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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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鬼畜・地獄変



ここのところすうさい堂まわりでは顔をあわせると、「村崎百郎が殺された」という話題が出る。「ここいらへん」では超メジャーな人のようである。
まず思ったのが「似合いすぎる・・・」ってこと。報道では「作家」。え、作家だったのかこの人?
多分これから「いま超話題の作家」の本として彼の著作『鬼畜のススメ』『電波系』が並んだりするのだろうが、普通の人がこれを手に取ったらその狂い果てた内容に愕然とするのではないか。
唐沢俊一との社会時評(漫才)『社会派くんがゆく』の悪意に対して真面目に怒り出す人もいそう。事件被害者なのに不買運動がおこったりして。
自分はやっぱりこれらの書物も読んでいるのだが、『社会派』では実にまっとうなモラリスト的な発言もたくさんしているし(ただそのあとに「俺みたいな鬼畜から言わせれば~」と、必ずまぜっかえしている)、先の2冊のとある文章では不覚にも涙が出そうになった。
昔から言われているように、素顔はまともな常識人であったようである。だけど。
事件後、ツイッターで発言している人がたくさんいたが、かなりの割合で「実はいい人だった」「常識人だった」と、故人を偲んでいるのだが、彼が生涯通してトッポく貫いてきた「鬼畜」という仮面をあっさりと剥がされてしまって、それもちょっとかわいそうな気がする。

いまだに加害者が何に「騙された」のかよくわからんが、心神喪失の可能性もあり、警察の担当者が村崎百郎という「作家」の本を読んで、呆れ返ることは間違いない。
裁判官の心証もある。心に浮かぶ言葉は多分、自業自得。
そうなるとかなり軽い刑が適用されるような気がするんだが、どうなんでしょう。
真面目な話をすると、ある過激な表現者の生命の「軽量」をはかることになるのだ。
アングラの片隅でひっそりと偏愛されてきた彼の文章がこの事件によって突如メジャー化し、今週あたりテレビ等で「識者」の眉を曇らせたりするんじゃないかと思うが、「鬼畜の村崎百郎」としては地獄で高笑いしているんじゃなかろうか。

実際はこの人、ペヨトル工房の編集者で、「中卒の工員」というのは作ったキャラらしい。読書量とか半端じゃないなと思ったもの。精神疾患は本当にあったのかも知れないが。
相方の唐沢俊一が日記で「最良の文化人」「情の深い男」と書いているが、これからマスコミのバッシングを受けるのは確実なので多少保身に走るのは分かるけど、ちょっと言いすぎなんじゃないか。
紫の頭巾から片目だけ出して、ゴミ漁りは最高だのアナルセックスだの熟女でオナニーだのキチガイ電波だのとうたい、猟奇犯罪を礼賛しているんだから、普通に考えてもヤバイ人でしょう。
ただ、そんなノイズの中から時折聞こえてくるヒューマニズムには実に説得力があった。中谷某が徹頭徹尾薄っぺらいのとは大違いである。
最後に「サブカル界のジョン・レノン」とひねり出したのは、彼に対する敬意だと思う(世間的には怒られそうだが)。
というわけで追悼はしないぜええええええええ。鬼畜が一匹死んだだけだからな~!!(村崎風で〆)

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ボクサー地獄編

猛暑です。しかし自分の生活は風呂なしであります。
酔っ払って寝ちゃうとその日は風呂抜きになるので、銭湯が営業中に行かねばならない。御代は450円。
といった煩わしさもあるのだが、時々誰もいなくて丸ごと「貸切」になることがあり、これはユニットバスでシャワー浴びてるだけでは得られない醍醐味で、つまり物事はすべてトントンなんである。
(浴槽の淵に座ってパシャパシャ「足湯」にしてる虫君たちを見かけるが、出来ればそのまま溺死してください)
地元の中学校は坊主頭、しかも指から毛が出たら校則違反、上履きには名前を明記、その字が薄かったら校則違反etcというがんじがらめで育ったので、「自由と拘束」に関して死ぬほど考えた。感謝しますぜイエイイエイイエイ。
自由とゆとりの中で育てばそのどっちについても、あるいは不自由ということについても考えるわけがないんで、某エスカレーター式私立校の生徒ちゃんたちには「何もかも持っている故の何もなさ」を感じる。多分それは偏見じゃない。

『あしたのジョー』を久々に通して読んでみる。矢吹丈は拘束された上での爆発力をパワーとしている。
強敵にはもちろん全身全霊でぶつかっていくが、格下の相手に対してもきっちりぶっこわしにかかる。リングで嘔吐したり、草拳闘のどさまわりまで身を落としたりと、しっかりアンチ・ヒーローでござる。
ラストのホセ・メンドーサ戦におけるボロボロのパンチドランカー状態になりながらも立ち上がり、しかも薄笑いを浮かべたジョーの顔のアップは、漫画における恐怖描写としても最上級のものではないか。
それは王者ホセの精神を混乱に陥れ、反則を連打させるほどのものであったのだ。
ちなみに丹下段平の絶叫で有名な「立つんだジョォ~!!」は、原作では彼のセリフではない。
彼はホセ戦においては終始勘違いしたり、試合を放棄させる方向の行動を繰り返している。ファイトを続けるように激励したのは白木葉子。それを言い放ったのは、単なるいち観客である。
で、今回入手した揃いの全16巻は、最後の最後、真っ白になったジョーのラストシーンのページが切り取られている。
気持ちは分かるんだが。どこかで最終巻を手に入れないと売り物にならないのであった。

お尻ふりふりフリージャズ

古川日出男の新作にも鳴海璃子さんの推薦文が踊っていたりして、すっかり彼女はそっち方面のブランドになったらしい。
例のテレビで、「はっぴいえんど」好き女子ってのはそれでもちらほらいたりするんだが、日本のロックレジェンドでもっとも高名かつ分かりにくい「村八分」まで押してましたからね。
さらに古谷実『シガテラ』が好き、なんて言われた日にゃ、ニッポンそれ系男子は「うおおおおお!!」となりますわな。
サブカル女子としてはかなり上限、いっぱいいっぱいでしょう。
しかしながら基本的にサブカル女子はモテているはずだ、と思う。なんてったって絶対数が少ないから。
ここで勘違いしてはいけないのは、彼女らは決してキモイ男が好きなわけではなく、「イケメンが気持ち悪いこと/狂ったことをしているのが好き」なのだ、ということです。
かまってちゃん・オシリペンペンズ・大森南朋、古くは大槻ケンヂ、大人なら町田康に板尾創路とか。な?
これはオスどもにも言えることで、鳥居みゆきが一時期爆発的人気だったのもまったく同じ構造なわけで、別に糾弾されるようなことではないのだ。
というわけですうさい堂さんとかはスルーされるのだが、ここでがんばってほしいのがご近所の天才、かつ東日本のグズグズキモメン代表・『日本ミュージック』のサンデイまさかり師匠である。
政治家はなにを変えてくれるのか知らんが、こいつに女子が群がるようになったら日本の風景が変わる。と思う。えーと多分。いや、わかんないすけど。・・・・男は自分の発言に責任持っちゃいけねえよ。
で、『日本(にほん○ にっぽん×)ミュージック』の無料デモCDRが好評につき完パケなのだが、次はいつ持ってくんのかね?

拝啓ならずもの様

『ストーンズ・イン・エグザイル』。
勘違いしてはいけないのは、ミックがエグザイルに新メンバーとして加入したわけではなく、72年に発表された『エグザイル・オン・メインストリート』というアルバムのドキュメント映画ということ。
初日にバウスで鑑賞して参りました。

バンドは絶好調。ミック・キースはもちろん、チャーリー・ワッツのクールな存在感にも注目したい。
ストーンズというとすぐに「やつらのロックンロールな生き様が」とか言われ勝ちだけど、めんどくさい論議である。実際に生粋のロッカーはキースだけで、チャ-リーはジャズの方が好きだし、ミックはビジネスマンで俗物だし(そこがいいんじゃない!)、ビル・ワイマンなんか輪をかけて俗物だ。
(ゴダールが「悪魔を憐れむ歌」の製作過程を撮った映画があるけど、その中でもビルは自分のパートであるベースをキースに取られても、平気でマラカスなんか振って、「フッフー」とかやってた。仕事に対するこだわりはあんまりないようです)

そんな人たちが出す音やパフォーマンスはロックンロールとしか言いようがないもので、それだけが重要。キースの真似しようったって出来るわけないんだから。彼らのタフさは見習うべきだが。そして多分最後の名作が、『メインストリートのならず者』。
南フランスの地下室で録音された二枚組は、ベストを聴いたから次これいってみよう!のノリで聴くとついていけないであろうと思われる、ディープで混沌とした作品。そして、クスリ臭い。ジャケも見世物小屋の芸人やフリークスの写真を使っている。
「ハッピー」「ダイスをころがせ」のような有名曲より「シェイク・ユア・ヒップ」「カジノ・ブギー」「ヴェンチレイター・ブルース」のようなドロドロナンバーが真骨頂だと思う。

各種のアルコールやドラッグをキメて、おセックス様(ジョージ秋山風)をして、セッションを重ねても、彼らにとってはそれが日常で仕事。
「生活の糧」のバリエーションのひとつであり、それでおまんまを食ったりおまんこ(おセックス様)をしたりしているという点では同じこと。
てことはネクタイ締めて文字盤を叩いたり、制服着てレジを叩いたりしている我々も全員「ロッカー」であるという自覚を持つべきである。今すごくいいこと言った。

若者は鬼畜好き

うちだけの話だとは思うんですが、いまだにデータハウスの『危ない1号』関連の書籍は人気がある。「鬼畜系ブーム」からもう15年くらい経つというのに。
ユースカルチャーの需要として、何年経ってもきわどいものが求められているということなのであろう。
いまはネットを開けばグロ画像はゴロゴロしていて誰でも閲覧できるが、そういったものを書籍化してみせた当時の出版物としては衝撃的だったのだ。
編集のA氏が自殺したりY氏がほとんど廃人になったりと、ノンフィクションとしても業が深い。
まあ、世の中美しいものだけで出来上がってるわけじゃないからな。
ドラッグってやつも精神と肉体を蝕むという意味ではもちろん悪なのだが、「ドラッグがある世界」と「ない世界」はどちらが豊穣かというと、これはもう前者なのだ。
キース・リチャーズやジョニー・サンダースの危険な美しさは、やっぱり「ロックンロール・マナーとしてのドラッグ嗜好」に起因するのだ。
それはもー、ジャンキーどものどうしょうもなさがある意味、ロッカーとしての誠実さというかリアルだったりするんで、良し悪しの問題ではないのだ。
「薬物天国」の南米と、「薬物犯罪は死刑なのだ」ということで日本人も吊るされた中国、どちらに住みたいか?と問われても「んーと、ダークゾーンの日本でいいです」と答える自分は、煙草も吸わないスーパークリーンです。

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