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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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マリアンヌの下僕



キノコホテル熱が高じて、先日は『キノコホテルな夜~マリアンヌの下僕』なる遊戯会をやってきまして、相変わらず動員はしょっぱすぎですがいいんですいいんです。最近はマリアンヌ東雲、などと呼び捨てにすることがおこがましく、「マリアンヌ様」あるいは「支配人」と呼んでいる、正しき胞子です。
突然の先祖がえり&完璧なコスプレという点で、キノコはキャロルに近いと思う。
で、キノコの楽曲を「昔の歌謡曲と同じ」などという人は、ザ・ジャムが登場したときに「ザ・フーと同じじゃん」とせせら笑ったプレスの感性と同類である。
それわともかく、我ながら素晴らしいと思ったDJリスト。

BATMAN THEME/Neil Hefti
THE LAST RACE/Jack Nitzsche(DEATH PROOF opening)
業火/キノコホテル
NO MORE HEROES/The stranglers
PENETRATION/Iggy&the Stooges
I HAD TOO MUCH TOO DREAM/The Electric Prunes
ROCK LOBSTER/B-52's
モデル/ヒカシュー
女を忘れろ/巻上公一
東京は私生児/カルメン・マキ
えんがちょ/秋吉久美子
荒野へ/キノコホテル
クールな恋/ゴールデン・カップス
真夜中のエンジェル・ベイビー/近田春夫&ハルヲフォン
CHICK HABIT/April March(DEATH PLOOF ending)
キノコホテル唱歌(追憶version)/キノコホテル

いじょう。単に記したかっただけ。多分二回目は無い。

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ちょう映画批評四題



先週は暇さのあまり店を開けつつ新作のDVDを四本も観ていたというゆとり企業のすうさい堂。
まず、ある意味目玉である『ルパン三世』。
最初から期待してない。というか別の期待はちょっとしていたのだけど、トンデモ映画なわけでもなく、単につまんない作品。久々に早送りしまくり。
何が嫌だって、この作品をアジアでも売りまくろうとしている魂胆。日本人には全然馴染みのない向こうの俳優がルパン一家と同等に絡むのである。
ビッとした悪役も出てこないし、派手なのになんでこうテンポが悪いのか。ひょっとして自分がハリウッドの健全なアクション映画をまったく観ないからそう感じるのか?
この作品のベストキャストは黒木メイサの峰不二子。モンキー・パンチの原作を読んでみればよろしい。
顔なんかそっくりだから。胸も盛ってがんばっていたよ。

『喰女ークイメ』。
三池崇史監督による四谷怪談のリメイク。現在と江戸時代が交錯するスタイル。
エグイですな。特に柴咲コウが自分で胎児を掻き出すシーン。
エビゾウ(=イエモン)はクズ野郎なのでやっぱりヒドイ目にあう。
オリジナルの叙情性をすべて削ぎ落としたスーパードライな仕上がり。
最初は三池監督にルパン実写版のオファーが来ていた気がする。劇場公開も同じくらいだから、あれをやめてこちらを取ったんでしょうな。正解。

『地獄でなぜ悪い』
ヤクザの組同士の出入りをひょんなことから映画狂のバカが撮影/監督することになるというイカれた作品。ぶっとんだ設定とコントのような血糊の量に乗れれば楽しめる。監督・・園子温。

『ゾンビ』
言わずと知れたジョージ・A・ロメロの名作。「発掘良品」のコーナーにリニューアルして置いてあった。世間もさすがに認めたもよう。これはホラーではなくホラー・アクション。
改めて観て思ったのは、ドラマとバイオレンスとギャグのバランスが抜群に上手いということ。
ゲテモノじゃないとは言わないが、一級品の映画である。
舞台をスーパーマーケットにした点も上手いよなあ!!!!(と、こんくらい感心した)と思う。
それにしても顔を青白く塗って、ちょいちょいコスプレを盛り込んだだけで「ゾンビ」なるモンスターを作り上げた手腕。むしろこれくらいシンプルなほうが凄みがある。
ノロノロ歩きで力も無いが、集団に捕まればホルモン各部をレアで喰われてしまうという緊張感。アスリートのフォームで全力疾走するスポーティーなゾンビは別物と考えます。
荒くれ者のバイカー集団(自分たちの暴力的パワーを過信した者)がゾンビたちの逆襲によりズタボロに殺される展開も小気味いい。何かメッセージを込めたのかも知れないが、そういうことは無粋だから考えない。
ゾンビと対自できる存在は、バイカーやパンクス(「バタリアン」)みたいなラジカルな連中。フルチの「サンゲリア」なんかにもうひとつメリハリがないのは、それが出てこないからだな。
そして「ヘリボーイ」の役に立たなさっぷり!最高!!
何十回も観てるのだが、ゴブリンによるサントラCDを買っちゃったのでまた再見。
意外とホラー的なドロドロした要素がなく、勇ましいナンバーが多いし、牧歌的なトラックも入っている。
なるほど、この作品にピッタリのスコアである。



↑なんかもう異常に盛り上がるナレーション。

キノコホテル満員御礼



先日はお店をチョットダケ早く閉めて、キノコホテル実演会に行って参りましたの@新宿ロフト。
ロフトといえばあーた、二十年以上前の西新宿にあった頃に時々通っては、スワンキーズやあぶらだこや赤痢やディップ・ザ・フラッグや割礼やウイラード(このバンドに関しては全く聴きかえしたくなる衝動が皆無という不思議)など、いまや伝説級のライブを体験することが出来ました。観たハコが記憶違いだったらごめんあさせ。
歌舞伎町に移転してからは、十年位前にTHE 5.6.7.8s(ゴロッパチ)を観て以来。
最近のバンドはどうも口に合わなくてと思っておりましたところ、今年のお正月から急にはまったのがキノコホテル。きっかけは動画サイトにおけるライブ映像。痺れまくりました。
昭和歌謡/GS的な音楽をやるバンドは山ほどおりますけれども、いわゆるガレージ・パンクとはかけはなれたエレガントさを持ち合わせており(コーラスワークがきれいetc)、なおかつ故・渋谷系的オサレさんに一発かますような下世話さもあり、メジャーで活動するバンドは違うわ、と。
かつてのミッシェルのような生き急ぎ感も伝わり、これは追いかけなければ、と。
何度も書きますが、いいバンドほど規制が多いものです。なんでもアリで楽しい!なんてのは単に音楽好きな人びとであって、それはロックンロール・バンドではございません。
その点キノコホテルはマリアンヌ東雲支配人による従業員への厳しい指導のもと、たくさんのルールがあります。アルバムタイトルに全部「マリアンヌの~」を付けるとか。
それにしても『マリアンヌの誘惑』『逆襲』『呪縛』の絶妙にハードになっていく流れは、最盛期のストラングラーズに近いものを感じます。
カヴァーのセンスも図抜けていて、平山美紀、カルメン・マキ、大原麗子、アーント・サリー、休みの国、マイナーGSのリンガースからゴジラ対へドラ、『山猫の唄』『謎の女B』といったカルト中のカルト歌謡まで。
椎名林檎との類似も指摘されているようですが、あちらはこんなに掘り下げてはくれません(だってフェイバリットがベンジーとニルヴァーナ・・・)。

さてライブ会場の客層はバラバラ。自分より年上であろう殿方も多い。
メイド風衣装の従業員とスケスケでハレンチな衣装を纏った支配人(本音を言えば揃いのミリタリーのワンピースで見たかった・・・・じゃなければ今回のツアーポスターのようなセーラー服でもよかったな!)。
ジュリエッタさんのブリブリベース、ファービーさんのパワードラム、ケメさんの「悪魔なファズ」ギターと、支配人のキーボード&女デーモンなボーカルが、うねりまくっておりました。そのグルーヴはインスト曲にもこってりと表れ、自分踊れないんで、じっくり聴いてしまいました。
「ルパン三世1stシリーズ」の素晴らしいスコアを作った山下穀雄のテイストをベースに、さらにパンキッシュに加速させた感じというか、たしかに今までありそうでなかった音楽だと思います。
「顔を蚊に刺されました~」とおっしゃっていたジュリ島従業員に強く萌え、でした。

そして昨日の重要なニュースとしては、「シーナ&ロケッツ」のシーナさん死去(61歳)。
普通年齢とともに(特に女性は)洗練されたり方向転換したりするものですが、シーナさんは最後までミニスカ&網タイツのビッチなファッションで貫いた。それだけでも偉大であります。
実際のところ「レモンティー」と数曲しか知らないですが、シナロケといえば「レモンティー」、日本における「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」みたいな超スタンダードを残しただけでもすごい。
最期は「ユー・メイ・ドリーム」を聴きながら逝ったそうで、しかも聖ヴァレンタイン・デイ。
不謹慎を覚悟で言えば「カッコよすぎ」。考えてみればシーナ&ロケッツも自分たちに厳しいルールを強いた、ブレないロックンロール・バンドでした。







↑本当はこっちがオリジナル。

カッコーの巣の上の少年少女



望月ミネタロウ『東京怪童』(全3巻/講談社)読了。
脳に疾患を持つ子供たちを専門に治療している病院が舞台。
主人公の「ハシ」は思ったことをすべて口に出してしまう。相手かまわずに本心の罵詈雑言を浴びせるので、しょっちゅうボコボコにされている。
あなたもわたしも「本音を隠す」という機能が搭載されているから平穏に暮らせるが、それがなければ街中が毎日バイオレンスである。
「花」はTPO関係なしにいきなりオーガズムが襲ってくるという症状。
「マリ」は自分以外の人間を認識できないため、たったひとりの世界の住人。
「英雄」は痛覚神経がない無痛症。ゆえに自分をスーパーマンだと思っている。
自分の喋ったことを端から忘れてしまう重度の「健忘症」のため、常にメモを取り続けている少年もいる。しかし、そのメモすら彼には何のことだかわからない。
病院の警備員かと思われていた「二本木」は、マンガの主人公に自分を重ね合わせているだけの患者だった。
彼らの治療をしているドクターの一人「玉木」は自分らしく生きようと仕事と家族を捨て、女装趣味を生かせるおかまバーで働く。
なかなか際どいテーマだけどこれは名作。途中でハシの創作として挿入される、空飛ぶペンギンのエピソードもよい。
ラスト、ハシは自分の症状を取り除くため脳手術を受けるが、失敗したら死ぬかもしれないという危険なもの。つまり本音を捨て嘘がつけるような「正常な」人間にするための賭け。
この辺の流れはちょっと感動するので手にとって読んで頂きたい。そして花の「どんなに最悪だと自分の事を思っても/私は『まし』ってこと」の言葉が刺さる。
何の解決方法も見出せない状況でも「まだマシ」と思えれば、人間ってナントカやっていけるのかも知れない。

で、ジャック・ニコルソン主演の映画『カッコーの巣の上で』(75年)を思い出したのだけど、これは逮捕されたニコルソンが「ムショよりはマシ」ということで、詐病を使い精神病院に入院する物語。
彼は別に精神疾患があるわけじゃないから常に元気であり、患者たちを外に連れ出していろいろなことを教える「ワルい兄貴」。が、患者たちはどんどん生き生きしてくる。
結果的にニコルソンには悲劇の結末が待ち受けていて、まともに服役していればこんなことには・・・なのだけど、兄貴はきっと、どうしても逃げたかったんである。
逃げるを「自由」に置き換えてもいいのだけど、これを続けるのも案外しんどい。責任逃れと映っても、理屈はうまいこと言えないが、理由はあるのです。
この靴カッコいいと思って買って、いざ履いてみたら意外と重くて歩きづらかったりして、しかしその靴のシルエットが自分には必要だったりする。そういうこと。

すみませんが今週は10日(火・お休み)、11日(水/祝・営業)、14日(土・17時まで)、あとは通常とさせて頂きます。


がんばれリカ!!



契約更新してきました。これであと二年はもつ。
この二年周期の二月ってやつは、家賃を二か月分納めなくてはいかんのである。ご丁寧に締め切り期日が二月十四日とくらあ。
尻の毛を抜かれる月間。ハートがヒリヒリする。毛穴もひらく瞳孔もひらく。
新宿西口の思い出横丁の手前に、老眼鏡とサングラスを一坪くらいのスペースで売っている爺さんがいる。
吹きさらしなので冬など寒いはずだが、あの爺さんは何十年もずーっとそこで売れてそうもない店をやってる。彼なりになにか続ける(やめない)理由があるのだろう。

さて辛気臭いので話題を変える。この空白の一行の区間、実は気絶してまして、おはようございます。
ラピュタ阿佐ヶ谷で『混血児リカ(72年)』なる作品を観てきた。赤茶けた画面が素敵な、いわゆるグラインドハウス状態。
このようなタイトルなので(まあたしかに、おどろおどろしい字面ではある)日本版ソフト化はこれからも無理かと思われる。DVDは輸入版のみ。
それよりも奇っ怪なのは作品そのもので、とにかく編集が粗い。監督はシャレオツ映画のマスターピース『月曜日のユカ』を撮った中平康なのだが、死んだら死にっぱなし、殺したら殺しっぱなしのこの粗さはどうしたことか。
自分の仲間をベトナムに売った組織と対決して少年院行き、脱獄を繰り返しては(鉄条網が敷いてある塀を気合で乗り越えるだけ!意外とかんたんです)、なぜか助太刀してくれた風来坊と共に娑婆で人身売買組織のボスたちと再び戦う、という図式だったと思う。一週間くらいたつと、あれどんなだったっけ?と印象がぼやけるくらい大雑把な映画である。
足場がぐらぐらなまま進んでいく建築現場。
主人公の青木リカはこのシリーズ以外ではお目にかからないようだが、本当のハーフらしく、でかい。
で、大根。主題歌を歌うシーンがあるのだけど、カクカク。ダンスはうまく踊れないらしい。
とにかく、堕胎/レイプ/殺人/脱走/キャットファイト/かあさんシャブ中など実にいろいろある中で(常にほったらかし・・・)、最後のテロップが『がんばれ リカ!!』
これ、結構インパクトあったので真似して自分にも言いたい。
『がんばれ オレ!!』
リカが刺青柄の変てこなマントを纏って大かつやくするらしい続編がいま公開中ですが、やはり観に行ってしまうのだろうか?


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古本すうさい堂
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