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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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ジョニサンって言うな!



新宿シネマカリテにて『LOOKING FOR JHONNY~ジョニー・サンダースの軌跡』鑑賞。
13日の水曜日。別になんでもない日。つうか、料金サービスデイ。
コメントを見るとロック侍さんたちが「生き様がロックンロール!」「最高にカッコいい!」と熱いのだけど、自分に言わせればハートブレイカーズ名義の『L.A.M.F』という最高にカッコいいロックンロールの名盤を作ったひと、という感じ。
さらに彼はキャリアの最初の方でニューヨーク・ドールズの二枚、ハートブレイカーズ、ソロの『SO ALONE』と、名作を早々に産み出しているので、「こんだけもってりゃマスト、それ以降はよっぽど好きじゃないと」の、代表選手。
別格なのはやはり『L.A.M.F』。ちなみにこのタイトルは「ライク・ア・マザー・ファッカー」の略。
極めてベタなロックンロールなのだが、キャリアのあるド不良バンドマンがパンクの波に乗って作り上げた最強の名盤である。
いわゆるパンクのように直線的ではなく、オールディーズ的な甘さとうねりがあり、ボーカルが二人いるけどどちらもうまいわけじゃない、ってのもミソ。
宇宙人に推薦するロックンロール・アルバムを一枚選ぶとしたら、チャック・ベリーでもなくエルヴィスでもなく、これを推薦する。
またバンドのルックスがクールなんだ。モデルみたいなウォルター・ルー、ドールズからの朋友ドラマー、ジェリー・ノーラン、ほとんど動かないベースのビリー・ラス(ヒスパニック入ってるっぽい)、ジョニーは言うに及ばず。
イギリスのパンク小僧にとってジョニーはヒーローであり、彼に「お前は男だろ?」とヘロインを勧められると、ほとんどの者は断りきれなかったらしい(と、『プリーズ・キル・ミー』というパンクの伝記本に書いてあった)。

常にドラッグを持ち歩いては周りの者に勧めてヘロヘロにしていく、歩く薬物汚染。
本人もデビュー以来ほぼ尽きることなく薬物依存が続き、当然ながらDV男に成り果て、妻も子も失うことになる。
安らぎが欲しくて家族を作っても、結局ロックとドラッグの世界に舞い戻ってしまう。まるで金子正次の『竜二』じゃん、と思った。
ニューオリンズで死亡。もちろんクスリが原因。享年38才。
ジョニーの姉は「盛られて殺された」と主張する。
しかしニューヨーク・ドールズのメンバーだったシルヴェイン・シルヴェイン曰く、「いや、あれはきっと奴が死ぬ時だった」。

結局のところ、「最悪のジャンキー」というイメージと裏腹である繊細なボーカルと、誰かが言っていたような「ぶっこんでくるギター」があれば、それでいいのである。
パンク時代のミュージシャンもNWの波に乗って、生き残る者は生き残った。
でも、ルーツ志向のジョニー・サンダースにはそれが出来ずに、弾き語りをやったり、デモやライブを乱発したりして、そんな不器用なところもまた、ねえ。
帰りしな、映画のポスターを買って帰った。結局好きなんだ。

「臆病者のヤク中」という点では田代まさしと変わらないのだけど、決定的に違うところは、思わずお持ち帰りして壁に貼ってしまう、キュンとするルックス。





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