか?

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我が雑誌遍歴



ひょんなところから雑誌「アックス」(青林工藝舎)を15冊入荷できたので、ワンコーナー設置。vol68~82。
改めて読んでみると先代の「ガロ」以上に濃いというか、まとめて読むにはかなりしんどい。これは毎月マメに購入し、ひと月かけてじっくり読むのが正しいと思う。一ヶ月楽しめる月刊誌ってのは今、なかなかございませんよ。
自分は文学にまったく影響を受けていない、完全に雑誌文化で育った口。子供の頃一番好きだったのは「少年チャンピオン」で、他紙に比べてもかなりアクが強かった。がきデカ、ブラックジャック、魔太郎、エコエコ、マカロニほうれん荘とか(←これが一番好きだったんだけど、今読むと面白くもなんともないんですよね・・・すうさい堂でも回転するので、若者の捉え方はまた違うのかも知れないが。鴨川つばめは「ドラ猫ロック」まで追いかけたんだけど、これも今読むとねえ・・・ははは。残酷なことに)。
「サンデー」「マガジン」は当時の連載としてはちょっと薄口のような気がして。むしろいい年になってから読んだ往年の名作郡は、腹にズドンと来た。
ジャンプに関しては「すすめパイレーツ」と「北斗の拳」の最初くらい。「東大一直線」ってのもあったか。その直後に鳥山明という大ヒットメーカーがブレイクするわけだが、「Drスランプ」がまったくダメだったので、当然「ドラゴンボール」には一ページも手をつけていない。

その次がB5サイズの80年代「宝島」。ミーハーで最先端でなおかつ下世話。「トンガリキッズ」になりたかった中坊。くわつはつはつはつ。
パンクの特集を初めて読んだのもこの雑誌で、RCサクセションはするっと行けたのに、クラッシュやジョニー・ロットンの佇まいにはビビッた。それはカッコいいと思ったってことなんだけど、この世界は自分みたいなヘタレが手を出すものではないと、実はかなり抵抗があった。
まあしかし、どんどん自閉的になるにつれ、日本のアングラパンク込みでしっかりはまり、レコードが増えるたびにヤバい世界に入り込んでいくような、高揚感と背徳感。モノをコレクトする時の隠微な快感を一番最初に覚えた。
カルトムービー/ライブハウス/ニューウェーブなマンガ郡。宝島レビューで蛭子能収のマンガをプッシュしていたので買ってみた。このエビスさんて人(ひるこのうしゅう、だと思ってた)、完全に狂ってると思った。ビビった。で、何回も読み返した。そのタイトルは『私は何も考えない』。
毎月掲載される「都市生活はこんなに楽しいぜトンガリキッズ!」と煽動する記事が大好きだったんだが、自分といえば完全にどんづまり高校生だった。お陰さまで馬鹿のくせに無駄な雑学はやたら覚えた。
っていうかさ、ガキの時分でこんなマニアックな趣味を共有できる友達なんてそうそういなかったんじゃないか?実は当時の少年少女宝島読者の三分の一くらいは、どんづまりキッズだったんじゃないかと、今になって思う。
宝島が仕掛けた、パンクスの大群が真夏の新宿アルタ前をジャックしたライブイベントにも行った(17才の俺)。好きよ、キャプテン!

お次が「ロッキング・オン」で、多分宝島があまりにも享楽的だったもんで、馬鹿なりにバランスを取ったんじゃないかと思う。とにかく投稿記事が暗い。もう、社会不適合者の自分がいかに音楽によって救われたか、という内容を鬱々と延々。で、まあ、当然はまりまして。でもディスクレビューの面白さは随一で、毎月隅から隅まで読んでましてね。ここでかなり屁理屈というか、物事を斜めに見ることを覚えた(宝島はほんとにストレートだったね)。
質の悪い紙を読者の呪いとトラウマで埋め尽くしていたかつての雑誌は、いまや大成功してメインストリームになった。
何事も生き残ることが重要なので、それはそれでいいと思う。マジでマジで。別にひがんでないんだからねっ。

あとはやっぱり青林堂の「ガロ」で、これでマンガに対する概念がひっくりかえってさらにサブカルにずるずると。「ドール」っていうパンク専門誌もあって、これでさらにアングラ音楽へずるずると(編集長の森脇さんが以前はうちのリピーターさんだったりする。この雑誌は本当に硬派だった)。
「フールズメイト」なるインディーズ/ニューウェーブ雑誌もちょこちょこと。こちらは基本的にお耽美だったので、今のビジュアル系専門誌になる流れも、分からなくはない。
そんで定番の「クイックジャパン」と。最近はお笑いプッシュ誌で、いま一番勢いのあるサブカルがお笑いってことになるのだろうか。しかしインタビューのディープさは変わっていないような気もする。繰り返すけど、生き残るのが大事。

考えてみればここ何年も読んでいる雑誌がない。
っていうか感性が一周して先祖がえりしているので、「大人っぽい」ことを言う気がまったくない。
ずっとピストルズとかスターリンとか言って死ぬんだ、俺は。もう馬鹿でいいです。

クソエイティブ&クソエイター



ダハハハハハ!!(と、吉田豪風に笑ってみる)
先ほどバウスシアターの女性スタッフさんがフライヤーを持ってきた。珍しく袋に入っているので何の映画かと思えば、『アーチー&シパック 世界ウンコ大戦争』。http://www.aanss.jp/
「ヒミズ」じゃなくってコレかーい。しかもウチを狙い撃ちってのがいいと思います。劇場はすぐ近くにあるのだが、さすがに「素」で持ってくるのは抵抗があったんだろうなあ。絶対ジャンケンで負けたでしょ?
『史上最もがんばる方向を間違えた”クソ映画”』、『全てハッピーで片付けるディズニーと、カッコ良すぎるジャパニメーションはクソくらえ!!』と、コピーもなかなかふるっている。
しかしミッキーマウスに浣腸しちゃまずいだろうと思うんだけど、この映画の完成に7年と3億5千万かけたという肝の据わった連中からすれば、「いーやー、ありゃー単なるネズミだー」と、平気ですっとぼけるのだろう。

韓国人監督が撮った『僕の彼女はサイボーグ』ってのを観たのだが、ショートボブの綾瀬はるかは最高にかわいいのだけれどもそれ以外はどうしようもなく陳腐で、ああなるほど韓流ってこういうものか、と一応納得したのですが、ソウルのアンダーグラウンドにもこんな怪作があったわけですね。どちらをクリエイティブと呼ぶかは個人の感性に委ねるところではありますが。
しかし粗筋を読んでもさっぱり内容が理解できないんだけど、これは映画を観に行くべきなのだろうか。「死ぬほどアホで、途方もなく下品、そして最高にハイクオリティ」ということなので、行ってみようかね、料金サービスデーの時にでも。ははは。

本当は下ネタってのは一番センスが要求されるものなのだ。かのダウンタウン然り。
酒飲む時の最高の潤滑油であり、そこにアートや哲学の話を振ってくる高尚なお方とは同席したくない。それってセンスないと思うし、だいたいそんなことはシラフの頭で考えろって。
そういえば自分の一番苦手な酒は「泡盛」という事実が最近判明。朝起きたら二日酔いで、何気にグレープフルーツジュース飲んだら気持ち悪くなって吐いた。とってもフルーティーなゲロでした。

いーーれーーてーーー♪



どーも、きゃろらいんちゃろんぷろっぷすうさいどうです。最近ちょこちょこと店を空けることが多くなっているので、どうしたもんかと考慮した上、ツイッターでその辺をお知らせすればよいのではないかと思い、また始めてみました。リンクしてあります。
あと目録作るのがやっぱりめんどくさい。超めんどくさい。その辺もつぶやいてしまえば楽かと。楽が一番かと。
しかし5人フォローしただけでえらいカオス状態になってるんだけど、そういうもんなの?これを皆さん見てるのか。そりゃー車内で本なんか読むヒマないわ。
しかし「これから寝るなう」みたいな使い方はよくわからんね。とっとと寝ろよ。
ものすごく巨大な違和感を感じつつもよろしくどうぞです。
あと、むさしのFMのサイトに取り上げられました。

http://www.musashino-fm.co.jp/photo-libraly-782/
ヂル会長がかわいすぎてキレそうです(きゃりー語)。

今朝地震があった。
「4年以内に70%」と言われても例によってタブロイドが煽動してる眉唾ものって話だし、結局、来るときは来るし、来ないときは来ない。
逃げたところで来なきゃ逃げ損。だったらその日まで、フツーにしているべきでないか。
日本全部の運命を左右する重大な数学だな。頭のいい人がんばって計算してください。
なにしろ自分は「さんすう」がまるっきりダメなので、そういう風にしか考えられない。
いまだに「二等辺三角形」の意味がわかんないんだから。マジでバカだろ?

アナーキーインザ遊郭



もりもと崇『難波鉦異本』(全3巻/エンターブレイン)読了。
「大坂」の遊郭が舞台のエロチック人情コメディ。新しいジャンルだと思う。
女郎さんにも位があって、最高位が「太夫」、次に「天神」となるのだが、このお話の主人公は天神であるところの「和泉」アネサン。さらに語り部として「かむろ(変換不可)」の、ささらが登場。
かむろとは幼い頃に遊郭に売られ、女郎のお付きをしながらお座敷芸を仕込まれ、いずれ女としての年齢に達すると「商品として」扱われるという、ジャニーズのような運命を背負った女子児童。
今ならとんでもない話だが、当時は普通のことだったわけで、もちろん年季が明けるまで娑婆に出ることは許されない。
悲惨といえばそうなんだけど、ここに登場する和泉やささらは「それはそれ」として、アナーキーにパワフルに生きている。遊女たちのマネージャーであるところの「遺り手婆あ」や客たちとの「経済感覚」や「情」の関係性も面白い。井原西鶴なんか、シンプルに単なるスケベじじいとして描かれている。
確かにお女郎さんたちは事情により体を売らなければならない身の上なのだが、太夫や天神くらいになると、いまの風俗のように「エリカちゃんお願い!」みたいな感じにさくさくはいかず、少なくとも3回は顔見せをし(しかも女郎は上座に座り、立てひざで客を見下ろしている)、遣り手と相談したのち、オーケーが出ればいよいよコトがいたせる、というまどろっこしいシステムだったらしい。
彼女らの相手としてふさわしいかどうかと、客たちは品位や教養を見られるのであって、そういった意味では高級遊女たちの方が人間として格が上、ということになるのだろうか。
かなりえげつないエロ描写があるこの作品だが、なんとめでたく手塚治虫文化賞新生賞を受賞。

客が「一物」を「忘れて」帰ったり、売掛金の踏み倒し代取立てのために和泉が遊郭で篭城するなんてぶっ飛んだ回もあるが、この作品の裏テーマは「ハンパな好意はひとを傷つける」で、「それをやってしまうのは一番残酷なことだ」と、繰り返し訴えているような気がする。
最高位まで上り詰めても堕ちるときはあっという間、資本はからだひとつであり生きてここから出るにはカネにも汚くなくてはならない、というクールな認識を持つ和泉は、同情や淡い恋心をすべてぶった切る。
「年季明けまで待たせるつもりやったんか?」と。

「カゴかき風情が天神女郎を抱けると本気でお思いか?」
「だいたいハダカ一貫て遊女(クロート)くどく文句やないで。カンちがいすんなや」
「男でカネないとなァ」「便所のウンコ以下やど」などのセリフがビシビシ決まる天神・和泉は今の風俗嬢も見習うべき姿とちゃいますやろか。
そうじゃない子は堕ちていく可能性が高いし、いつまでたっても「年季が明けない」。
遊ぶ方も金がとりもつ縁、ってことをちゃんと認識しないと。自分の稼ぎはどう使おうと自由だけど、「楽しかった時間」ってのはキチンと「等価交換」されてるんだな。資本主義社会だから。
手にとって触れられてもあの方たちは水面に映った月。実体がない部分で楽しませているんだから。
それがプロってことで、遊郭からイメクラに時代が変わっても、本質はまったく同じだと思う。
孤独は癒してくれるかも知れないが、絶対に救ってはくれない。いちいちそんなことをしていたらあの世界に居られるわけがないんだから。
嬢たちも傷ついてる人が多いと聞くし、それはもう男どもが返す刀でやられても仕方がないって話ではあるが。
ただ、傷は「勲章」だと思う。

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性別:
男性
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古本すうさい堂
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