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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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ロッキン・ボルノ!



安岡力也というといつも内田裕也のうしろに控えている巨漢のこわい人でなおかつ、ホタテマンというイメージ。
友人が彼を評して「内田裕也のストラップ」と言い放ったが、本体よりでかいストラップをぶら下げていたりする女子がいる昨今、言い得て妙である。
そんな力也氏も死ぬときは死ぬ。自分にとってはなんだかんだで俳優/バイプレイヤー。
阿佐ヶ谷ラピュタにて追悼特集。最終プログラム『嗚呼!おんなたち猥歌』(監督・神代辰巳/81年)を観てきました。

いきなり冒頭から初期・アナーキーのライブ。レコード化できなかった「タレント・ロボット」を演奏。
「お、これは単なるポルノではない」と思わせるオープニング。
実際、ポルノの名を借りた内田裕也主演のロック・ムービーである。ライブのシーンも使われており、さすがに三十代の裕也氏はロックそのものというか、Tシャツ一枚(ジョニーロットン・プリント)でも毒とフェロモンをばらまいているのであって、これを認めないと一体何がロックなんだかわからない。
パッとしない中年ロックシンガー(ジョージ)の役どころ。本妻とトルコ嬢と看護婦の間を回ってグダグダしているどうしようもないスケコマシ。周囲の人間をすべて不幸にするような負のオーラ。あのひゃっこい目つき。ほぼ実像なんだろうか。
力也は献身的なマネージャー役。ジョージを「あんちゃん」と呼ぶ。これもほぼ実像に近い感じ。
ミュージシャンというのはモテる職業のようなのだけど、この映画のように針のむしろのような男女関係をずるずると続けていくのも相当なスタミナがいるんじゃないかと思うのだがどうなんでしょう。
最終的にトルコボーイ(というのだろうか?男性版のソープ嬢)まで堕ちたジョージ。
泡まみれでプレイをしている彼にショーケンやジュリーの歌声がかぶさり、「これが伝説の『PYG』ってやつか?」と思っていたところで映画は唐突に終了。
当たり前だがポルノの女優さんたちはきちんと演技ができる、ロープーである。

内田裕也といえばニューイヤーロック。
普段はなかなか見られない「悪いおとな」たちが取り上げれるので、このフェスの深夜放送はちょっとした楽しみであった。
特に80年代前半はパンク・ニューウェーブ系も多数参加していたので、なかなか豪華なメンツである。
http://www.nyrf.net/00/appear.html
ボウイ・ハウンドドッグ・スターダストレビューなんて方々も登場してますね。
ジュリーなんか、紅白終わったあとにかけつけて「ストリッパー」歌ってたりしてたものな。彼にとっても大事な場だったのだろう。きっと紅白よりも。この年なんか、スターリンも出演している。
まったく無名な連中に混じって、ショーケンやビートたけし、原田芳雄なんかもライブしていた。

力也をはじめ、ジョー山中・ジョニー大倉・石橋稜・白竜・優作などのコワモテな男たちの頂点にいるのが内田裕也で、そこからシーンを睨んでいるというのがロートル・ジャパニーズロックの図であったのだけど、最近はそのメンツも少しずついなくなりつつある。
が、そういった縮図があるほうが健全な気もする。怖い親分衆。に、ビビる若衆。

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SKK13



前から気になっていた三池崇史版『十三人の刺客(2010)』、鑑賞。
痛快娯楽時代劇というにはあまりにエグい。正統派時代劇ファンはたぶんドン引き。
極悪非道なサイコ・プリンス(バカ殿)を演じるはスマップ・稲垣吾郎。
「天下のご正道(ストレート・エッジ/SxE)」のため、アサシンとして結成された13人がゴローちゃんの首を狙う。キル・ゴロー。
ゴローちゃんの残虐ぶりは徹底していて、いきなりお歯黒メイクの谷村美月ちゃんをレイプした後、呆然としているダンナを「サルの骨は硬いのう」となます斬り!
さらには一揆首謀者の娘の両手両足を切断し舌を抜き、セックス奴隷として飼うが飽きちゃったのでポイ捨て!
討伐軍のリーダーとして抜擢された旗本(役所広司)は呆然としながらも「家族は?」と問えば、そのだるま娘、口に筆を咥えてお習字したる文言は「み な ご ろ し」。怒りのあまり笑いが込み上げる役所。
短いシーンながらも血の涙を流して演技していたこの女優さん、一体何者なんだ?

天下万民の為、殿は取らねばならぬという使命感に燃えた役所さん(役名がめんどくさくてわからない)と、「主君に仕えるのが武士のつとめ」を貫くゴローの側近(市村正親)は修行時代を共にした仲間であった、というまともなエピソードも加えつつ、やっぱりゴローちゃんのにちゃーっとした変態ぶりが目を引く。
特にいきなり箸を落として食事をぶっかけめしにして犬食いするシーンは、「僕もう、スマップいいですから」と完全にアイドル捨ててる。
山道案内をしたのがきっかけで討伐部隊に加わることになった山の民・伊勢谷友介(セックスがつよい)。どんな役でも外さない岸辺一徳は今回、決戦の舞台となる村の村長さん(アナルセックスされる)。
ひとつの村を借り切り、ブービートラップを張りめぐらせ尾張藩200人を待ち受ける13人。

と、ここから50分におよぶチャンバラとなるのだが、基本的に三池さんはスプラッタ大好きなので、お年寄りも安心して楽しめる映画にはまるでなってはござらぬ。殺陣にあらず、血塗れのバトル・アクション。
『キル・ビル1』や『マチェーテ』が好きなボンクラ層はきっと拍手喝采。
人とセットと火薬と血糊。CGはとてもわかり易い。

暇つぶしのように残虐行為を繰り返していたゴローちゃんだが、天下泰平ゆえ、実は自分の「生」をまったく実感することができなかったのである。
部下たちが斬り合っている最中に、嬉しそうにのたまう。
「戦乱の世も、なかなか良いものぞ」。

ところでこのリメイク版、松方弘樹・平幹二朗・松本幸四郎などの超ビッグネームが参加している。
しかし三池監督なので、「オチ(のちょっと前)」でまたやっちゃってくれている。
きれいにまとめるのを良しとしない手法は『デッド・オア・アライブ2』あたりに顕著。
ここを「笑う」「コケる」「怒る」の反応で、この作品に対する評価が割れると思う(一応布石は、あったりします)。
彼ら大御所を抱えつつも、ラストで格調をぶっ壊しちゃうのがサムライ三池。天晴れ。
っていうか、脚本はあの映画監督の二世であったか。天晴れ。

本日9・11。ラジオをつけると平和を願う声が多かったが、このような「表現としての破壊や暴力」を気楽に楽しめる世界にいつまでも住みたいと思う。ピース。

抜歯マン&バットマン



突貫工事終了。って何がさ。いや我輩の歯がさ。
おにぎり食べてたら奥歯の詰め物がボロッと取れましてな、歯科医に行ったところ「これは歯にひびが入っております。膿んでおります。このままだと進行しますので抜歯したほうがよろしくはありますまいか?」と言われまして、「御意」と答えましたら「じゃあやっちゃいましょうか」と二回目の診療にして非常にカジュアルに物事が進行し、内心では「え?今日やんの?今日やんの?マジすか?ベイベー?」と心の動揺があったものの、ここは勢いでヤッチマイナァーとルーシー・リューばりの態度で臨んだらさすがに麻酔が効いているので痛みはなく、ばりばりごりごりと右奥歯一本抜かれましたとさ。
ところで医者は変態が多いと聞くが、誠実な治療をしてくれるならば、プライベートではシッコetcを浴びていようとも、僕は全然問題ないと思います。そんなの関係ねー。

で、そのまままっつん構成員と『ダークナイト・ライジング』鑑賞のため新宿・バルトナインへ。
ここは二回目だが音響がブリブリで良い。ほぼ爆音です。
劇場の入り口で小島よしおを見かける。なんつうかやっぱり、異形の人である。ちゃんと短パンとTシャツ着てたが。そんなの関係ねー。
「ライジング」はバットマン三部作完結編ということで、全作を見ていないとわからない部分も多い。
悪役・ベインもがんばってはいるのだが「ダークナイト」のジョーカーにはさすがに負ける。
正統派ヒーローものに戻っている趣もあってもちろん楽しめます。大金かかってるし。
本作はキャットウーマンの登場が嬉しいところ。60年代も含め、歴代キャットウーマンちゃんのファンなので、生身の女泥棒的なポジションのアン・ハサウェイさんが良い。今回もっとも「峰不二子に近い」キャットウーマンである。

鑑賞中はさすがに鈍痛が大きくなってきて鎮痛剤を投与しましたが、劇場出てビール一杯飲んじゃうともうダメなのな。一応抜歯後は避けろと言われているお酒をたくさん召し上がってしまいました。
バットマンもだが思い出横丁もワイルドだぜ~。スギちゃんはどれくらい使いまわしができるのか?すでに小物感漂ってるし。
マイルドだぜ~。

ナチス対化け猫(爆音2題)



バウスシアター・爆音映画祭にて『炎628』、『怪猫 呪いの沼』鑑賞。
「炎628」のインパクトが凄すぎて、もうこれはノーコメントでもいいんじゃないかと思ってはみたものの、生涯に一度だけ観る映画として、やはり記しておくべきではなかろうかと。
ロシア製作のナチス・ドイツ占領軍による暴虐を描いた作品(85年)。つまり「独逸さんよ、昔おめーんとこはウチにこんなことしたろ?」ってことを情け容赦なく描く。タイトルは「ナチによって炎に包まれた村が628あった」という意味らしい。
ナチスによって家族を殺されたロシア・パルチザン軍少年の行動を軸にストーリーは進む。
ドイツの将校たちがあの制服を着て右往左往されると「上がって」しまって困る、という人もおられようと思うが、この作品には「よそいきの」ナチたち出て来ない。
後半に、素のままのドイツ兵たちがようやく登場。部隊というより、ヘルス・エンジェルスのようである。
わざわざ母親と子供たちをひっぺがし、小屋に幽閉したのちに一斉射撃。さらに火炎放射器で全焼。
高笑いする兵士たちの横で嘔吐する者や、嫌々ながら機関銃を連射するメガネ君などが一瞬写る。
これは「戦争の狂気に染まりきらない者も一部いた」ということを訴えるカットなのだろう。
時は流れてパルチザンにドイツ軍が捕まって囲まれている。
タランティーノはあえて脳天気に「ナチの丸焼け」をやってくれたが、この映画にそのようなカタルシスは、やっぱりない。
ラスト、顔に刻まれた深いしわによって老人のような風貌になった少年が、ヒトラーの肖像画に向かってライフルを連射する。
同時に実際のフィルムを使い、第三帝国の栄華からヒトラーの少年期までナチの時代が逆巻きされる。
赤ん坊ヒトラーの写真が写されたのと同時に、少年は射撃を止める。
もともとヒトラーは画家志望であり、貧乏時代にユダヤ人から受けた屈辱を忘れられずに、あのような狂った思想を作り上げたのだけど、「種子ではなく、環境が人を怪物にする」ってことを伝えたかったのか。
あるいは「アドルフ・ヒトラーは特異な英雄なんかではない」と伝えたかったのか。
終映後、思わず拍手が起こったりしていたがロビーではほとんどの人が無言。蒸し暑い梅雨の合間の七月。

これに比べたら「怪猫 呪いの沼」(68年)は定石どおりの怪談で、安心して鑑賞(二十歳の女子美大生さんと観ていました)。
が、生首がずらりと床に並んでいたり、掴まれた手首を刀で切断するなど、元祖スプラッタな演出もあり、何よりこの手の日本映画の音をクリアに響かせてくれる企画ってものが、他にはないのである。そういう意味でも堪能。
しかし人に祟る恐ろしい猫としては、主演の三毛猫ちゃんがかわいすぎるな。うちのヂル会長のほうが迫力あると思う。
後ろの席に中原昌也先生がいた。

ガブガブいっちゃうよぉ(爆音2題)



今年の爆音初めは『ピラニア3D』。やはり映画などがブログのネタにしやすい(劇場のバウスまで徒歩1分で行けちゃうし)。
えーとですね、最高であります。ある日突然太古のピラニアが群れになって、はしゃぐおっぱいさん(バカ)やマッチョくん(バカ)を「わーいごはんだー」とむっしゃむっしゃお食べになる、というだけの映画です。
3Dの無駄遣い感も大変結構。
実はこの作品には重厚な教訓があって、それは「ビーチであんまりバカ騒ぎしてると、ピラニアに食べられちゃうゾ!♪」ということである。
ピラニアが男性器を吐き出したりと(不味いからか?)、細かいギャグも混ざっており、悪趣味感もさらに増幅。
おねえさんたちもピラニアに食われて肉塊になるまではしっかりフルヌードを見せてくれるし、テクノどんどこ鳴らしやがって何が「透けTシャツコンテスト」だリア充のあほんだらが、と軽くイラッとした瞬間、スカッとさわやか阿鼻叫喚の地獄図が展開!正義の鉄槌だ!
助かろうとするビーチボーイズ&ガールズを乗せた船が重量オーバーでマストごと転覆して放り出され、ピラニアにとっては「一風堂の替え玉」である。追加メニュー、バクバクいってます。
続編も公開決定。バカの連鎖が止まらない。
90分間楽しめる残酷エンタメ。以上である。それ以上なにが?ほぼ満員御礼。

本日は開店前に『仁義なき戦い・広島死闘編』に足を運ぶ。真昼間からヤクザ映画を鑑賞するという浮世離れ感(っていうかダメ感)。
久々に観てちょっと驚いたのは、セリフが半分近く聞き取れないということ(「爆裂都市」並にわからない)。しかも広島弁なので、だんだんフランス語の映画を字幕なしで観ているような錯覚に陥り、軽くウトウトした。
モノラル録音なので、爆音で再生すると音がダマになるのだろうか。そういえば公式サイトにも「ガレージ爆音」と書いてたな。
そのかわり暴力シーンにおける、「殴る蹴る」「ドスで刺す」「発砲」「叫び声」「断末魔」「哄笑」などの音がダイレクト。
この映画のサウンドトラックは「暴力」だったのだ。もちろん例のテーマ音楽もボトム重厚。
二作目して広能組長(ブンタ)や山守親分(ネコさん)はすっかり端役。カジメイも意外とフツーの役だった。
本作はやはり一匹狼の北大路欣也と、「オンのスイッチしかない」ファンタステックデストロイ暴力マシーンの千葉真一。
特にサニーさんは、煮詰まった顔ばかり並ぶ中、直情的に木刀をぶん回し、銃火器をぶっ放し、嬉々としてリンチするわ、拓ボンを標的に射撃の練習するわで(これ名シーンですね)、ひとり怪気炎をあげる。
彼の「いい女抱いてうまいもん食うために生きとるんじゃないの!」というセリフははっきり聞き取れた。
それにしても鶴田浩二以前のカッコいいヤクザが一人も出てこないし、人間関係や対立関係が分かりづらい。
それでも伝わるヤクザ社会の暴力性とややこしさ、がこのシリーズの魅力なのか。まず一回観ただけじゃ分かんないもんね。

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