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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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ズーッとやってやんだよ!



動画サイトで、『ラフィンノーズという生き方』を見た。
30年以上やってるベテランパンクバンド。平均年齢50.ボーカルのチャーミーは今年で52歳になる。
素でいるぶんには普通のおじさん。楳図かずおにちょっと似てきた気がする。だが年間80本以上のライブをこなす現役パンクロッカー。バンドはラフィン一筋でとにかく、80年代からのスタイルでずーっと続けてるってとこがすごい。
「GET THE GLORY」世代ってのがあるとすれば自分なんかは確実にそれなのだけど、人気があったからレンタルでちょっと聴いてたくらいで、あまり思い入れはない。
アイドルっぽい売られ方が鼻について(メジャー盤を聴いたときのガッカリ感!)、本人たちもそれでよしとしているようなところがあって、何よりも稚拙な歌詞。ノリだけのポップさで押し通している英語と日本語のチャンポンがもはやパンクとは思えなくて、一番近いセンスはサザンの桑田圭祐である。
パンクってのは実は歌詞の衝撃が重要なんで、スターリンやINUやフリクションや赤痢がそれぞれのスタンスで投げつける、「冷たさ」が本物だと思ってた。
あれだけ荒れ狂っていたハードコアのライブから死人が出たとは聞かない。つまり皆さんが「玄人のパンクス」だったからである。ラフィンの野音で3人が亡くなったのは、「素人さん」を巻き込んでのスタンスが生んでしまった事故。

ところが最近のライブはどうだ。えらいことカッコいい。そして「BURST 」あたりからたどり着いてきたのか、客層がえらいことカッコいい。
が、曲はやっぱり相変わらず好きになれない。けど、エグい。『聖者が街にやってくる』とか、まあだやってる。全身全霊で。・・・・エグい。全盛期のアイドルパンク時代より、今のほうがエグい。
バンドの運営もツアーの運転もメンバーだけで行い、音楽だけで食えていて、コアなファンもついている。これ、バンドとしての理想系なんじゃないかと思うけども、ひとたび歯車が狂えばその場で分解してしまう可能性も常にはらんでいる。

チャーミーは気仙沼出身。震災後の凱旋ライブで彼が放った、「何度でも再生してやるぜ、ラフィンもおんなじだ」
  『ズーっとやってやんだよ!!』  の一言が強烈。こんな簡単な言葉なのに。

ラフィンってのはちとキャロルっぽいんだよな、と昔から思っていて、チャーミー本人も永ちゃんのファンを公言していた。だが矢沢という人はビジネスマンとしても有能なのでかなりいろいろな物が見えていたが、チャーミーはラフィン以外のやり方がわからないんだと思う。
「自分のためだけにラフィンをやっています」と言い切るチャーミーにとってラフィンノーズは希望なのか。
ひょっとしてほかにやりかたがわからない、逃げ場がない、ゆえの絶望からラフィンを続けるしかないんじゃないか?などと毎回完全燃焼しているようなライブを見ると、そんなことを思ってしまう。
ベテランてのは後半戦がキツい。普通は最盛期よりいいものを作れるわけがないのである。
ただラフィンに関しては、どんどんエグくなっている気がする。個人的にはやっぱりまったくファンじゃないですけども。
イギリスには還暦を越えたジサマ、チャーリー・ハーパー率いる『UKサブス』というパンクバンドがいるが、チャーミーのラフィンノーズなら同じくらいイケるんじゃないか?と思う。
しかしあの歳で「チャーミー!」と呼ばれ続けるってのも、エグいな。
やっぱりパンクはエグくないと!といったところで腑に落ちた次第。

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パンクとガレージパンク



二年前に更新費用を作るためごっそりCDを売ったが、またいつの間にか増えている。
中古屋で投売りされているとつい買いなおしてしまうんである。昔持ってたやつを。
というわけで内容は熟知しているので買って外す、ということはまずない。
新しい音楽に興味がないのでフジロックのメンツがさっぱりわからない。ライブ自体あんま興味なくなったし。
まともにライブを観たのは個人的に伝説のハーピスト&ボーカリストであるところの、震災直後のルー・ルイスだけ。
この時期に来日公演を行ったのはシンディ・ローパーとジェーン・バーキンと郵便局強盗の前科持ちで現役ドラッグ・ディーラーであるらしいルー兄貴のみ。ちなみに再来日も予定されていたのだが、過去の犯罪暦がバレた様子で、キャンセルになってしまった。というわけで2011年が本当に伝説の来日となった。
ブルースも漁るとかなり安い。研究者じゃないので聴ければ何でもいいのである。通行人から言わせて貰えばハウリン・ウルフなる「キンコング対ゴジラ」のゴジラに似た親父の出す音が一番怪しくてカッコいい。
「吠える狼」とか「泥水」とか「猟犬」とか「絶叫ホーキンス」とかのドキュンネームなブルースマンに外れなし。

で、このジャンルはあんまりもういいや、なのがガレージパンクである。
専門は70年代のパンクなのだが、研究の結果「77年のパンクバンドの音はほとんどパブロックである。当時パンクのサウンドを奏でていた有名どころはダムドだけである」との結論が出ました。
みんなまったり。そこが好きなんだけど。ピストルズなんかも「決して曲のスピードを上げて走らせなかった」安定のドラマー、ポール・クックの功績も大きいと思う。
「70’s PUNK」の重要な点は様々なジャンルと融合して数年間、ロックンロールを尖ったものとして音楽業界を震撼させたこと。
パンク+スカ=スペシャルズ、パンク+レゲエ=ポリス、パンク+ロカビリー=ストレイ・キャッツ、パンク+ファンク=コントーションズ、パンク+ジャズ=ラウンジ・リザース、パンク+テクノ=ディーヴォ、パンク+オールディーズ=B-52’sなどなどなど。さまざまな生物と融合して進化する、原作デビルマンの「デーモン族」のようなものか(これはいい例えですよ!)
80年代MTV世代なのだが、チャートに入ってるロックってやつを聴いても、どうにも「ギターの音が小さい」。エイティーズ独特のひゃらひゃらしたキーボードの音もいまだに馴染めず、といったところで「宝島」経由でパンクロックってものに出会い、人生で必要なものはすべてパンクから学んだ。文学なんて知らんよ。でも当然ながら一度飽きて、おっさんになってまた戻ってきた。昔なら「ぬるい」などと言ってスルーしたであろうヴァイブレイターズ、アドヴァーツ、ザ・ボーイズ、バズコックスなんかもいま聴けば「ああ名人芸~」。
クラッシュにおける三枚組の問題作『サンディニスタ!』も二十年ぶりに聴いたのだけど、イイんですよねこれが。
とにかくファンクやラテンやダブなど「クラッシュにまったく求められていない曲」しか収められていない、ってのが凄い。当時のストラマーたちの「でも、やるんだよ!」度がマックスだったのだろう。
バンドとレコード会社との契約の条件が「あんまり儲け出すな!」だったというのも前代未聞。
それからセカンドに収録されている、ミック・ジョーンズがうたう甘酸っぱいナンバー『ステイ・フリー』が最高だ。
誰も書かないから書いたった。パンク・バラッドの名作『オール・ザ・ヤング・パンクス』も!

で、ルーツを探ると「ガレージ・パンク」ってやつに行き着くのだが、これは「そういえば60年代にも喧しいバンドがおりました」ってなことになるのだろうけど、本質的にパンクなのはストゥージズやヴェルヴェッツあたりだけなんじゃないかと思う。
大概のガレージバンドってのはちょっと卑猥なことを馬鹿でかい音量で叫んでいたようなもんだと思うので、自分たちがパンクロッカーであるという自覚はない。これパンクとの大きな違い。パンクはなにはともあれ「自覚」である。
それはそれでキュートでワイルドで素敵なのだが、パンクが探れば探るほど意外と「深い」ことに対し、ガレージパンクは「頭打ち」である。ローカル州のコンピなんかを聴いてみると絶妙にヘタクソなナンバーの乱れ打ちだったりするんで、そのうち飽きてきた。結局、入り口で聴いた「ソニックス」とか「トラッシュメン」とか「プリティ・シングス」、『サーフィン・バード』etcが強烈だったコンピ「ROCKABILLY  PSYCHOSIS&GARAGE DISEASE」Iあたりが一番カッコいいんじゃないかな?って感じで、ガレージマニアにはなれなかったのでした。
でも中には突出した一曲ってのがあって、ザ・クワイヤの『イッツ・コールド・アウトサイド』ってのが泣きのパンク・バラッド・クラシック最高峰。これが聴きたくて「ペブルスvol2」買いなおしたもんな(安かったから)。

http://www.youtube.com/watch?v=AEErTyBgH9M
(また最近何かの不都合でリンクが飛ばず~)

ひゃっこいパンク



東京ロッカーズのドキュメント『ROCKERS(完全版)』鑑賞。
日本で一番最初にパンク・ムーブメントに呼応したバンドたちではあるのだけど、すべてのバンドが今でも通用する衝撃力を放っているかというと、さにあらず。
突出しているのがツネマツ・マサトシ在籍時「フリクション」の奇跡のライブと、カンフールックでハードコアの元祖「SS」。このふたつは凄い。特にフリクションのファースト『軋轢』は世界に誇るジャパニーズパンクの名盤なので、ぜひ聴いて頂きたい(リマスター盤で!)。
はっきり言って、モサいバンドばっか(そもそもこのシーンのカリスマ・「リザード」の良さが昔からわからない)。服装も髪型も地味だ。普段はカタギでちゃんと働いているようにも見える。
そして、ボーカリスト不在。フリクションのレック以外は声・歌が全然ダメだ。いくらパンクとはいえ、ド素人すぎる。
(この少し後に登場する「アナーキー」の仲野茂が、いかにいいボーカリストであったかということを再確認)
今のバンドのほうが演奏も歌も上達しているのだろうけど、決定的に違うのは、東京ロッカーズたちが放つヒリヒリ感。
モノクロ映像から感じられる「東京アンダーグラウンド」のヒンヤリした空気。それをそのまま纏った「ひゃっこさ」。
居酒屋で打ち上げをしている姿があまり想像できない。楽しいからバンドをやるんじゃなくて、やらなきゃいけないから、日本にもパンクシーンを作らなきゃいけないから、という焦燥は伝わる。
それにしても音楽評論家の鳥井賀句がボーカルをつとめる「ペイン」と、ボスである「S-KEN」はあまりにも、っていうかもう、ド音痴すぎて××××。
http://www.youtube.com/watch?v=IwHDD2DRZo4


今まで権利関係の問題でお蔵入りしていた「ストラングラーズ」の映像が見られるのが、このDVDの白眉である。
彼らも今聴くと微妙で、年齢は高いし、キーボードはいるし、曲もいわゆるパンクのパターンじゃないのだが、ライブからも伝わる高度な暴力性が、パンクのカテゴリーにぴったりはまったのだろう。
実際この人たち、パンクスというよりテロリストのようなルックスである。ファッションでバンドをやってない分、見てくれが実は一番こわい。
ベースのジャン・ジャック・バーネルはカラテの有段者でもあり、パンクシーンの中で最も恐れられた男。ギターのヒュー・コーンウェルはインテリヤクザのような「ひゃっこい」佇まい。ドラマーはモロに武闘派ヤクザ。キーボードはマッドサイエンティスト風。
最盛期の演奏がモノクロで収められている。激シブである。ジャン・ジャックは音楽家なので、シドみたいにベースで殴りかかったりはしない。怒らせたらフィストが飛んでくるのである。
基本的に彼らの音楽は「ひゃっこい」。パンク衰退以降、攻撃性を後退させて「ひゃっこいエレポップ」風に方向転換して生き残ったが(今もやってる・・・)、結構そちらも好きだったりする。
一聴するとラウンジ音楽みたいなんだが、徐々に「ひゃっこさ」が伝わってくる。『ゴールデン・ブラウン』なんて最高である。
http://www.youtube.com/watch?v=GJCHksPBUjE

プロ・ノイジシャン



ふと、「電撃ネットワーク」ってどうしているのだろうと思って検索してみたら、いまだに現役であった。
かつては過激なパフォーマンス集団として世界に名を馳せたのだけど、さすがに勢いもあせてきたように思える。
要するにそれほど過激に見えなくなってきてしまっているんである。今の目線からすれば、もっとすごいことをやっている人びとがいるから。
企画物のAV女優さんたちである。
あの方たちは本当にすごい。もう、なんでもやるしなんでも食うしなんでも浴びる。
一番参ったのが女性の局部に虫やらミミズやらをつっこむ専門レーベルで、たまたまサンプルを見てしまったらこっちが完全に死んだ。ああいうのが一番苦手なんです。ただ、海外の前衛アーチストなんかに見せたら「COOOOOL!!!」なんつって激賞されるかも知れない。

80年代のジャパニーズ・アングラ音楽シーンは急激に過激化して、それは情念の国である日本らしく、「パンク=エログロパフォーマンス」と受け取った、スターリンやじゃがたらなどが血と汚物にまみれて大暴れしていたのであった。といっても、自分たちの世代ではすでに伝説であったが。
スターリンのミチロウすらビビらせたのが京都の『非常階段』で、彼らはノイズ・バンドであってパンクではないのだが、その直接的なパフォーマンスはライブハウス屈指の変態バンドであったのだ。
自分も根っこがアングラなもんで、やはり気になって彼らのCDを中古でちょこちょこ買ったりしているのだが、いかんせん「ノイズ」なもんで、いまいち肌に合わず、お金がなくなると売ってしまうのであるのだが。
しかもこの人たち、まだ現役で活動中である。非常階段結成30周年記念のオフィシャル・ブック『非常階段 A STORY OF KING OF NOISE]』、読了。

そもそもロックには暴力衝動の魅力というものがあり、リーダーのJOJO広重氏はジミヘンなどが行うノイズによるパフォーマンス部分に強く惹かれ、そこだけを突き詰めて演奏するノイズバンド・「非常階段」を結成するにあたったとのことである。
メンバーを通した日本のアングラ音楽史とも読める。好き物にとってはかなり面白いです。
特典でライブDVDも付いているのだがこれがまあ物凄くて、初期のロフトにおける汚物にまみれた乱暴狼藉や、女性が堂々たる立ち小便を見せる大阪でのライブ(これがテレビ放送されたらしい!)など、帯にある「ムチャクチャやってほしいからオレらを呼んだんやろ?」の言葉はハッタリではない。
最後に収められている30周年記念ライブは、パフォーマンスを一切やめ、ドラマー加入の純粋ノイズバンドとして、歌やメロディが一切ないにも関わらず、「雑音」のみで客とコミュニケーションする姿は、なにやら感動的である。

それにしてもJOJO氏の真面目なこと。
関西「いちびり」音楽の立役者であり、ジャパノイズの創始者である彼は、やはり偉人なのだろう。
常人には単なる不快な雑音にしか聴こえないものを、「僕らの音楽」と言い切る姿勢もいいじゃないの。
初めての自分たちのレコードが納品された段ボールを運ぶとき、「あれほど幸福な瞬間はなかった」「あの重さ、あれがあったから、その後もずっとやれてたんやろな」との言葉が印象的。
自分たちの手で作り上げた、という感覚はやはり大きいのだろう。傍目に見ればわけのわからんものでも、作り手にとっては夢と希望、愛情に満ち溢れているのである。
広重氏がどこかで「ノイズは演っている側の人間性が現れてしまうから、演歌と同じ」と言っていたような気がするのだが(すごい発想だなあ)、この辺の意識のブレのなさが「飽きてやめちゃう」ノイジシャンとの違いなんでしょうね。
http://www.youtube.com/verify_age?next_url=/watch%3Fv%3DAsxNahtOGyw

「かき鳴らす」と名乗った男



自分は猫好きであるのだけど、パンクの美学はいわゆる「負け犬の美学」だと思う。
テクもカネもなく知識や人生経験にも乏しいので、わんわんきゃんきゃん吠えることしかできないが、大人が聞けば失笑しそうなわんわんきゃんきゃんこそがパンク最大の武器で、そのわんわんきゃんきゃんを溝に刻んだものがパンクのレコードというわけである。
とはいえ、わんわんきゃんきゃんだけでは持続力などないので、ほどんどのパンク・バンドはシングル一枚で消えたり(それでも残せれば立派!)失速していったりする。
中には思慮深く活動を続けていたバンドもいて、ザ・クラッシュなんかはその代表格だと思うのだけど、パンクの成功者であるにもかかわらず、なぜかジョー・ストラマーには負け犬的なイメージがつきまとう。

『LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー』を観る。
101ERSからザ・クラッシュ、最後のジョー・ストラマー&メスカレロスまで、彼の生涯を追ったドキュメント。監督はまたしてもジュリアン・テンプル。
クラッシュに関しては、サード『ロンドン・コーリング』のジャケがあまりにもカッコいいので購入したら、中身が全然パンクじゃなくて当時がっかりした、という声をちらほらと聞く。
ならばファーストは良いのだろうと『白い暴動』(コレもジャケが滅茶苦茶カッコいい)を聴くと、おっそろしくスッカスカな演奏が最後まで続くのである。
というわけで最初、自分はクラッシュはあまり好きではなかったのだけど、こういうバンドはじわじわと効いてくる。
今時の耳なら、セカンド『動乱』のカラッとした音が一番フィットするんじゃないかと思う。あまり評価自体は高くないが、これって「今」の音でしょう。
何にしても、相反する「破滅の」ピストルズと「継続の」クラッシュを生んでこそのパンク・ムーブメント。ピストルズが攻撃の矢面に立っていたのでクラッシュは自分たちの方法論を模索できたのだと思うし、ピストルズが放棄したパンク・スピリットを、クラッシュが彼らなりのやり方で伝道していったのは確か。これに「ゴスなパーティー感覚」ザ・ダムドを加えたものが、パンクの三大要素。

で、映画なのだが、これが「ストーリー・オブ・クラッシュ」だとちょっと悲惨であった。
ピストルズに衝撃を受けたジョーが、それまでやっていたパブロックのバンドを捨て、クラッシュに参加。ファーストのデモらしきプレイをするモノクロの映像が恐ろしくカッコいい。ジョーストラマー、ミック・ジョーンズ・ポール・シムノンのとびきりトッポいルックス!パンクはコレだろ。
そして、パンクの先鋭として時代が彼らを求めた。
人気が出るにつれ他のロックバンドと同じように、クラッシュも巨大マーケットに取り込まれ、成功したもののジョー・ストラマーとしてはどうにも居心地が悪い。
「反アメリカ」と歌っていたのに、カウボーイの前説に紹介されて、アメリカのスタジアムで演奏している(主張も完全にブレた)。そこにイギリスのライブハウスでの画像が挟まれるのだが、どちらが生き生きとしているかは明白。
ジョーの激しいアジテーションもアメリカ人の観客には空回り。
彼のエゴはどんどん肥大し、メンバーの首を切り、バンド史上「なかったこと」にされている駄作を一枚作り、いつのまにやら「ザ・クラッシュ」消滅。

そこから長い不遇時代が続く。
この時期にジャームッシュの『ミステリー・トレイン』なんかに俳優として出演していて、おーストラマー相変わらずかっけーななどと観ていたのだが、本人的にはどん底だったらしい。
が、最後のバンド・メスカレロスはいい感じに始動し、いい仲間と「少しの名声」を得て、心臓疾患のため50才で死去。
晩年はすっかりロカビリー親父みたいになっていたが、基本的にルックスがほぼブレてないってのは素晴らしいことです。
(インタビューに答える相方のミック・ジョーンズはきっちり劣化して、悪徳不動産屋みたいになってしまったのが、ちと悲しい)

外交官の息子として生まれ、右翼活動に傾倒した兄がドラッグの過剰摂取で死亡。
裕福な出身が逆にコンプレックスなのか、反ナチコンサートに参加したり、アルバムの価格をギリギリまで抑えたり。
しかし、改めて見るとクラッシュはルックスがとてもいい。パンクスとテッズのいいとこどり。
ジョニー・ロットンの思いつめた目つきもいいが、ストラマーの据わった目つき、いきなり鉄拳制裁されそうな緊張感が、男が痺れるバンドとしてリスペクトされているのだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=1nX_SZPZSsk&feature=related

ジョー・ストラマー生前のラジオDJを使って進行していく構成が粋だと思う。
U2 のボノや、ジョニー・デップもコメンテーターとして出演。

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性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
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