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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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悪いやつほどよく殺す

そして爆音終わって直後、『アウトレイジ』初日のレイトに行ってきたのであった(バウス!)。
「極悪非道」というタイトルなだけあって、見事に悪人しか出てこない。
『ソナチネ』にあったような叙情は今回、一切ございません。常連俳優もすべて削除。
その分勢いを得た暴力描写は凄まじく、歯の治療中の相手を襲い治療用のドリルで口の中をメチャクチャに掻き回すわ、耳の穴に棒を突っ込むわ、密売人の中華屋の親父の指は飛ばすわ、カッターで「指詰めろ」と迫るわで、「バイオレンスのキタノ」が大復活。
イキのいい暴力装置の椎名桔平も良かったが、インテリヤクザの加瀬亮に萌え、であった。
ビートたけしは登場人物のうちの一人という感じで、定例化してきた「破滅するかっこいいヤクザ」のイメージを自ら壊している。
テレビドラマで大活躍のあの人たちも、ワルだ、悪だ、極悪だ。

任侠道という看板でも掲げないと収まりがつかないくらい、本当のヤクザ社会というのは汚いんだろうなー、と思う。
『カイジ』に、「いい人がヤクザなんかやるわけねえだろ」みたいなセリフがあった気がする。
しかしながらプロの暴力使いである彼らがスクリーン内のキャラクターとして登場するとき、それは生き生きと映えるんである。

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爆音のまとめ

しばらくパソコンがあぼーんでして、なんもできねぇっつー状況が続いていたのですがようやく復旧。
ボクはカリスマ店員でカリスマブロガーであるので、みんな待ち遠しかったかな?おーほほほほほほほほほほほほ。

なにをしていたかというと、主に映画を観ていたのでした。
『爆音映画祭2010』@バウスシアター。
正直今年は音量少なめだったのだが、それでもなかなか充実のラインナップであった。
初日、『ソウルパワー』。ソウルミュージックってのは基本的に人間愛に満ちた音楽であるので、なかなかそっち方面には行けないのだが、一人異形の人がいた。ジェームス・ブラウンだ。
あれは別枠。そして「歌詞」が違う。ケンカ売ってるよ、この人だけは。

『ミッシェル・ガン・エレファント last heaven 031011』。
彼らの解散ライブを収めたもの。
ディープさでいえばゆら帝なんかの方が上なんだろうけど、上っ面をテッテ的にカッコつけるバンドとしては最高峰なんじゃないか。
日活のアクション映画みたいなもんである。
そして、ギミックやゴシップを一切排除してここまで大きくなったロックロール・バンドは他に類を見ないと思う。
アンコールにおける明る目の曲の、「ガソリンは残りわずか」「さよならベイビー」「嵐を裂いてゆけ」なんて歌詞が切なかったりする。
随所に挟まれる過去の映像なんかを見ると、「パブロックでよかったバンド」が、でかくなりすぎてしまったジレンマみたいなものは確かに感じる。
仁王立ちでギターを弾くアベフトシの顔にはすでに死相が見える。

『イングロリアス・バスターズ』。
二回目。普通の映画館で観た時より、音の立ち上がりがダンチで違う。

『爆裂都市』。
30回くらい観てるのだけども、爆音つーことで。
これだけリピートしてると、泉谷しげるや麿赤児のかっこよさを再確認。
「クシャおじさん」も出てるって知ってた?

『コントロール』。
ジョイ・デビジョン=イアン・カーティスの伝記映画。
妻子もあり、浮気相手もいて、バンドも成功したのだけれども、すべてに絶望して23歳で首吊って死んだ、癲癇持ちのボーカリスト。
まったくちぃともうらやましくない人生だ。編集がタイトすぎるというか、厭世感に満ちた歌詞そのまんまである。
早期結婚はよろしくないかも、という教訓。ん?

『HOUSE ハウス』
大林宣彦のデビュー作にて砂糖菓子のようなカルト映画。糖分過多!
10年ぶりくらいに観たけど、これだけ「やりっぱなし」の作品もちょっとない。観客も不思議少女からハゲた会社員まで、立ち見まで出て大盛況。
美少女たちが軽井沢のおばさま宅に遊びに行き、みんな「家」に食べられちゃう♪、っていうだけの話。
彼女たちのあだ名が凄くって「オシャレ」「メロディ」「ファンタ」「マック」「クンフー」とか、呼び合うんです。
池上季実子は意味なく脱ぐわ(マジで美人)、大場久美子は泣きわめくわ、神保美喜はカンフー使いでホットパンツだわ、鰐淵晴子登場シーンは常に風が吹いていてひらひらだわ、音楽はゴダイゴだわでいろいろ大変ス。
難解でシュールなのはゴロゴロあるが、ポップすぎてイッちゃってるという。ピアノやふとんや電灯に食べられてました。
後ろの席の女子が思わず、「なにこれ~(笑)」と感想を述べられていましたが、もっとも的確な評価だと思う。

この作品のメインビジュアルは家のドアから舌が出て、そこに「H0USE」って書いてあるのだが、同じ仕様のエアクッションが置かれていて、それを踏んで中に入るんである。
終映後に客席に潜んでいた大林監督が立ち上がって挨拶したりと、ギミックもいっぱいなのであった。

同じバウス内の隣の劇場では「春との旅」という、お年寄りが並んでいるような作品を上映しているのだが、爆音映画の音が響いてきちゃってるらしい。と考えると、めちゃくちゃ過激な企画である。来年も行く。

さようなら悪女さん




というわけで悪女特集のラスト、『しとやかな獣』(監督・川島雄三)を観に行って来た。
ずっと団地の一室で会話のみで展開される作品なのですが、これが面白い。
勤務している芸能プロから横領をはたらく息子。
それを知っていながら口裏を合わせてプロダクションの社長をなだめすかす両親。なぜならおうちにお金が入るから。
だが、その金を女に貢いだと知ると激怒するおとーさん。そこんとこは怒るわけだ。
しかもこの親たちはお手当てを目当てに、自分の娘を流行作家にあてがっている。公認援助交際というわけ。
この親子関係が痛快なのは、「ゼニを得る」という点においては手段を選ばず、それに対してまーったく何の罪悪感も持っていないということ。
お互い腹を割って話が出来る正直で素晴らしい家族である。
(うちなんか19歳の時に死んだ爺さんとまともに会話した累計時間は、どう考えても1時間に満たないぞ。ずっと同居していたにも関わらず)
息子をたぶらかした金で旅館の女将におさまった経理の女・若尾文子が艶っぽい。
なんと言っても一番の怪演は父親役の伊藤雄之介でしょう。悪党のくせに罪悪感がまるで透けて見えないので、妙に爽やかであり、愛らしくもある。
そんな旦那を常にフォローする、というか「操る」参謀のような奥さん。
淡々とした映画だが、テレビから流れる音楽に合わせてバカ息子とエンコー娘がゴーゴーを踊るシーン(バックには真っ赤な夕陽!)は、はっとするほど狂騒的。

「しとやかなけだもの」と語感も素敵なこの作品、正月映画として公開され大コケしたらしい。
今回はキズが入りまくりのフィルム上映で観られてよかったよかった。
『家族ゲーム』に近い雰囲気もかなり濃厚なので、かの作品のファンにもおすすめ。

悪女だよ!全員集合!



なかなか時間が取れないのだが何とか通っている、阿佐ヶ谷ラピュタ『悪女礼賛~スクリーンの妖花たち』。
http://www.laputa-jp.com/laputa/main/index.html#2
『二匹の雌犬』は以前レビューしたが、それ以降に観たのは『悪の階段』、
『可愛い悪女 殺しの前にくちづけを』、
『果てしなき欲望』、『地獄の饗宴』の4本。

『悪の階段』はベタな展開ながらもまさに和製フィルム・ノワールってやつ。
強奪した四千万を巡る四人の男と一人の女(団怜子)の裏のかきあい。
若い頃の山崎努の悪っぷりがいい。多分、丸尾末広がマンガのモデルに使ってる気がする。
更には悪魔的な匂いをぶんぶん発している西村晃がすごい(知ってるよね?「水戸黄門」さまですよ!)。
『可愛い悪女』は范文雀主演のオトナコドモ映画というか2時間サスペンスというか、要は当時のアイドル映画。
范文雀さんは上戸彩さんに似ていると思う。共演はウルトラセブン変身前のモロボシ・ダンのひと。
『果てしなき欲望』は今村昌平監督作品。
時価六千万のモルヒネを発掘するため、四人の男と一人の女(渡辺美佐子)がトンネルを掘りすすむ話。
殿山泰司のダメオヤジっぷりがいい。渡辺美佐子は初めて観たが、なんとなく椎名林檎っぽい。そしてここにも極悪のキーマン・西村晃。
『地獄の饗宴』は岡本喜八監督。
主演の三橋達也&団怜子は当時の「伊達男」と「いい女」の象徴か。「イケメン」とか「アゲハ」ではない。
(団さんはあまりにも昭和的すぎて、平成においては被る人が見当たらないが)
売春斡旋屋(三橋)が一本のフィルムを現像したことから始まる岡本流ノワールもの。
しかし佐藤慶がヤクザをやると本物にしか見えない。なかなかロッキンなラスト。

まだまだ観たい作品、観れなかった作品もあるが、時間的に厳しくなって参りました。
こういうのを楽しめているうちは大丈夫だと思う。モノクロ画面の豊穣なこと!
上映時間90分、CGもないけど、面白い映画は作れる。
『プライベート・ライアン』観てたら・・・・やっぱり途中で寝た。もう、長い映画キライ。「映画は三倍速!」という立派な意見もあり。
「長い話にオチはない」と中谷彰宏先生も仰っているぜ!
(この人のことはまた後日。ぷぷぷ)

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