『パピヨン』と『怪奇!吸血人間スネーク』という2本の映画を観た。
パピよんは脱獄に賭ける男たちの重厚な人間ドラマで、出演はスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマン。
で、思ったのは、なげーなこれ、いつ終わるんだこれ?ということ。てなわけでぇ、このブログで取り上げるのはもちろん後者である。
映画としての盛り上がりをあえて一切否定したのか、単に才能がないのか、多分そっちなんだろうけど、潔く製作時間と制作費をだだ漏れさせている珍品。1973年度作品。
人間を「蛇化」させることが人類を救う道であると信じているガイキチの博士が、蛇の血清を実験体に注射し、日夜研究にいそいしんでいる。連れてこられた大学生もその餌食。
失敗作ってのはあるもんで、「四肢のない半端なヘビ人間」は見世物小屋に売っちゃったりしている。
これがなかなか際どく不気味なのだが、人でも襲わせればいいものを、なんか「クークー」鳴いてるだけで終わりました。少しかわいいかも。
最初のテロップで「この作品の蛇はすべて本物である。危険を顧みず出演してくれた俳優に感謝する」と出るのだが、蛇の毒は最初から抜いてあるに決まってるんである。
博士の娘と実験台の大学生のどーでもいいロマンスも絡めつつ、彼氏は脱皮したりして、血清の成果が出始める。
クライマックスはベッドに縛られ、特殊メイクにより急速に蛇化が進んでいく彼氏!
おお蛇人間だ!この辺でベッドから立ち上がって博士を襲わないと!と思ったのも束の間、あれあれ?変身の度合いがあまりにも早いぞ!どんどん蛇!どんどん蛇!
・・・・・・・・・・最終的に蛇人間は、単なる蛇さん(本物)になってしまいました。
博士は「大成功だ!」と喜んでおられたが、お前これ、映画としては大失敗だろう!?
とりあえずこのようなポンポコリンな作品が製作・配給され、DVD化までされているということに「映画の懐って深いなー」とか思ったりします。
『Sssssss』という原題だけは、洒落ていてカッコいい。
すこし、ふしぎ、です。
一応、本を読むのも運営のうちだと思っているので、そそるタイトルのものは読んでから出しているのだが、最近どしんと鉛の弾丸を頂いたのが『名前のない女たち・最終章(中村敦彦・著)』。サブタイトルが「セックスと自殺のあいだで」。
このシリーズは当店でも回転する、企画AV女優のインタビュー集。
ゴミ屋敷に住む女・父親に強姦され貯金をすべて奪われ精神が崩壊したソープ嬢・頭が弱いのか消費者金融の借金がまるで減らない女・小学生から乱交パーティーに参加させられていた女など、性にまつわるこの世の不幸全部乗せ。唯一ちょっといい感じに取材を終えた元単体女優は、後に自殺した。
最も凄まじいのが全身ピンクの「桃色まあち」(デビュー前のインタビューなので、果たしてこの子が無事に企画女優になれたのかはわからない)。
育児放棄されていたので食事は毎食100円バーガーとアップルパイ。いまだにカロリーメイトとケーキが主食で、米・野菜・魚などは生涯で数回しか(!)食べたことがないという。9歳で犯され中学生で援助交際。
上京して風俗嬢になってからはキティちゃんマニアになり、部屋中サンリオだらけの空間に、著者は狂気を感じた。
ビジュアル系のおっかけをしているが、ツアーが終わったら何の楽しみもから自殺する、自分はもう死ぬしかないと理論整然と語る彼女に著者は、「この子は死ぬのが一番いいんじゃないか」と納得してしまうんである。
顔写真こそ写っていないが、どうも相当ブサイクらしい。かわいい服を着てもかわいくなれるわけじゃない。単純明快ゆえあまりにも根本的に深すぎる絶望。
このインタビューを最後に以前から疲労していた精神状態が限界に達し、著者は業界から足を洗ったらしい。「桃色まあち」はまだ生きているのだろうか。
同『ベストセレクション』はもう少しバラエティに富んでいて、元ホームレス女(潮を吹きすぎて子宮を破壊)・オタク理論を高らかと語る女・騙されて裏本に出ちゃった女・チャレンジ精神でスカトロ女優になったリストカッター・「ものを噛むのが面倒だから食べない」という女など、もはやある意味で、神。イタイ方々のオンパレードではあるのだが、なんにしてもそれなりに皆さんかわいいので、いずれはそれなりのところに落ち着くのだろう。
番外編として自殺したAV男優の話が収録されている。
元々裕福で秀才だったが医大に落ちてから何もかも「自分の」思い通りには行かず、ニートになってひたすら毎日同じゲームを続け、夜になると町を徘徊して巨乳もののAV を借りて見る、だけの日々。
引きこもって頭が薄くなってきたころから一発逆転できるタレントを夢見るようになるが(この発想ってどうよ?)、すべての応募に全滅。それならば、ということでAV男優を志望(この発想ってどうよ?)。
しかし現場へ行っても常に女優に拒絶され、本番にまで辿り着かないジレンマで連続飲酒を始め、自律神経が壊れて舌の痙攣が止まらなくなり、常に口が塞がらない。こうなるともう決定的にヤバい。
「今度のNHKのど自慢に入選しなかったら死ぬ」と決断。そりゃもちろん受からない。で、自宅マンションから身を投げる。
なにからなにまで歯車の狂った人生。ニートが許される状況ってのがまた不幸の連鎖を生んだ。しかもオチが「のど自慢落選」っていう。
同性として言葉も出ないくらいの不幸。で、一級品のクズ。
しかし、まかり間違えばオレもそっち側だったんじゃねえかと思うと、赤の他人ながらも胸がちょっと痛い。
不幸の対比でいえば、まだ病魔に冒され若いうちに死んでいくほうがマシだ。これはいくらなんでも嫌すぎる。「本人の甘え云々」という言葉が空しいくらい、まずい星の元に生まれたんだと思う。こんな人生、どうやって楽しめばいいってんだ?生きていればいいことがあるなんて、とても言えないよ。
うまく死ねて、よかったよ。おめでとう、鈴鹿イチロー。
「AV女優は原発職員である。なぜなら我々のために放射能ならぬザーメンを浴びているからである」という名言を放ったのは確か自分(それも洒落では通じない状況になっちゃったが)。
その、いけにえの黒山羊ちゃんなんだと思う。すげー美人が並んでるDVDのパケを見ると、満漢全席みたいな気もします。
「必要( )」なのかはいまだにわからないが、とにかく「有る」ということ。
人類の知恵・神の創造物のひとつ。ソドムとゴモラは気合が足りなかったのだ。
素直に抜くのが好きな人は、読んではいけない。
ザ・セインツ。ひそかに愛するバンドである。77年にデビューしたオーストラリアのパンクバンド。
ファーストアルバムのジャケを見ればご覧のとおり、非常に地味。小太り(ボーカル)、若ハゲ、フリーター、ムッシュかまやつ?
そんな彼らなのだがピストルズ、ラモーンズと同時期に活動を始めていたらしい。てことは、クラッシュやダムドですら、彼らより後発組ということになる。
ファースト『I'm stranded』における完成度。スカスカだったクラッシュ、実はダルいのも入ってるダムドのファーストと比べても、文句のつけようのない激烈なパンクロックの金字塔。多分、今の人が聴いたらストラングラーズあたりよりすんなり入っていけるんじゃないかと思う。
ちょっと泣いてるようなボーカルもいい。いじめられっ子がパンクバンドにいるようなナイーブな風情。
(案外、本当にいじめられっ子の小太りくんにボーカルをやらせてみたら意外とイケるんで、そのまま据えられてしまったのかも)
泣きメロのパンク・バラッドもいい感じである。
セカンド『ETERNALLY YOURS』はホーンを入れたりフォークロック調の曲もあったりして、音楽性を広げた名盤。ただしそんなに広げすぎてないのがいい感じ。ダムドの『マシンガン・エチケット』もギリギリで音楽性を広げていないので、長きに渡りパンクファンに愛されているのである。
彼らも国内で人気が出たのでイギリスに遠征するのだが、この地味なルックスが災いしてもうひとつ受けなかったようで、そのまま知名度もイマイチなマニアックな存在になってしまった。が、ナイーブさを内包したパンクとしては、バズコックスと並んでオリジネーターだと思う。
B級パンクを漁ってる最中のあなた、「ザ・ドローンズ」とどっちを買おうか迷っていたら悪いことは言わない、「ザ・セインツ」にしなさい。私が保障する。
この文章の固有名詞、パンクを知らないとまったく意味不明だと思うが、別に結構だ。
PUNKSの和訳としては、「シャバ憎」が一番近いんじゃないか?なんて思ったりする。
ハードコアやサイコビリーはマッチョでおっかないし、モッズやガレージパンクの人は心底お洒落さんだったりする。
世の中を舐めた態度を気取ってみても、ちょっと恫喝されると「すんませんすんません」と謝っちゃうような芯の弱さ。それが実は一番カッコいい(?)パンクの本質。
まあ、あんまりきれいに生きようとしない事だ(一人でいっぱいいっぱいになって大混乱を引き起こしてたストラマー兄貴なんて、やっぱり魅力的ですもんね)。
だから素朴な青年団・セインツの爆音が最高なのもパンクならではの逆転劇なのだ。メタルやハードロックの「スターな音」とは全然違うんだけれども。
「すうさい堂」なんて看板を出してるけど自分なんかもう典型的なシャバ憎。それがなきゃ、シャバくてシャバくてウルトラ小心者ですわ。
だから多分、パンクが琴線に触れる。
ブルーハーツの「優しいから好きなんだ」という歌詞が最近になってようやく分かってきた。「吐き気がするだろ/みんな嫌いだろ」って出だしもいい。
突然ですが中古CDコーナー撤去のため、ラストバーゲン・CDセール中であります。
ほとんど1枚500円ですが、さらに各100円引き。150枚ほどあります。2月26日火曜まで。
あと「中古カホン」も入荷中。7000円ソフトケース付で持って行って下さい。いい音出るぞ。
契約更新したはいいけど家賃が全然足りない今月のすうさい堂は、かなりクライシス。
そしてオニグンソーさん隣のテナントがただいま空いている様子であります。
センスと根気と人生投げられる勇気のある方はひとつ、出店してみてはいかがでしょうか?
少し前に発売された『吉祥寺を極める!』というムック本に当店が掲載されているのですが、基本的にグルメ本ゆえ、まったく反響なし。
先ほどまで知り合いのパパさんが男子児童2人を連れて来店。実は、毎週来てる。
お父さんは昼間から一杯やりたい、子供たちはおやつが食べたい、ということなのですが、家に帰ると奥さんの目が光っているので、うちに避難しにやってくるという次第。
「すうさい堂は落ち着く」という4才と5才(だったか?)。マニアックだなー君たちわ。
嫁さんに首根っこ掴まれているといえばまったくそうなのだが、父親なんてそれくらいが一番ハッピーなんじゃないか。勉強見て一緒にスポーツして奥さんの目を盗んでビール飲んだり子供たちはチョコ食べたりしてる。
自分なんかは体験して来なかった光景。子供や家庭を持ちたいと思ったことが生涯で1秒もないので、自分には訪れない場面なのだが、いいんじゃないでしょうかこういうのも。
往々にして「大黒柱は人柱」だったりするので、自由やお小遣いは少なくてもそれ以上のものは得てるなあ、と思う。やっぱり、どっちかだ。
しかし、隕石ってのは落っこちてくるもんなんですね。
ありえなーい!これはギャルが使用する「ありえなーい」んじゃなくて、本来使用するべきところの有り得ないであって、もっとでかいのが落ちてきたらたた大変だよ地球の命の全部の生命がみんな死ぬよ。
この事態を回避するには、工事現場のおじさんが頭を下げている絵柄の「頭上注意」の看板を世界中に設置するしか手はない!てか。
「まや文明暦」がどうのこうのと盛り上がっていた人はまたちょっと上がってしまうんではないか。しかし「まや」って平仮名表記だと源氏名っぽいな。
巨大な惑星と地球の衝突を避けるため、「地球の軌道をずらす」というトンデモ映画・『妖星ゴラス』ってのがあったが、そういえばまだ未見であった。レンタルしてみよう。
それに比べれば日本の微妙な位置のアイドルの、お泊りがバレたため坊主になってごめんなさいしました、なんてのは瑣末な問題なのであって、もちろんこれが民間企業で、規定に違反した女性の頭を丸めさせましたなんてことがあるとしたらそれは大問題だと思うが、あれさあー、芸能人さ?(なぜか沖縄っぽく)
どうしてもいろんな意図が交錯している気がしてしまうのであった。
彼女は一気にネームバリューを上げた。ググると「峰不二子」を抜いて一位なんですよこれはたた大変だよすごいことだよ。
実際、「zipper」なんかに載ってそうなお洒落坊主女子って感じに見えたんだが。
(ドラマでガチの丸坊主にしてしまった綾瀬はるかのほうがすごい)
スポーツ新聞の記者が相手のダンサーだかに対し、「あなたは坊主にしないのか?」と直接質問して、俺ってなんか正義っぽくね?と胸をはっているような記事をチラッと見たが、根本的な部分でなんだかしょうがねえな、と思う。バカっぽい。
(今の男性アイドルの念を入れた「盛り髪」を見てると、もはや女子以上に「髪は男の子の命」なんだな)
しかしこれが恒例になって、坊主女子が惑星直列みたいに並んでたりしたらちょっと面白い。
「女性が頭を丸めるところを撮影したフェチビデオ」なる商品も確認したことがあるから、今度それする時はドキュメントDVDとして発売したらいいと思うよ。
今回の騒動も、どうにも被害者が存在しているようには思えない。
こういう作戦を講じたスタッフサイドと、女子の思い切りの良さに関心するのみである。
ついでにあれだな、無修正男性ヌードを販売した写真家が捕まったが、これもどこに被害があったの?って話。
自分は男性ヌードなんてどうでもいいんだが、アーティストがアート小屋でアートを売ってアートとして買った人がいた、ってだけのことではないか。
ここで「日本の警察は」とか「文化国家」がどうのと怒るのもなんかちょっと違うかと。
警察だってそんなもん逮捕したところで、めんどくさいだけに決まってるんである。
嫌だなあと思うのは嫉妬にかられたんだかなんだかで、チンコロした奴の卑小さ。
お隣のラブラバさんが商品買い付けのため、おメヒコに滞在中なので、お店は一ヶ月ほど休業。
大好きな別荘に行けないので、ヂルはずっとうちにいます。
写真は、はるかメキシコに思いをよせる会長。