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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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アイ・フォート・ザ・ロボコップ



別にメジャーを否定しているわけではないのだけんども、個人の尺度なんてたかが知れてるもんで、特に映画なんてのは二時間近くつきあうわけだから、あまり自分の感性と乖離している作品はちょっと手が出ない。要するにキラキラしてるものが苦手なんである。壮大なファンタジー、つまりハリーポッターとかスターウォーズとか、僕にはまだ早い。
ホラーが好きなのも、きっと設定が日常だからだと思う。あと、面白かろうがつまらなかろうがそれなりに楽しめるジャンルなので、鑑賞が楽ちん。
ギリギリ『ロボコップ』はアリ。あれは実は、かなりエグいんですよ。レイプ未遂犯の股間を射撃しちゃったりとか(未遂ですよ、未遂!)。ブラックユーモア精神に溢れるラストには笑ったね。
というわけで、もうすぐなくなってしまうバウスシアターでリメイク版を観てきたのだが、最初から爽快なヒーローアクションだと思ってないから、なかなか面白かった。
犯罪防止用の警護ロボットを製作しているオムニ社。これを広めようとするだが、いかんせんロボットで心がないもんだから、平気で子供も殺しちゃう。世論も冷たい。そんな折、うまいタイミングで瀕死の重傷を負った刑事が担ぎこまれ、ロボコップとして再生させられる。心を持ったロボット警官の誕生。
彼らの目的はロボコップをヒーローとして世間に認識させ、政治的に有利に利用すること。
ロボットが主人公とはいえ、人間ドラマが生臭い。
ロボコップの中身は首と右手と肺だけの「三点盛り」。悪趣味ですね。
オムニ社の社長がマイケル・キートン。この人は初代バットマンですね。バットマンvsロボコップという裏構図。
思想的に偏りまくったテレビキャスターをサミュエル亭ジャクソン師匠が嬉々として演じており、また、おいしい役どころ。
黒いロボコップに賛否両論のようだが、いいじゃないですか、ハカイダーみたいで。
個人的に最も盛り上がったのは映画のラストで、ザ・クラッシュの『アイ・フォート・ザ・ロウ』が流れたことだったりする。
「おれは法律と戦って/法律が勝った」

※3月29日(土)は短編映画撮影のため、休業させて頂きます。
吉祥寺のどこかで何匹かのゾンビがうろうろしているかも知れません。





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WATCH OUT vol.15に、掲載予定だった、コラム



吉祥寺さん、いい加減 あなたの顔を忘れたい。♯10


ルー・リード氏がお亡くなりになりました。某中古CD屋では軒並み、彼の在庫が消えています。
ルーとイギーとボランを知らないロックファンはモグリってなもんで、
おう八っつぁん、何かお勧めを教えてくれよ?
そうだな、これなんかどうだい『メタルマシンミュージック』。
ありがとうよさっそく聴いてみっか、
うわーなんだこりゃ雑音がピーピー鳴ってるだけじゃねえか騙しやがったな八の野郎。
ははははは熊の驚いた顔が目に浮かぶな。ざま見やがれあん畜生。
死んでからルーと向き合おうなんざ片腹痛い。
やっぱり定番は『トランスフォーマー』に『ブルーマスク』かぁ?
このジャケの人間とは思えない面構え最高だな。
『警鐘』『死の舞踏』『レジェンダリーハーツ』『ロックンロールハート』も忘れちゃいけねぇよ。
聴きながら飲むとくいくい酒が進むってなもんだこん畜生め。
はああ。ちんとんしゃん。ちんとんしゃん。

さて、追悼ということで急遽、吉祥寺のバウスシアターがルー・リードの特集上映を組みました。
この辺の対応の早さが吉祥寺らしいところで、新宿や池袋の映画館じゃこのような機敏な動きは見せてくれません。
自分は2006年製作の『ベルリン』を観に行きました。
バンドを基本として、合唱団や弦楽隊と共に彼が演奏を封印していたアルバム・『ベルリン』全曲をライブで再現した作品。
辛辣な詞をTシャツにジーンズというラフな格好で浪々と歌う老境のルー・リードは「カジュアルな悪魔」。
爆音上映であり、歌詞を流しながらの上映でしたので、初めてあのアルバムの全体像が掴めた気がします。
若い頃は実に爬虫類的な、ヤモリのようなぬめぬめとした美しさを持っていたルーですが、年をとって皺も体重も増えたスクリーンの彼は、ガラパゴスオオトカゲといった風情でした。

とにかく作品数が多く、遺作はメタリカとのコラボでしたっけ?自分は未聴ですが。
ベストアルバムを一枚挙げよと言われるととなかなか難しいところですが、
今の気分ではヴェルヴェット・アンダーグラウンド『1969LIVE 』vol.1。
VU解散直前のライブ盤。どういうわけかパンチラのジャケット。
初期の激しさはありませんが、ぬるりとしたテンションのダルな演奏は、
確実にロックンロールの(裏)歴史に刻まれる音。
ベストテイクは、ルー歌唱による『ファム・ファタール』でしょうか。
オリジナルのニコ・ヴァージョンとはまた違う「ひゃっこい美しさ」があります。

ワイルドサイドを歩け。走れじゃないところがいい。
自分なんかは辛うじて「ワイルドサイドに足湯」って感じ。パチャパチャと。
ところで甲斐バンドに、「walk on the wild side」の曲もアレンジもまるまるパクった『新宿』という曲があります。
カヴァーじゃん!ってなくらいの、堂々たるパクリっぷりはなかなか見事なもんでした。







(※しばらく迷っていましたが、没にする必要性もないと判断し、こちらにアップしました)

バウスがなくなる



吉祥寺ヴィレッジ・バンガードが閉店したときもちょっと驚いたのである。
え、この街ってそういう嗜好じゃなかったの?と。
そしていよいよ公式に発表された、バウスシアター閉館のニュース。
数ヶ月前に知ってはいたが、こちらもかなりショックだった。
完全に「アテに入れてきた」作品は他の劇場にまかせて、独自のプログラムを作っていた、ふらりと徒歩で行けた、あのバウスがなくなっちゃうのであります。
吉祥寺のカルチャー欄にでっかい空白。
サンロードなんてバウスがなけりゃ単なるアーケード街。
吉祥寺に来て10年になるのだが、その10年間で、バウスが持ちこたえられないくらい、街も人も変化したってことなのだろう。
しょうがないっちゃしょうがない。もっと商売に色気を見せるべきだったのかも知れない。
確かにスクリーンも大きくて音響設備もいい劇場も都心には多々あるが、「爆音映画祭」みたいな好き放題のお祭りができたのはバウスだけだった。それが吉祥寺独自の空気だったわけで。
思えば一番最初に行った爆音映画祭の作品が『ゾンビ』で、ゴブリンのサントラがびしびし響き、いや、これは本当にうるさいぞ!と嬉しくなっちゃって。
その年はたしか、世界一好きな映画『狂い咲きサンダーロード』や、劇場×爆音で観るとバカ度が増幅して素晴らしかった『デス・プルーフ』とかあって。翌年ぐらいからちょっとボルリューム下がっちゃったんだよね、ははは。
現在最後の爆音映画祭のリクエスト募集中。http://www.bakuon-bb.net/
やっぱり今は亡き山田「仁」辰夫さんの、サンダーロードが観たいかなあ。「春夏秋冬」とかどうでもいいよ。自分にとっての泉谷しげるは『電光石火に銀の靴』『翼なき野郎ども』である。
「長らくお世話になりましたーッと」「うるせーこのドブス!」「やってやろうじゃねえのよ!」と、名言も満載だ。
淫力老人・イギーポップのライブもよかったなあ。あれは究極のロッカーのひとつだな。ゆら帝ライブは満員で観られなかったんだよな。
孤独な少年が「なんちゃってスキンズ」のチームと仲良くなるが、出所した本物の極右の元に付いてチームは分裂。ガチのナショナル・フロントとなった少年が外国人排斥を繰り返すようになる『THIS IS ENGLAND』も切ない名作だよ今まで書き忘れてたよ。
先日久々に三鷹の「みたか」でラーメン食った。ほっこりとうまい。
ここも一度なくなって復活したのだが、バウスもどうにかならないものだろうか。

西新宿のアダルトショップ「翔壱書店」も一月の始めころにいきなり閉店。
というわけで『WATCH OUT』も自然消滅しました。
確かめに行ったら閉店のお知らせが貼ってあった。
ゆかりのあった場所がなくなっていくのは、まったく動向を気にしなくなっていたアーティストの訃報を聞くよりよっぽどさびしい。
泣いてない。

SAMURAちゃん



この件で一番驚いたのは、18年間も「ベートーベンごっこ」を続けていたということ。
自分なんかはクラシックに疎いもんだから、ゴーストライターの先生が登場するまで「佐村河内守」なんて人の存在は全然知らなかったのだが、世界中から天才の称号を頂いていたのですね。
コンサート中止、CDの出荷停止、購買者からは「金返せ」のひっきりなしのクレームと、大変面白い(ごほっ、げほっ)ことになっているらしい。
ゴーストライター氏本人が「あの程度は勉強すれば誰でも書ける」と言っているので、謙遜が入っているとしても大方そうなんでしょうね。
「真の天才」と絶賛していた音楽の先生たちは真実がバレた直後、「あれは、嘘だったのだっ!!」と、楳図かずお調で絶叫したことでしょう。
騙された、と怒っている人。でも、音楽自体には感動したわけでしょう?・・・というのは愚問で。
実際のところ「聴覚を失った作曲家の物語」に感動したのだろうから、そりゃ怒るわ。
まともにピアノも弾けない楽譜も書けない聾でもないっつーんだから。
一番低俗な、要するに本音に近い言葉を代弁するなら、「つ▲ぼだと思ったから、感動したのに!!」であろう。

「さむらごうち・まもる」が本名なのかハンドルネームなのかは知らないが、まずこの名前から始まってる気がする。言霊的にもなんだかありがたいもの。そりゃ、めちゃめちゃ芸術家っぽいわ。
(自分の苗字も結構レアだけど、こんな「偉人感」はない)
本名だったら「俺は絶対すごい(はず)。なんでだかわかんないけども!」と思い込みそうである。
どういう経緯でこの「狼少年プロジェクト」が始まったのかってのはちょっと気になるところ。
しかしこの人、これだけテレビや雑誌に出てるってことは、相当目立ちたがりなんですね。
キメキメですもの。よく見りゃ黒シャツの第一ボタンを外してたりする。かっこいい。
頭の中は常に耳鳴り。光を遮るサングラス。絶対音感を頼りに、耳鳴りのノイズの中から音を拾い、楽器も使わずに作曲する!頭痛が激しいのでほとんどの時間を横になって過ごす(おむつ付きで)。
・・・すごいな、おい。ゴーストライター、もう一人いませんか?小池一夫先生でも思いつかない原作。
んで、健常者と同じように喋ることが出来る。先天性じゃないから、との設定。
まあ、しかし、ごく普通の感想として、ペラ回りすぎじゃないでしょうか?別にいいンですけどねッ!
18年もやってりゃ演技も雑になって来て、顔も売れたものだから後ろから「佐村河内さん!」なんて声かけられたら「はい!」なんて返事したりして。
そのうち「携帯電話で話す佐村河内!」なんてスクープが載ったりして。

演奏の実演を拒否するために、指には常に包帯という演出。
さらに専属の手話つきというオプション。バットマンとロビンですか。
「全聾で被爆二世の天才作曲家」として食ってやろう、という意思はとりあえず、すごいと思う。
普通の神経じゃそんなの、面倒くさくてやってられないよ。そこだけは「超人」と言えるのだろうか?




PAINT IT BLACK



すうさい堂周辺の人々に「好きな漫画家は誰か?」とアンケートを取ったとしたら、一位になるのは恐らく藤子・F・不二雄先生である。
自分なんかはチャンピオンの最盛期に『魔太郎がくる!』『ブラック商会・変奇郎』なんかが好きだったのでA派なのだが、今読むとブラックユーモアの質が無邪気な気がする。『笑ウせえるすまん』あたりもそうだが、なんでもオチは「ドーン!」で解決だもんな。で、ラストのコマは黒枠ってのが定番。
変奇郎は魔太郎のようないじめられっ子キャラじゃないが、なんだかんだでトラブルに巻き込まれ、仮面とマントで再登場。トラブルの相手に「請求書」を叩きつける。
細かく見積もってあり(「雑費」まで!)決して支払えない額ではないのだが、なんでこんなわけわからん奴に払わなきゃならんの?ってことで皆さん拒否するのだが(そりゃそうですね)、そうなると例の「ドーン!」で成敗される。恐怖の経理課。

A氏に対し、F氏の短編におけるブラック度は、本当に黒い。
ドラえもんと同じように白を基調とする絵柄だが、実に黒い。異色短編集『幸運児』などにそれは顕著。
『オヤジ・ロック』で軽く皮肉を投げつけ、有名な『ミノタウロスの皿』を始め、筒井康隆や阿刀田高にもひけを取らないような,ブラックな作品も多数収録。
短編集なのでストーリーを紹介するような無粋なことはしないが、『自分会議』『じじぬき』『間引き』などは、死をテーマに扱っている。
不条理な『ヒョンヒョロ』、ヒーローの価値観を逆転させた『わが子、スーパーマン』。
『劇画・オバQ』はセルフパロディというには、ペーソス溢れすぎ。というか、かなりのタブー破りなんじゃないかこの掌編は。
夫婦間のドロドロを描いてゾッとさせられる『コロリころげた木の根っこ』。これに近い夫婦関係ってそこら中にあるんだろうなあと思う。収録作品中、最も過激なブラック度。
最後を飾るのは『やすらぎの宿』。これはどういう話なんだろうなあと読み進めていくと、ラスト3ページにおける、ブラックすぎるオチ!
もちろん絵は穏やかに白いが、ページは真っ黒に染まっている。

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性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
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