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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

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悲しきオージー・パンク



ザ・セインツ。ひそかに愛するバンドである。77年にデビューしたオーストラリアのパンクバンド。
ファーストアルバムのジャケを見ればご覧のとおり、非常に地味。小太り(ボーカル)、若ハゲ、フリーター、ムッシュかまやつ?
そんな彼らなのだがピストルズ、ラモーンズと同時期に活動を始めていたらしい。てことは、クラッシュやダムドですら、彼らより後発組ということになる。
ファースト『I'm stranded』における完成度。スカスカだったクラッシュ、実はダルいのも入ってるダムドのファーストと比べても、文句のつけようのない激烈なパンクロックの金字塔。多分、今の人が聴いたらストラングラーズあたりよりすんなり入っていけるんじゃないかと思う。
ちょっと泣いてるようなボーカルもいい。いじめられっ子がパンクバンドにいるようなナイーブな風情。
(案外、本当にいじめられっ子の小太りくんにボーカルをやらせてみたら意外とイケるんで、そのまま据えられてしまったのかも)
泣きメロのパンク・バラッドもいい感じである。
セカンド『ETERNALLY YOURS』はホーンを入れたりフォークロック調の曲もあったりして、音楽性を広げた名盤。ただしそんなに広げすぎてないのがいい感じ。ダムドの『マシンガン・エチケット』もギリギリで音楽性を広げていないので、長きに渡りパンクファンに愛されているのである。
彼らも国内で人気が出たのでイギリスに遠征するのだが、この地味なルックスが災いしてもうひとつ受けなかったようで、そのまま知名度もイマイチなマニアックな存在になってしまった。が、ナイーブさを内包したパンクとしては、バズコックスと並んでオリジネーターだと思う。
B級パンクを漁ってる最中のあなた、「ザ・ドローンズ」とどっちを買おうか迷っていたら悪いことは言わない、「ザ・セインツ」にしなさい。私が保障する。
この文章の固有名詞、パンクを知らないとまったく意味不明だと思うが、別に結構だ。

PUNKSの和訳としては、「シャバ憎」が一番近いんじゃないか?なんて思ったりする。
ハードコアやサイコビリーはマッチョでおっかないし、モッズやガレージパンクの人は心底お洒落さんだったりする。
世の中を舐めた態度を気取ってみても、ちょっと恫喝されると「すんませんすんません」と謝っちゃうような芯の弱さ。それが実は一番カッコいい(?)パンクの本質。
まあ、あんまりきれいに生きようとしない事だ(一人でいっぱいいっぱいになって大混乱を引き起こしてたストラマー兄貴なんて、やっぱり魅力的ですもんね)。
だから素朴な青年団・セインツの爆音が最高なのもパンクならではの逆転劇なのだ。メタルやハードロックの「スターな音」とは全然違うんだけれども。
「すうさい堂」なんて看板を出してるけど自分なんかもう典型的なシャバ憎。それがなきゃ、シャバくてシャバくてウルトラ小心者ですわ。
だから多分、パンクが琴線に触れる。
ブルーハーツの「優しいから好きなんだ」という歌詞が最近になってようやく分かってきた。「吐き気がするだろ/みんな嫌いだろ」って出だしもいい。





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