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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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若者は鬼畜好き

うちだけの話だとは思うんですが、いまだにデータハウスの『危ない1号』関連の書籍は人気がある。「鬼畜系ブーム」からもう15年くらい経つというのに。
ユースカルチャーの需要として、何年経ってもきわどいものが求められているということなのであろう。
いまはネットを開けばグロ画像はゴロゴロしていて誰でも閲覧できるが、そういったものを書籍化してみせた当時の出版物としては衝撃的だったのだ。
編集のA氏が自殺したりY氏がほとんど廃人になったりと、ノンフィクションとしても業が深い。
まあ、世の中美しいものだけで出来上がってるわけじゃないからな。
ドラッグってやつも精神と肉体を蝕むという意味ではもちろん悪なのだが、「ドラッグがある世界」と「ない世界」はどちらが豊穣かというと、これはもう前者なのだ。
キース・リチャーズやジョニー・サンダースの危険な美しさは、やっぱり「ロックンロール・マナーとしてのドラッグ嗜好」に起因するのだ。
それはもー、ジャンキーどものどうしょうもなさがある意味、ロッカーとしての誠実さというかリアルだったりするんで、良し悪しの問題ではないのだ。
「薬物天国」の南米と、「薬物犯罪は死刑なのだ」ということで日本人も吊るされた中国、どちらに住みたいか?と問われても「んーと、ダークゾーンの日本でいいです」と答える自分は、煙草も吸わないスーパークリーンです。

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ファスター・ニンジャメン!キル!キル!



サムライブルーなんつって盛り上がっていたわが国ですが、なんだかどうも不快なのは、白土三平の影響によるところが大きい。
人殺しの技を磨くために切磋琢磨しているが、実際に自分では何も作らず、お百姓さんからピンハネし、虫けらのごとく殺し、切羽詰ると勝手に腹切って死んじゃう。
『忍者武芸帳 影丸伝(バトル・オブ・ニンジャメン/レジェンド・オブ・シャドウ)』を初めて読んだのは中学に上がる直前くらいだが、いまだに強烈な作品である。

農民たちのレジスタンスをプレゼンするアウトローの忍者・影丸を中心に、仇討ちを生きがいとするサムライマン・城太郎や、僧侶で殺し屋のキラーエリート・無風道人、水棲人間の「岩魚(いわな・フィッシュマン)」、体から電気を発して相手を倒す「しびれ(エレクトロ)」、穴熊の習性を持つ(地面を掘り進む・くっさい屁をこく)「くされ(ランシド)」、亀のように首が引っ込む「蔵六(タートル)」といった影一族(シャドウズ・ファミリー)らが躍動し、ノブナガ・ヒデヨシ・ミツヒデなどの実在の歴史上の人物とからむ。
『カムイ伝』ほどイデオロギー的ではないが、1959年にドロップした、ヴァイオレントでゴアなエヴァーグリーンのエンターテイメント。

結局、差別的な表現抜きではこのような作品は生まれ得ないのである。
片目片腕なんてごろごろ出てくるし、貧乏な農民は武士どもに笑いながら虐殺される。
すべてのページが血なまぐさいけどパワフルで自由。
「眼帯」という悪のアイコンすら見かけなくなった最近の漫画は、やっぱり少々お上品なんじゃないかと思う。
「努力・友情・勝利」のお題目は、とんでもなく重くて不自由な足枷である。

ぐるぐる漂流教室



楳図かずお先生の『漂流教室』、いまさらながらだが、大傑作であります。
こんなにグルーヴ感あふれる漫画は他にない。
「ギャー!!」「ギャッ!!」「ハアハア!!」「ムシャムシャ」「ザザザ」といった「ウメズ音響」もグルーヴィーだ。
小学校がまるごと荒廃した未来へトリップ!理性を優先する「大人」である教師たちは全員自滅!
唯一生き残った大人である給食のおじさん・関谷は生存本能むきだしで子供たちに暴君としてふるまったり、幼児退行したり(バブバブ!!ニャーゴ!!まんま!!)、また正気に返ったりしていろいろ大変。キャラ立ちすぎ!
確かにとんでもないとばっちりには違いない。
さらには子供たちをおぞましい怪虫が襲い(ザザザ虫と呼びたい)、ペストが襲い、グロ造形の極みのような「未来人類」が襲い、主人公の「翔くん」には個人的に盲腸が襲い(麻酔なし、カッターでシリツ!執刀はやっぱり子ども!!)、大雨が襲い、スモッグが襲い、断崖・死のはばとびがあり、内ゲバで子ども同士が殺し合う。
そしてあまり語られないことだが、死んだ仲間の死体を焼いて人肉を食うシーンもある(全員子ども!!)。
これがスピリッツではなく少年サンデーに連載されていたということがすごい。
「お姫様」や「我猛くん」や「池垣くん」などのサブキャラも光る、児童文学(とあえて言ってしまう)の記念碑的作品であります。
そろそろ店頭に出すんで、「漫画によるグルーヴ体験」をしたい方は買ってください。


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