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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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サスケはむごすぎる

近頃私は忍者マンガブーム♪というわけで、白土三平『サスケ』を全巻読了。
ようつべにアニメ主題歌があった。http://www.youtube.com/watch?v=V9h7fmy20D0&feature=related超クール。ダウンタウンがこんな感じの曲をパロってましたね。
これもかなりシリアスな印象があったけれども、原作はもう、本当にハードコア。
初期は溌剌とした少年忍者の成長を描く、みたいなノリで正直「つまんないかも」と思ってたが、スプラッター度が増していくとともに作品の重みもどんどん増し、『カムイ伝』的な階級闘争の世界へ。
白土先生はこうじゃないと。残酷描写、という表現の必然性がそこにある。
それにしてもラストの救いようの無さには唖然。最初から読んでいた少年読者を奈落の底に叩き落すような冷酷さ。アンハッピーの極致。それと同時に、当時の少年漫画における懐の広さも感じる。
悪い奴はそれなりにやっつけられていくが、「義」をもった側がハッピーになるかというと全然そうじゃない、という白土イズム。要するに「現実」ってやつ。今のJ-popが標榜する「夢は必ずかなうんだ~♪」的なおためごかしとは真逆の提示。そして、吉祥寺の町で歌ってる連中はそんなんばっかである。「そのまんま」ってのは表現としてまったく努力を要していない、ということ。サスケ読め。
まあでも、基本的にあくまでも「等身大」であれば、ほとんどの夢って叶うんじゃないかい?このおれですらそうだもの。ただそれをでかい声で言っちゃあ、ダメなんだがな。
呼び寄せられない人はきっと「覚悟」が足りないんですよ。あるいはそいつの持ってるカードが「ブタ」なんだな。
そういう場合はなるべく早めにシャッフルしたほうがいい。

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ムジナという生き方

ダウンロード(bmp)

いま、相原コージという作家がどんな評価を受けているのかはよく知らないが、ヤングサンデーに連載されていた、『ムジナ』は名作であります。
白土三平の忍者マンガをリスペクトしているのは明白なのだが、「オレは元々ギャグマンガ家だしなー」といった「照れ」と相まって、相原流の下ネタと骨太なストーリーが相乗効果を生み出していて飽きさせない。
が、「絵がきたない」「ギャグが下品」「残酷なシーンが多すぎ」と、一般的な女子はもちろん「サブカル女子」にも評価が低そうなので、ここはもう「男なら読め!」ってことで話を進めたい。

主人公のムジナは「下忍」の父親を持つヘタレ忍者だが、父の最期を看取ったときに、実は「生き抜くため」に彼はぶざまな下忍を続けていたことを知る。
そして自分も生き抜くために、逃げ続けることを決意する。
そんな中でムジナは忍法・跳頭(はねがしら)や、自由自在に屁をこいてそれに引火させる「蛍火」なる珍妙な技を生み出していくのだが、きっと「あたしそーゆーノリってちょっと無理っぽい」と、オサレ女子にはスルーされるんである。
随所に「漫画的記号を多様してみる」から、「夜を夜として描いてみる」のような相原一流の試み「実験シリーズ」があり、実はこの人はマンガ描きとしてかなり手だれ(忍者っぽい表現)なんである。
練り上げられたプロットを持つ王道的な作品なので、細かいことを書いてしまうのは野暮ってもんだが、キャラがばんばん死にます殺されます。その辺の描写はハンパないです。もちろんそれは、白土三平の流れをキチンと汲むものだからである。
なんだけれども、やはりギャグマンガ家としての資質は「血」であるようで、挿入される効果音が「すぽーん」「ゆいんゆいん」「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」「ぬぷっぬぶっぬぼっ(これはおセックス様をしている時のおと)」など、実に相原コージなので、これがまたオサレ女子から「だからあたしそーゆーの無理だから!」と、駄目押しをされてしまう所以である。っていうか、全9巻を英字新聞かなんかに包んで無理矢理プレゼントするってのもアリ。
怒涛の終盤劇に拳を挙げろ。

ぬるい啓蒙が、金になる。(anさん風)

とにかくこのサイトは尋常でない。Nさんという約850冊の著作を誇る方なんだけど。
貼り付けまくっている顔顔顔顔。相当自分のお顔がお気に入りなんだろうけど、「ゴ-マニズム」の人にソックリのような気がするのは自分だけか?
プロフィールもすごいなあ。どうでもいいようなドラマ・映画・舞台・ラジオの出演番組など漏れなく羅列。これがすべてどうでもいいようなもんばっかで(2回書きました)、どうだこんなに出てるんだあ才能あるんだあ、と「さりげなく必死」な感じは笑っちゃうくらい痛々しい。
出席したパーティーから友人からのメールまで全部公開して保存!
この生あたたっけぇ自己愛に対して「メチャクチャにしてやりてー」と思うのは本当に少数意見なのか?素顔は絶対鬼畜に違いない。
物販もすごいよー。バッジがこの値段て、ヤクザかヤンキーのステッカーじゃん。
この人が字を書けばなんでもかんでも金になります。素晴らしいマルチクリエイタアアアアアアアア!!!!!
しかし著作800冊って、これはピー!ガー!のセッションでアルバムを作ってしまうノイジシャン並みの量産ですよ。
そして不思議なのだが、「わたしチャゲ&飛鳥のファンです」という人に遭遇したことがないのと同じように、この人の信望者に一度も出会ったことがない。
一体どこのシーンでこれだけの本が回転しているのかと、夜も眠れず昼寝して、時々起きて居眠りをするのであった。

波に乗れ乗れ、金の波。(すうさい堂主人/anさん風に)

鬼畜・地獄変



ここのところすうさい堂まわりでは顔をあわせると、「村崎百郎が殺された」という話題が出る。「ここいらへん」では超メジャーな人のようである。
まず思ったのが「似合いすぎる・・・」ってこと。報道では「作家」。え、作家だったのかこの人?
多分これから「いま超話題の作家」の本として彼の著作『鬼畜のススメ』『電波系』が並んだりするのだろうが、普通の人がこれを手に取ったらその狂い果てた内容に愕然とするのではないか。
唐沢俊一との社会時評(漫才)『社会派くんがゆく』の悪意に対して真面目に怒り出す人もいそう。事件被害者なのに不買運動がおこったりして。
自分はやっぱりこれらの書物も読んでいるのだが、『社会派』では実にまっとうなモラリスト的な発言もたくさんしているし(ただそのあとに「俺みたいな鬼畜から言わせれば~」と、必ずまぜっかえしている)、先の2冊のとある文章では不覚にも涙が出そうになった。
昔から言われているように、素顔はまともな常識人であったようである。だけど。
事件後、ツイッターで発言している人がたくさんいたが、かなりの割合で「実はいい人だった」「常識人だった」と、故人を偲んでいるのだが、彼が生涯通してトッポく貫いてきた「鬼畜」という仮面をあっさりと剥がされてしまって、それもちょっとかわいそうな気がする。

いまだに加害者が何に「騙された」のかよくわからんが、心神喪失の可能性もあり、警察の担当者が村崎百郎という「作家」の本を読んで、呆れ返ることは間違いない。
裁判官の心証もある。心に浮かぶ言葉は多分、自業自得。
そうなるとかなり軽い刑が適用されるような気がするんだが、どうなんでしょう。
真面目な話をすると、ある過激な表現者の生命の「軽量」をはかることになるのだ。
アングラの片隅でひっそりと偏愛されてきた彼の文章がこの事件によって突如メジャー化し、今週あたりテレビ等で「識者」の眉を曇らせたりするんじゃないかと思うが、「鬼畜の村崎百郎」としては地獄で高笑いしているんじゃなかろうか。

実際はこの人、ペヨトル工房の編集者で、「中卒の工員」というのは作ったキャラらしい。読書量とか半端じゃないなと思ったもの。精神疾患は本当にあったのかも知れないが。
相方の唐沢俊一が日記で「最良の文化人」「情の深い男」と書いているが、これからマスコミのバッシングを受けるのは確実なので多少保身に走るのは分かるけど、ちょっと言いすぎなんじゃないか。
紫の頭巾から片目だけ出して、ゴミ漁りは最高だのアナルセックスだの熟女でオナニーだのキチガイ電波だのとうたい、猟奇犯罪を礼賛しているんだから、普通に考えてもヤバイ人でしょう。
ただ、そんなノイズの中から時折聞こえてくるヒューマニズムには実に説得力があった。中谷某が徹頭徹尾薄っぺらいのとは大違いである。
最後に「サブカル界のジョン・レノン」とひねり出したのは、彼に対する敬意だと思う(世間的には怒られそうだが)。
というわけで追悼はしないぜええええええええ。鬼畜が一匹死んだだけだからな~!!(村崎風で〆)

ボクサー地獄編

猛暑です。しかし自分の生活は風呂なしであります。
酔っ払って寝ちゃうとその日は風呂抜きになるので、銭湯が営業中に行かねばならない。御代は450円。
といった煩わしさもあるのだが、時々誰もいなくて丸ごと「貸切」になることがあり、これはユニットバスでシャワー浴びてるだけでは得られない醍醐味で、つまり物事はすべてトントンなんである。
(浴槽の淵に座ってパシャパシャ「足湯」にしてる虫君たちを見かけるが、出来ればそのまま溺死してください)
地元の中学校は坊主頭、しかも指から毛が出たら校則違反、上履きには名前を明記、その字が薄かったら校則違反etcというがんじがらめで育ったので、「自由と拘束」に関して死ぬほど考えた。感謝しますぜイエイイエイイエイ。
自由とゆとりの中で育てばそのどっちについても、あるいは不自由ということについても考えるわけがないんで、某エスカレーター式私立校の生徒ちゃんたちには「何もかも持っている故の何もなさ」を感じる。多分それは偏見じゃない。

『あしたのジョー』を久々に通して読んでみる。矢吹丈は拘束された上での爆発力をパワーとしている。
強敵にはもちろん全身全霊でぶつかっていくが、格下の相手に対してもきっちりぶっこわしにかかる。リングで嘔吐したり、草拳闘のどさまわりまで身を落としたりと、しっかりアンチ・ヒーローでござる。
ラストのホセ・メンドーサ戦におけるボロボロのパンチドランカー状態になりながらも立ち上がり、しかも薄笑いを浮かべたジョーの顔のアップは、漫画における恐怖描写としても最上級のものではないか。
それは王者ホセの精神を混乱に陥れ、反則を連打させるほどのものであったのだ。
ちなみに丹下段平の絶叫で有名な「立つんだジョォ~!!」は、原作では彼のセリフではない。
彼はホセ戦においては終始勘違いしたり、試合を放棄させる方向の行動を繰り返している。ファイトを続けるように激励したのは白木葉子。それを言い放ったのは、単なるいち観客である。
で、今回入手した揃いの全16巻は、最後の最後、真っ白になったジョーのラストシーンのページが切り取られている。
気持ちは分かるんだが。どこかで最終巻を手に入れないと売り物にならないのであった。

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